日ごろから偉そうなことを言っている建築家夫婦の親せきがうちに来て
ワインにケチをつけた。
私はいつも飲んでいるジュブレシャンベルタンを出した。
脂っこい肉料理の脂を流す機能に特化して、酸味と渋みのバランスが良く
飲むたびに舌をリセットしてくれる。
日本料理屋や寿司屋の緑茶のような感じだ。
びっくりしたのはローストビーフを2022年になるまで食べたことがなく
高級ワインを飲みにくいという。娘と顔を見合わせてしまった。
それで、スパゲティに使っているコンビニで買ったカベルネソービニオン
が戸棚の奥に放り投げてあったので出して栓をひねったら、おいしいという。
味覚は勝手だが、せっかくごちそうしている人の気分が台無しになってしまう
利休が接待した秀吉、明智光秀が信長に家康接待用の食事を全否定されたあれ
によく似ていると思った。何でそんなに食べることに無頓着なんだ?
とも思った。
まあ、カネだけためて、焼きみそのブブ漬けばっか食ってる奴等は
権力のことしか考えていない。
権力がある程度手に入っても美食のことなんて考えないだろう。
カネで権力を買うので、食い物に回してられないっていう感じ。
ああ、あわれなりあわれなり。と思った。
わかれた元嫁も、美食よりも権力だったなあ。
勲章が欲しいだの、芸能人の誰ソ俺と仲良くなりたいだの
いっていた。
私は意図して芸能人やスポーツ選手や政治家と付き合わないことにしている
権力と距離を置くためだ。
そんな上になんか行かなくてもいいし、所属団体の名前を言って
会員割引で安く美食した方が良いじゃん。
おかげでフランス商工会議所で三井三菱のお歴々にいろいろ教わって、
さらに接待力が高くなった。
それで政治家が偉そうに来た時に外の立ち食い寿司で一杯やりながら何貫かつまんで時計を見て頃合いを見計らって帰ってくる。
シャンパン一つにとっても甘口辛口があってなおかつ、追っかけリキュール入れてキャッチーな味わいにしている会社もある。
ワインっだって、メルローとシラーとピノノワールで複雑な味わいにしている会社もあり、飲みにくいが香りが高いものもある。
建築家って、芸術性が重要で必要だと思うのだが、コンビニのミートソース
作る時に水代わりに使うようなワインがおいしいとなると、夫婦二人で
やっている建築事務所、もう、終わったなと。ダメになっていくなあ。
と思った。
こうしてこの建築事務所は昭和バブル直前まではよかったが、
今は全然だめで仕事が欲しいから誰かを頼っている
高級な家の建築で失敗した。作ったことないし、貧乏からは逃げられないから
都営住宅に住んで大口叩いている建築家もいるけどあれもどうかと思う。
住環境が個人の芸術性を生む。
息子を医者にしたいと相談に来る人が多いが、団地やマンソンからは優れた
医者は出ない。せいぜい公務員が出て戦いに負けて第三セクターで失職の恐怖と戦う。
息子を医者にする、総理大臣にしたければ、家相の家を作ることだな
家を建て替えるときにこの建築家夫婦には頼まなかった。
安っちい奴等で私の輝かしい経歴が見えなかったから。