真実を知ったら最後(4)

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小説
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Chapter4
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「あなたの本当の両親は10年前に亡くなって、殺されたのよ。この家で」

背筋が凍った。

「え?」

「10年前の5月24日、警察から電話が来て恭子と慎二さんが亡くなったと報告を受けたの。心が張り裂けそうな思いだったのを今でも覚えてるわ。警察曰く、刃物で何度も何度も斬りつけられ死んでいたらしい」

祖母の声のトーンがリアルさを増し、どん底に突き落とされる。
恐怖と驚きを隠せない私の代わりに、志帆が口を開いた。

「犯人は捕まりましたか?」
「特定したらしいけど捕まる前に自害してしまったの」

ジガイ・・・

「どうやって犯人を特定したんですか?」
「覚えてないの?里奈ちゃん、あなたが警察に話したじゃない」



ーーーーーーウッッーーーーーーーー

その瞬間、頭が締め付けられるような痛みに襲われた。

「里奈ちゃん大丈夫?」

封印されていた記憶が解き放たれるかのように。

「私は大丈夫ですので、話を続けてください」

祖母は話を続けた。

「あなたはね、太腿に大きな傷が出来ていて血塗れの状態で犯人の部屋で見つかったのよ。警察の方に「犯人は里奈の知ってる人」って泣きながら話してたの」


犯人と面識があったなんて・・・

「犯人の名前をご存知ですか?」

志帆が訪ねる。

「真壁勉」

祖母は小さな声で言った。


マカベツトム・・・聞いたことある名前だ。


「里奈ちゃん達とは仲が良かったって聞いてはいたけど実際どうなんだろう。殺す動機も本当のところはわからない。その人の奥さんが若くに亡くなったから、完璧な家族が憎かったのかもしれない」

祖母は悲しく呟いた。

「どうして自分の家族がこんな目に遭わなければいけなかったのだろう」

これ以上過去の記憶を掘り起こして祖母に語らせるのは良くない気がしてきた。
私たちは話を聞くのを辞め、祖母の家を後にする。

「思っていた以上に話が重かったね」

沈黙を紛らわすように言った。

「そうだね、里奈ちゃんは今でも犯人の顔覚えてるの?」
「ううん、記憶を無くして全然覚えてない」
「そっか、記憶を取り戻してみたいと思わない?」

この事件、志帆も興味があるようだ。

「取り戻したいよ。あの事件のことがすごく気になる」
「わかった、記憶が戻るように私も手伝う」

私たちはインターネットでその事件に関連する情報について調べることにしたが、何も得られるものはなかった。

「地元の図書館なら知りたい情報が見つかるかも!」

確かに、地元の図書館だったら昔の新聞とかも置いてあるし、すぐに見つかるかもしれない。

「いいね!行こう!」

地元の図書館に着くと、1時間程で当時の新聞記事を見つけた。


”高知一家殺傷事件の犯人自殺”









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