ライティングができなかった人のはなし

記事
学び
フリーランス1ねんせいのときに、ライティングのお仕事で、割のいい案件をいただいたことがあった。
それまで、それなりに単発で数をこなしてきたからちょっと調子に乗っていて、長期的なお仕事で、テーマも大好きなものだったから喜んで受けた。

文章を書くのは楽しいし、人に伝わるにはどうすればいいか考えることも大好きだ。
けれど、私がその時受けたお仕事で必要とされるのは、私が今まで学んできた文章の書き方を一切必要としない、なんというかすごくつまらないし、自分が書いたものだと胸を張って紹介できるようなものじゃなかった。

SEO施策の全部が悪いわけじゃないと思うんだけれど、必要な単語を使用する回数があっていれば、内容の正しさとか実際に必要な情報とかはどうでもいい、というような感じで、なんというか、今思うとちょっと悪い奴に当たってしまったみたいだった。

そのあと喧嘩腰で仕事を断って、「もう、文章を仕事にするのはやだ!」とライティングは二度とやるめえと思ったわけだ。

それがかなり前の話で、今もライティングとかSEOとか単語単位で苦手意識がある。
たまたま眠れなかったから、そういえば、どうしてあんなに嫌だったのかなと当時の気持ちを思い出してみたんですよ。

私がその時、依頼されたお仕事が嫌だと思ったのは「読み手の害にしかならない記事を書かされていたから」だったんですね。
ネットで情報を探すときに、間違った情報や、主観的な文章があるのは当たりまえです。
でも、自分が加害者にはなりたくないと強く思っていたみたいでした。

考えてみれば、今までもそうですが、自分の所属している組織と顧客を並べて、顧客を騙すような営業とか接客とかをするのが苦痛で、耐えきれなくなって仕事を辞めるっていうパターンが何度かありました。

お仕事なんだからと割り切れず、組織内の人たちは皆、善良で真っ当な人ばかりだから余計に混乱して、この気持ち悪さをどうすればいいのかわからず、とりあえず逃げるを繰り返してきました。
この、勝手な加害者意識と責任感の無さ。

ライティングができないのは、当然だったというわけです。

今、文章を仕事にするとしたら、読んでくれる方の害にならないものを作りたいと思います。
たとえ読み手がひとりでも、っていうか私だけでも、私くらいは読み返して気分が悪くならないようなものを書きたいものです。

だから、お仕事でもし、文章を書かせて頂くなら、害になるようなものは嫌です。人がよろこぶ話を書かせてください。よろしくお願いします。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す