フラットな色の世界

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デザイン・イラスト
小学校の頃、図工の時間に使う絵の具は水彩絵の具でした。つまり6年間は基本的には水彩絵の具で絵を描いていたわけです。その間、私はずっと不満でした。なぜ均一に色を塗ることができないのかと。

どうしても、水彩絵の具では色ムラができるのです。どんなに絵の具を厚塗りしても、どうしたってムラになる。6年生になった頃にはほとんどキレそうなくらいに腹立たしかったです。それが中学校に入って、ポスターカラーと出会って世界が変わりました。均一な色の表現ができる!本当に感動したのを覚えています。ただ、ここにも難点はあったのです。今度は筆跡を消すのが難しいのと、均一な色に仕上げるのにかなり手間がかかること。生来の面倒くさがりであるが故、仕上がりはまずまずなれど、やはり不満が消えることはありませんでした。

そうして出会ったのが、現在使っているillustratorです。画面の中では確実に均一な色の表現ができ、当然やり直しは何度でも可能。プリントアウトすれば(プリンターの性能さえ良ければ)紙面上でその絵を見ることも出来る。特に私が求めたのは漆黒でした。均一でムラのない、真っ黒な塗りつぶし。そこに気づいて感激し、描き始めたのがモノクロイラストのシリーズでした。

昔は、漫画イラストなどは鉛筆で下書きし、インクペンでペン入れをし、黒ベタなど加えて仕上げましたが、これらの作業って本当に難しい。コツもいるし度胸もいるし、思い切りやセンス、かなり技術として高等なものでした。特にやり直しが効かないというのは本当にしんどくて。だから、パソコンでの作業は本当に助かったのです。救世主と言っても過言ではなかった。今までの困りごとをほぼ完全に払拭してくれるillustratorに、だから私はのめり込みました。そして、今ではなんとかここまで来られることができました。


そんな、illustratorをなんとか身につけた頃のイラストが今日の一枚。
戌年の年賀状に使ったものです。このシリーズで12年描き続けました。

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