人のうわさ

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こんにちは。
たなか まり*心のナースステーション*です。


職場で中間管理職をしている方から、「心ない人に
わるい噂をたてられて辛い」というお話を聴きました。


40代~50代の更年期世代は、豊富な経験があり仕事では責任のあるポジションに着くことが多くなります。



昇進は一見、成功体験で良いことのようですが、なかなかの重圧がのしかかり時に批判にされることもあります。



.人の口に戸が立てられない
   出典:weblio辞典
.世の取り沙汰(あれこれ噂する)は人に言わせよ
  出典:毛吹


この2つのことわざの意味は、人は噂をするのが好きなので止めることは出来ない。好きに言わせておけば良い。ということです。



確かに人の噂が好きな人は何処の社会(学校、職場、地域)にも存在します。



ですが、それによって心を痛め憂鬱になったり、心を病んだり、最悪 命を落としたりすることだってあります。



人の噂や、言われのない批判を好み、相手の気持ちを考えない人には「視点取得」と言われる力が不足していると言われています。



では、「視点取得/perspective-taking」とは何なのでしょうか?


「ひとが社会生活において円滑な対人関係を形成す るためには,他者の意図や感情といった心的状態を 適切に理解することが必要となる.
そのためには, 自己と他者の視点の違いに気づいた上で,対象を他 者視点から見たときにどのように見えるのかを、理解 する能力が求められる.このように他者の視点に立 つことを他者視点取得(perspective-taking)と言う.」


簡単に言えば「相手の立場に立って考え、相手の思いをくみ取る力」のことです。

どんな状況でも、相手の気持ちになって考えることができれば、「自分中心」ではなくその立場がもし、自分だったら…。と慮ることができます。


すると、相手を思いやった言葉や行動につながります。


これは医療や看護の世界では特に大切なことです。

なぜなら、健康な人には病のある人の思いを理解することは難しいからです。


でも、病気人の傍らにいる医療者は、その人の苦悩に親身に寄り添って、分かろうとする努力を忘れてはならないのです。




人はみな、相手に自分を理解してもらって初めて心を開くものです。



医療現場だけではなく、家庭でも、学校でも、職場でも、地域でも、

一人ひとりがほんの少し、相手の立場に立って考えることができれば、相手への思いやりのない言葉や行動が減ります。



「視点取得」の力を養うためには、小さな頃から親が子どもに折に触れ意識的に言葉をなげかけることが良いとされています。


「〇〇さん困っていないかなあ?     〜ちゃんならどう思う?どんな気持ちがする?どうしてあげたらいい?」と大人が問いかける。




その積み重ねで、子どもが相手の思いに気づく機会となるのだそうです。


日常生活の中で、相手の立場たった視点を持つための、心の習慣と言えるかもしれません。



今、自分にできることは何かを考える心の余裕を持ちたいものですね。



【引用参考文献 】
川崎医療福祉学会誌 Vol. 23 No. 1 2013 59 - 67
幼児期における他者視点取得能力の発達と
社会性との関連
田中里奈  清水光弘  金光義弘
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