【海外生活】必見!おもしろ体験:ブルーベリー狩り 

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コラム
オーストラリアでのワーホリのやりたい事の1つに日本でなかなかできない、農場で働く、「フルーツピッキング」というのがあった。

私は1年かけてバスでオーストラリアを旅行しながら生活していたので、フルーツピッキングのいいタイミングを狙っていたのが、賃金のいいバナナは、蛇との闘いになるから、女子はお断りといわれ、その農場主から、ブルーベリーはどうか?といわれ、コフスハーバーというシドニーから533km北にある地に向かうことに!

滞在先のバックパッカーズは、ブルーベリーピッキングで稼ぎに来た私と同じような色々な国の人で満室。

泊まる際に、明日からピッキングしたいと希望をいうと、朝5時にバスが向かえにくるから、飲み物とランチを持参するようにといわれる。

ドキドキしながら朝を迎え、キッチンに行くと、多くの若者やベテラン風のおじさまでいっぱい。年齢も国もバラバラな中、忙しそうに、ランチを準備をしていた。

バスに揺られること30分。だだっ広い場所に降ろされ、子供が砂遊びに使うような小さなバケツと紐を渡された。皆、慣れたしぐさでその紐にバケツを通して、腰に巻き付ける。(写真みてください。)

なるほど、このバケツに摘んだブルーベリーを入れ、秤のある農場主のところで重さを計ってもらい、バケツ1杯に対して、お金をもらうという仕組みらしい。

この農場主が実に太っていて偉そうにしている。皆は、既に経験者なので、バスに降りてすごい勢いでブルーベリーの木を選定している。ブルーベリーの木は、自分の背丈ほどで、そこにある実を取るのだが、ご存じの通り、粒が小さいなので、バケツになかなかたまらない。

やっとたまって、初収穫!と思って農場主のところに納品する。農場主は、偉そうに、手の平のせ、悲しいことに、少しでも赤実が混じっていたすると、その実は、パン!とはじかれ、捨てられる。

それ以外の商品になる実は、農場の名前が印刷されたシールの貼ってある、プラスチックの容器に小分けされる。

なるほど、これが、市場に出回るのである。

この腰に巻いたバケツ一杯でオーストラリアドル3.5ドルの稼ぎなり。(その当時のレートでたった200円ほど!)

初回は、バケツ1杯に1時間近くかかる。つまり時給200円でしかない。

でもめげている暇は、ない。

朝のキッチンで出会ったベテラン風のおじさんはやっぱりすごかった。

まず、商品になる赤実のないブルーべりがなっている木の選定。そして摘みの早さ。これにより、私の5倍の早さなのである。

なんでも、フルーツに合わせて、オーストラリア中を周っている大ベテランだった。生活がかかっている人はやはり違う!

そんな中、魔の手が忍び寄る。真夏の太陽がギラギラ降り注ぐ中、トラックに軽やかな懐かしいような笛の音色ががピーヒャラ聞こえてきた。

そして、「Cold Drink!!コールドドリンク!」という男性の掛け声。

何だ?と思っていたら、冷たいジュースの販売車なのである。

値段は、なんとコーラー1本3ドル。

それも普通のただの500mlのペットボトルなのである。通常だったら1ドルもしない。

3ドルってブルーベリーバケツ一杯の私達の賃金ではないか!

誰が買うものか!と歯を食いしばっていたら、なんと結構、手を出している人がいるのであるから驚きである!

そして、実においしそうに飲んでいて、私の喉も鳴りまくり!!

いかん、誘惑に負けてはと自分で持ってきた、ペットボトルを凍らしたお水を飲むのだが、暑さですでに溶けて、美味しくない。

仕方ないので、赤実かかったあの商品にならないブルーべリーをこっそりつまみ食い。

甘くはないのだが、若干の水分がこの暑さにはしみる。おいしい。

このトラック、一旦去るのだが、また14時過ぎの暑さピークの時に、ピーヒャラ、ピーヒャラとまた音楽を流してやってきて、

「Cold Drink!!コールドドリンク!」

と魔の囁きをするのである。

いやはや、何度私は、その音色に連れ去られそうになったことか。

16時にまたバスが迎えに来て、バックパッカーに帰る。

その夜に、ギブアップした人は、レセプションに明日チェックアウトすることを伝える。

しかし、また新たにチェックインする人がやってくるので、人手は間に合っているようだった。

翌朝、トイレに行ってびっくり。私のうん〇は、ブルーべリ染めの紫だった。

そして朝5時のバスに揺られ、またコールドドリンクの誘惑と闘い。相変わらず、農場主のブルーベリーオーディションが厳しく、3.5ドルを稼ぐ大変さを痛感して1週間頑張ったが、もうギブアップ。

チェックアウトを済ませ、私のブルーベリーピッキングは、あっという間に幕を閉じた。

さて、数年後、私は、マレーシアに旅行にきて、高級スーパーで買い物をしていた。

そこで、私は見覚えのある懐かしいものと再会する。

そう、あの農場のシールが貼ってあるブルーベリーだったのだ。

笛のピーヒャラの音とCold Drink!という掛け声が一気によみがえり、もう泣きそうになった。

あーー、今日も、あの農場で、魔の囁きと戦っている人がいるのね、と2パック買った。

飲み物は、もちろん冷えたコーラーである。

お会計してびっくり。マレーシアという物価の安い国であるが、高級スーパーにそんな標準は関係ない。

普通に1パック700円くらいした。でも嬉しくて2パック一気に食べたら、翌朝のトイレで、久しぶりのブルーべリ染に再会できたのであった。
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