「話すこと」の効果

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●何かを話すこと=最も基本的で最高の成長の要「アウトプット」を促進
精神科医であり作家の樺沢紫苑氏は、55万部を突破しベストセラーとなった著書「アウトプット大全」で「話す」行為や意思も含まれる自己表現の効果や必要性、大きなメリットを述べられています。

アウトプットとは「脳の中に入った情報を処理し、外に出力すること」と定義しています。

読書や一人で考えたり人の話を聞くことは「インプット」ですが、読書の感想を誰かに話したり、他人に考えを伝えたり共感を求める行為は「アウトプット」になります。
樺沢氏は「アウトプットすることで、現実世界が変わる」「圧倒的に結果を出し続けている人は決まってインプットよりアウトプットを重視」していると断言しています。
また、コロンビア大学の心理学者「アーサー・ゲイツ博士」の実験では、インプットの2倍をアウトプットに割り当てた場合が最も効果が得られたなどのデータから、アウトプットとインプットとアウトプットの黄金比率は7:3 と導かれています。

他人のアドバイスに耳を傾ける「インプット」も大切ですが「アウトプット:自己表現」を意識して発露することによって、悩みの解消はもちろん【自己実現のためのアイテム】を構築できます。

●言語中枢に刺激を与える
人が話をする時、左脳大脳皮質中央部分の「ブローカー野」が関与し、会話によって単純に脳を使うことになるため、脳が活性化します。

感情が解放される
心理学的には自分のことを話すことにより、囚われや負の感情を手放す「癒し」効果がある(カタルシス効果)と言われてます。また、自分が思っていることを言語化することで明瞭な意識化や発散が進み、癒しにつながります。

●「自分のことについて話す」ことは脳内物質ドーパミンを増加させる。
米国科学アカデミー紀要に掲載された、ハーバード大学のミッチェル博士らの論文によると、ただ話をするだけでなく「自分について話す」ことで、快楽をもたらす脳内物質ドーパミンが増えることがわかっています。

20世紀を代表する音楽グループ「ビートルズ」の最後のアルバム"Let it Be"に収録されている曲に、"I me mine" と言う曲があります。
"All through the day, I me mine, I me mine, I me mine..... All I can hear, I me mine, I me mine, I me mine..... "
[歌詞訳] 一日中、自分のことばかり自分のことでいっぱい。~ 聞こえてくる話は、どれも自分たちのことばかり。。。

解散直前の緊張間あるバンド内で「自分が自分が」と主張を譲らない、メンバー間の確執を表現した曲だとも言われてますが、ストレスがある環境では「自分のことを話す・主張する」行為は、暑いときの発汗、寒いときの身震いと同様の「自然な生態防御行為(反応)」であるとも言えます。

●話をすることで得られる「3つの基本効果」
1)カタルシス効果(Catharsis effect)
自分自身が思っていることを話すことにより、普段は潜在していて閉じ込めていても、身体や行動に潜航してダメージを与える「負の感情」を手放す癒しの効果があります。

話すことにより、囚われ、寂しさ・悲しみ・辛さ・苦しさといった不安やネガティブな感情が、話をすることによって取り除かれる「心の浄化」となる効果については、思っていることを言語化することで、意識化や発散が進み癒しにつながり、意識できなかった心の奥底にある感情の発露により「開放」された感覚を意識できます。

カタルシス効果は、素晴らしい音楽や映画、スポーツ競技などの観戦で「感動」により落涙する場合の心理状態と同一です。

こうした状態にあるとき、従来より脳の「幸福物質」と呼ばれていたり、医師が処方する薬で痛みや疼痛の緩和作用がある「セロトニン」の放出や、それに伴う「ノルアドレナリン」(交感神経の刺激物質)を適度に調整されて「スッキリした」状態が、心身共に体感できます。

2)バディ効果(Buddy effect)
Buddy は"仲間"の意味です。話をすることによって、相手との一体感や仲間意識が芽生え、孤独感や寂寥感から解放される効果があります。

悩みや苦しみを、誰かに話したとき「共感された」「理解された」「問題を分かちあえた」と実感し、その時に、話し手と聞き手の間に仲間意識や結束力が生まれます。

「悩んでたのは私だけじゃなかった。。。安心した!」
「分かってくれる人がいる。」
「一人じゃないんだ!」
・・・そのように体感できる、孤独感からの心の解消が期待できます。

3)アウェアネス効果(Awareness effect)
Awareness は"気づき"の意味です。自分のことを話す中で、自分自身も知りえなかった、自分が囚われている「悪い感情」が浮き彫りになります。

話をする前には気づいていなかったことに気づき、自分自身でも「目からウロコが出る」ほど驚いたり、話をする前よりも悩みやその本質についての理解が深まったり、話をすることで頭や心の中がすっきりと整理されていくことにも「気づき」ます。

自分を苦しめる「感情」を「気づき:認知」によって、ストレスを緩和することが可能です。これらは心理療法である「認知行動療法」などでも基本対応の一部となっています。

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