【老年看護学】COPD患者の看護ケア│口すぼめ呼吸・口腔ケアの指導

記事
学び

このブログでは、「COPD患者の看護ケア」を記載しています。

特に
①口すぼめ呼吸
②口腔ケア(義歯のケア含む)
③高齢者へのケアを通して学んだこと
について記載しています。

課題やレポート作成の参考にどうぞお使いください。

※内容は適宜更新しております。ご了承ください。
※当ブログは実際に依頼のあった内容を、一部修正して記載しています。


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事例紹介

80歳男性、62歳で肺気腫と診断され、禁煙できず66歳に肺炎を併発し入院した。
退院後、禁煙成功。
1ヶ月前に肺炎の疑いあり入院。
現在は急性症状は落ち着いているものの、動作時に息苦しさあり。呼吸困難に対して不安・恐怖心があることから、行動範囲が狭まっている。
この事例患者に対して、口すぼめ呼吸の練習と口腔ケアの説明、入れ歯の洗い方を実施した。


肺気腫、COPDについて

 肺気腫とは、肺や気管支に炎症が起き、それが長い期間続くことで肺胞が破壊されてしまう疾患である。この肺胞の壁が壊れることで、隣り合う肺胞同士が結合し大きな袋のようになり、肺の中がスカスカの状態になってしまう。大きな袋のようになった部分は伸びきった風船のようになり、弾力性を失い、吸い込んだ息をうまくはき出すことができなくなる。その結果、少し動いただけでも息切れするなどの呼吸障害を引き起こすと言われている。
 肺気腫はゆっくりと進行し、隣の肺胞と結合し大きくなった部分は、周囲の肺胞を壊しながら徐々に広がっていく。基本的に壊れた肺胞を元通りに戻すことはできず、治療によって肺気腫の広がりを抑えたり、症状を和らげることができる。
 肺気腫の主な原因として、喫煙が挙げられる。タバコを吸った本数よりも長期間喫煙している人のほうが肺気腫にかかる傾向が高い。長期にわたり吸い込んだタバコの煙が原因で、徐々に肺の中の肺胞が壊されてしまう。加齢によっても肺のしなやかさは失われていくため、若い時からタバコを吸い始めた中高年〜高齢の男性が肺気腫になることが多いと言われている。
 また、慢性気管支炎を併発している患者が多く、これらをまとめて慢性閉塞性肺疾患(COPD)と呼ばれる。主な症状は、慢性的な咳嗽、喀痰、労作時の呼吸困難である。特に労作時の呼吸困難は、最も多い主訴とされている。そのため、事例患者のように動くと苦しくなり、それを避けるために動くこと自体が辛くなってしまい、日常生活での活動範囲が制限されてしまうことがある。 
COPDは閉塞性換気障害であり、閉塞性換気障害は呼気時に気道が閉塞しているために、肺の空気をはき出しにくくなる状態である。つまり、呼吸をするたびに肺の中にはき出せない空気がたまって息苦しくなってしまう。

口すぼめ呼吸について

 そこで、鼻から息を吸った後、口をすぼめて長く息をはく呼吸法である口すぼめ呼吸を行うことが効果的である。COPD患者は気道が狭くなっており、空気の出口を狭くするため口をすぼめてゆっくり息をはくことで気道が広がりやすくなる。したがって、気管支の内側に圧力がかかり、呼吸が速くなっても気管支のつぶれを防ぎながら、空気を効率よくはき出すことができる。また、この時に頑張って息をはこうとすると、肺に負担をかけてしまい非効率な呼吸法になってしまう。そのため、頑張らずにリラックスしてゆっくりと息をはくよう指導することが大切である。
 口すぼめ呼吸でしっかりと息をはくことができれば、その後に大きく息を吸うことができる。ゆっくりと深い呼吸をすることは、呼吸の効率を高めるために重要である。つまり、口すぼめ呼吸をすることは、呼吸時の息苦しさの軽減に繋がっている。口すぼめ呼吸は、臥位あるいは座位といった安静な体位から始めるとよいとされており、慣れてきたら動作時にも意識しながら行うと効果的である。COPD患者は少し動くだけでも呼吸困難になりやすいため、息をはきながら動くことを意識して、さらに口すぼめ呼吸を行うとより呼吸困難感が出現しにくくなる。

口腔ケアについて

 口腔ケアとは、口の中を綺麗に保つことで歯周病をはじめとする様々な口のトラブルを予防し、それに伴う全身の健康状態の維持や向上を目指すケアを指している。口の健康は全身の健康に影響しており、歯周病菌は脳梗塞や心筋梗塞、誤嚥性肺炎などの病気のリスクを高めると言われている。口腔ケアは、最近を含む唾液や食べ物を誤嚥し肺に細菌が侵入することで発症する誤嚥性肺炎を予防することができる。
 事例患者の場合、肺機能が低下していることから、肺炎にかかるリスクがより高い状態である。そのため、肺炎予防を目的とした口腔ケアの説明が大切だと考え、適切な道具を使用することを説明した。歯垢の除去には歯ブラシを使用するが、高齢者は歯茎が弱いため柔らかいブラシを用いるとよい。歯茎を傷つけてしまうと、そこからさらに細菌が侵入する恐れがあるためである。適切な道具を使う理由や根拠を説明しながら指導を行うことで、患者自身が納得した上で口腔ケアを行うことができる。また、歯と歯の間は歯ブラシだけで取り除くことが難しい場合は、歯間ブラシを使用することが効果的である。
 そして、義歯を使用している患者には、義歯の洗い方の指導も行うことが大切である。義歯用ブラシを使用すると、力が入れやすくなり歯垢が効率的に落ちることに加え、義歯の土台部分を傷つけにくい。この時「熱いお湯で洗わない」、「歯磨き粉でこすらない」、「落とさない」の3点に注意が必要である。義歯はプラスチックやシリコンなどの樹脂でできており、60度以上のお湯で変色や変形をしてしまうため、60度以下のゆるま湯で洗浄することが重要となっている。歯磨き粉には研磨剤などの添加物が含まれており、使用すると義歯の表面を傷つけ、細菌が繁殖し歯垢がつきやすくなる恐れがある。義歯は強い力がかかると割れてしまうことがあり、洗面台などに落とさないよう注意する。
 義歯は、上顎の後ろの淵・人工歯の付け根・下顎の内側・アタッチメントなどの金具の部分に汚れがつきやすいため、意識してその部分を中心にブラシで洗浄するよう指導を行った。義歯の洗い方を含めた口腔ケアを行い、口腔内を綺麗な状態に保つことで、肺炎の再発予防に繋げた。

高齢者へのケアを通して学んだこと

 高齢者へのケアを行い、学んだことは3つある。
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