父親の人生と、娘の私の人生

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小説
前回の続き、番外編だ。
私はその27年後、父と再会した。
東京で暮らすことになった私はお別れを言いたかったからだ。
私はあれから毎日父を思い出さない日はなかった私。

その父が27年ぶりの私を見てこういった。
「マキのことは一度たりとも忘れたことがない。
だけど、自分には家族がいる。
妻との間には子供ができず、妻の親戚の子供を養子に入れた。
妻には、今回マキと会うことを伝えたけど、
決して良い気はしないと思う。
だから、もう、会うことはできない・・・。」
「それと、自分も実の親とは早くに別れて育ての親に育ててもらったけれど、それでもよかったと思っている。」

それっきり父とは会っていない。
でも私は今、5歳の子供がいる。
父と別れた年は5歳だった。
子供を見ていて、父のことをより鮮明に思い出すようになった。

親として、わざと突き放したのか。
今の家族を思うと、娘のことは考えたくないのか。

どちらにしても、胸が痛む。
やはり、どんな父親だったにせよ、私は父を愛している。
生まれ変わったら、もっと平和な関係性で、大好きだと叫びたい。


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