40歳を過ぎてからの手の痛み

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40歳を過ぎてから
「スマホを触るとき手指の関節に違和感がある」
「料理のとき手指の関節が痛い」
「手指がこわばる」
「手の関節が何となくはれぼったい」
「手指を動かしにくい」と感じたことはないですか?


また、そんな時は
「何科に行けばいいの?」
「どんな治療があるの?」
「治るの?」などの不安がよぎりますよね。

そこで、看護師(master of Nursing)経験34年、
シニアメノポーズ(更年期)カウンセラーの免許・資格を持つ私が、
エビデンス(科学的根拠)をもとに、実際の体験談も交えてお伝えします。

この記事を読んでもらえば①~⑥のことがわかります。


①今、自分の身体の中で何がおきているの?
②手の痛みはなぜ起きる?
③どんな病気が考えられるの?
④どこに受診すればいいの?治療法は?
⑤気を付けることはあるの?


手の痛みがある時の行動を決める際の、お手伝いができれば幸いです。


①今、自分の身体の中で何がおきているの?

40代~50代は、女性の身体を守っているエストロゲンが低下して、
多くの症状が引き起こされます。

45歳~55歳を更年期といいますが、実際37歳ごろからエストロゲンは減りはじめ生理がおわって5年後にはほぼゼロに近づきます。ちなみに閉経の年齢の平均は50.0歳です。

ここで、先日相談をうけた50代前半のAさんのお話を紹介します。
「近頃手指の痛み、腫れに悩まれていました。そこで、近くに整形外科を受診したのですが
《歳のせいでしょう》と医師に言われた塗り薬をもらって帰りました。でも、全然手の痛みは良くなりません。」ということでした。

こんな経験をされた方は多いのではないでしょうか。
私もその一人です。
そもそもAさんは自分が更年期の年齢ではありますが、これまで何の症状もなく「更年期は自分には関係のないことだと思っていましたし、まさか手の痛みがエストロゲンの低下と関係あるとは思っていませんでした。」ということでした。

話を戻します。
じゃあ、エストロゲンと手の痛みってどんな関係があるの?
という疑問が出てきますよね。


②手の痛みはなぜ起きるの?

そこで、エストロゲンの作用について詳しく見てみましょう。
①エストロゲンが働くためには
②受容体というものがあり、
①と②がくっついて→ホルモン・受容体複合体が作られ→たんぱく質合成促進→女性の全身に働いて守ってくれます。


分かりやすく言えば
「鍵=エストロゲン」と「鍵穴=受容体」のような関係で、
鍵が“カチッ”とカギ穴にマッチすることで、扉を開けることができる。つまり、役目を果たすことができるのです。


なんと、この受容体(鍵穴)は関節にも存在します。
エストロゲン(鍵)が低下する前までは、
この鍵穴に鍵がセットされ女性の手指をスムーズに動かしてくれていました。

そのおかげで、家事や仕事で忙しい女性の手の疲れや,
腫れを修復してくれていたのです。

ところが、エストロゲン(鍵)が少なくなり、手の関節の受容体(鍵穴)は
空っぽになり、無理をした手は回復せず痛みや腫れの原因になるのです。
次に


③どんな病気が考えられるの?についてみてみましょう。

まずエストロゲンの低下による手指の関節痛の症状を見てみましょう。
・手指の関節が痛い
・手指の関節腫れている
・手が握りにくい
・ペットボトルのキャップを開ける動作がしにくい
・手指の関節に節がある

以上は
手指の第一関節(爪に近い方の関節)に起こるヘバーデン結節、
第二関節に起こるブシャール結節などの病気が関係している可能性が
あります。

手指の関節に起こる痛みや腫れやのことを指し、変形することもあります。
手は日常生活で多くの仕事をしているので、症状が進むとで困ることがでてきます。

また、更年期が原因だけではなく手指の関節内に炎症が慢性的に起こる
「関節リウマチ」など、治療が必要な病気が隠れていることがあります。


④どこに受診すればいいの? 治療法は?

【どこに受診するのか】
・産婦人科医への受診 
・ホルモン補充療法
・漢方薬でこれらの治療で改善するケースもあります。
・整形外科への受診
     以上が選択肢です。

【治療法は】
・痛みのある部位を安静にするために固定(テーピング)
・薬物療法(鎮痛剤、ステロイド剤の局所注射、漢方薬)
・状態によっては手術適応の場合も検討されます。
・ストレッチなどは整形外科医 歌島医師のYouTubeもとても参考になります。
・全国の手の専門医への受診「日本手外科学会」で検索すると
お近くの専門医が見つかります。


・サプリメント
母親の手が変形していた人や、自身でエクオールが作れない人は体質の遺伝があるため気をつけること。エクオール測定は自宅でも病院でもできます。エクオールのサプリメントの服用で効果がある人もおられます。
※治療中の方は主治医に相談してください。

ちなみに最初にお伝えした、50代のAさんもエクオールを1ヶ月服用した時点でかなり手指の痛みが改善したとのことでした。

⑤気を付けることはあるの?

【食生活】
・エストロゲンに似た構造を持つ大豆食品を積極的に摂る。
(1日の目安は 豆腐3分の2T/200g・豆乳コップ1杯/200ml・納豆1パック/50g等)
 ※治療中の方は主治医に相談を

・ビタミンを摂る

【手指の痛みの予防法】
・手指は心臓から遠い場所にあるため、冷えやすく血管が縮こまります。
栄養や酸素、ホルモンは血液に乗って体を巡るので、
血管が収縮する冷えは大敵です。
・手足を冷えから守る (締め付けないアームカバー・サポータ・冷房時は靴下上着で調節を)

・保湿する (乾燥は皮膚の傷の原因になるため保湿をこころがける)

・温める (締め付けないアームカバー・長い袖は手首まで覆うもの・湯船につかり手のマッサージ)


これまで手指の痛みについて見てきました。
40代~50代に予防し治療を行うことが大切です。
なぜなら、老年期に入り手指の関節が変形した人は更年期の頃に何らかの手の症状(手の痛みや違和感)を感じていた人が多いからです。

更年期はこれまで女性ホルモンに守られていた自分の体を、今度は自分が守ってあげる番です。せっかくの大切な自分の体からのサインを受け取って、ご自分にあった方法を判断していただきたいと思います。

以上は参考ですので、手指の痛みや腫れ、違和感があると思ったら、医療機関を受診し必要な治療を始めましょう。




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