楽器のレッスンを受けて意味はあるのか?<レッスン選びの基準 教える側としての私の考えと本当に伸びたい、心から楽しみたい人の心構え>

記事
音声・音楽
「ギターのレッスンって受けて本当に上手くなるの?」
ギターレッスンを生業の一つとして行っている私としてはこれを言われてしまうと切ない気持ちになります笑
(心ない人だと本当に直接言われることも泣)

ですが、現実的に物事を見据えると
これは半分不正解であり、半分正解である
といえると思います。

レッスンを意味のないものにしてしまう
要素は広義で二つあると思っています。

一つは
・「レッスンをする側の問題」
レッスンをする側が、習う側の目標を把握していないということや、
習う側と向き合っていない、
または向き合うことが状況的に難しい。
もう一つは
・「レッスンを受ける側の問題」
レッスンを受ける側のスタンスが不明瞭で
レッスンが苦痛に変わってしまう。
レッスンを受けていれば、上手くなると
過信し、努力を怠ってしまう。

という要素があると考えています。

順を追って話を進めていきます。

まず一つ目の要素について

かくいう私も高校生の時分に
某大手ギター教室に通っていた経験が
あり、
「あまり意味がないな」
と感じて3ヶ月ほどで辞めてしまったことが
あります。
この時に一番意味がないと感じたことは、
「グループレッスンだったので、
先生が個々の細かい技術に言及、
修正をかけてあげることができて
いなかった」
ということです。
これは一つ目の問題点の詳細
「教える側が、習う側と向き合うことが難しい状況」
にあたると思います。

その先生はいい方でしたし、
当時の私と比べると技術的にもとても
優れていたと思います。
しかし、レッスンにおいて大事なことは
「習っている方の技術や音楽知識、音感や
リズム感が成長できるかどうか」や
「本気で楽しめているかどうか」
という部分にあるように感じます。

今はネットも進化しており、
一方的に楽器を演奏している様を見て
それを真似したりということであれば、
YouTubeのギター演奏、ティーチング
動画をみて練習するだけで、
十分事足りてしまうと思います。

初心者、初級者の方は
「自分では頑張っていろいろ考えながら
やっている」という方が大半だと思います。
ギターは右手と左手の使い方が違う上に、
音色も気にしないといけないので、
自分ではやっているつもりでも、
はじめのうちは正解と違う動き、
違う音の出し方に
なってしまうのは
仕方のないことだと思います。

その時に
「何がよくないのか?」
「どうしたらよくなるのか?」
をきちん把握し、考え、修正してあげるのが
教える側の役目だと私は考えています。
お金をいただいてレッスンを
しているということを踏まえると、
教える側がその状況を作れていないのは、
その人(または会社)の落ち度であると
言えると思います。

グループレッスンを完全否定するつもりは
ありませんが、
個人の能力をあげるという観点に
立ってみれば、
教える側に求められる能力は
相当なものになってくるというのは
事実だと思います。

ある課題に対して、
複数人が同時に演奏している音を
個別に聞き分け、
さらに個々の動きを把握し、
その問題点と修正方法を瞬時に
提示するのは、
本当に限られた人にしかできない
ことだと思います。
これは「教える」ということをしたことが
ない人でも容易に想像がつくのでは
ないでしょうか?
習う側が「楽しむ」ということそのものを
レッスンに求めているのであれば、
この限りではありませんが、
私は、
「明確な技術の向上」を
求めていたので、グループレッスンには
合わなかったと言えるでしょう。

その他にも、教える側が習う側の
目的を把握していないというのも、
あまり望ましくない状況だと言えます。

「人生の楽しみとして趣味でギターを
やりたい人」に対して、
教える側のエゴで難しい音楽理論を
押しつけてしまったり、
反対に
「アーチストやプロを
目指したい人」に
なんとなくの技術を
なんとなくの話で教えてしまったり、
関係のない話の時間がやたら
長かったり…
要は自分に必要のないものを供給されたら、
誰だってイヤになってしまいますよね。

私は、レッスンにおいて
技術や知識をお伝えするのはもちろん、
レッスン後などに
生徒さんが何を求めているのかを
話し合う時間を大切にしています。

私の考えが100%の正解かと
聞かれれば、「まだまだ私も勉強中です」
というのが正直なところではあります。
しかし、レッスンを選ぶ側の指標として、
先生が自分のニーズに応えて
くれるスタンスをとっているか?
というのは、
「本当に楽しみたい」とか、
「本当にうまくなりたい」という
場合の大切な要素になってくるのでは
ないでしょうか。

少し長くなってしまいましたが、
二つ目の要素に入っていきます。

先程までは主に
「教える側の問題点」のような
形で話題を展開しましたが、
本当にレッスンを有意義なものに
するには「習う側のスタンス」も
大事なものになってきます。
これは、
「せっかく習うのだから、
本気でやれ!」とか
そういうことを言っているのではありません。

例えば
「本当に趣味としてギターを楽しみたい」
のであれば、その意思をある程度明確にすべき
だと思います。
人間の意志は、時の流れや環境と共に
変わっていくものだと思います。
だから、その都度で構わないと思います。

本当は楽しくレッスンを受けたいだけなのに、
なんとなく本気でやりたいと言ってしまった。
その結果、必要と感じない
音楽理論まで習うハメになってしまった…
これではやはりレッスンは有意義とは
言えなくなってしまいます。
きちんと考えてくれる先生であれば
趣味として楽しめるためにはどうしたら
よいか?そのための練習は何が必要か?
など考えてくれるはずです。
スタンスが変わったなら、
変わったと伝えましょう。
きっと応えてくれる先生は
いるはずです。

私は趣味でやっていらっしゃる方には、
好きな楽曲(レベルに合わせたチョイスなどは
しますが)を弾けるように、
そのためにこういう練習をしましょうという
レッスンをしています。
反対に目指すものがある方には、
どんな曲が来ても対応できるよう
(その方の目指したい音楽の方向性に
寄せた内容にはしていますが)
もっとベーシックなプレイの、細かい部分や
繊細な音色、音楽理論、音感、リズム感などを
重視したレクチャーをしています。

前述では、少しグループレッスンに
否定的な意見を述べましたが、
もし趣味としてギターを楽しみたくて
「友達とグループレッスンを受けた方が
楽しい」という明確な意図があるのであれば、
それは一つの正解と言えます。

また稀ではありますが、
高みを目指したいという方の中にも、
「レッスンを受けていればうまくなる」
という感覚になってしまい、
練習をほとんどしてきてくれない方も
います。
趣味であれば、レッスンそのものを
楽しむという意味では、
それでもいいのかもしれません。
しかし、本当に上手くなるために
「自分での練習」はとても重要な
ファクターです。
本気で音楽、ギターをやりたい方への
レッスンでも、
それはその人の能力が伸びる
「ブースター」にしかなりません。
少し冷たい言い方をすれば、
「技術や知識の伸びしろを増やして
あげること」はできても、
それを身につけるための練習を
「代わりしてあげる」ことはできないのです。

以上が私の楽器のレッスンに対しての考え方です。

私の考えが全ての事柄にあてはまる
などとおこがましいことは
思っていませんが、
「趣味で楽器をはじめたけど、
一人でやっているだけでは何をしていいかわからない方」、
「楽器の技術が伸び悩んでいて
レッスンを受けようか迷っている方」や
「レッスンを受けているけど、今のままで
いいのか悩んでいる方」の
決断の一つの基準や参考になれたら、
うれしいなと思っています。


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