周易古占例(21)「遠国の船がくるか」の占、(22)「産物を乗せた船は来るか」の占

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天元春日  周易古占例 11
本ブログでは、少しずつ周易の古占例を掲載してゆきたいと思います。

【易学・易占界において「2千年来の1人」と称された真勢中州とその一門の占例(11)】

ー真勢中州について
真勢中州(ませ・ちゅうしゅう)は、日本の易学史上、最も有名な人物の一人です。
『浪速人傑談』の伝えるところに依ると、
「真勢中州。名は達富、字は発貴、中州と号し、また復古堂と号す。俗称を彦右衛門という。尾張の人。天性・廉直にして、若くして易学を好み、新井白蛾(あらいはくが)に従いて学び、なお自ら研究して遂に易道に妙を得たり。中年の後は浪花(なにわ)に移り、専ら易学を講ず。また象蓍(しょうし)を作り、爻卦(こうか)を製し、易経の本文を錯綜(さくそう)して『復古易経』と唱え、其の占験の群に秀逸せること、精義入神にして、世・二千年来の一人と称す。文化十四年丁丑二月四日、齢六十四にて終る。歿後、北野寒山寺に墓石を立つ。」
と記されています。

ー真勢中州とその一門の占例
(21)は「遠国の船がくるか」、(22)は「産物を乗せた船は来るか」の占例です。

(21)戊辰(つちのえたつ)の夏、遠国(えんごく)の舟来るやいなやを筮(ぜい)して大過(たいか)之坤(こん)に之(ゆく)を得。占之曰大過(たいか)は遷延(せんえん)の義あり。
坤(こん)は虚(きょ)とし、無(む)とするの象あれば、今年は来(きた)るまじという。中す。

(22)ある人、東都(とうと)の産物を約して金を貸(かせ)しに、産物の舟来らず。
故にその吉凶を問う。筮して升(しょう)を得たり。占之曰、雑卦に「升不レ来(しょうはきたらず)」とあれば、舟来るまじ。なお借人(かりびと)の心を察して舟の占を実にすべしとその借主を筮して蠱(こ)を得。占之曰、蠱(こ)は惑壊(まよわしやぶる)の義なれば、これ偽言(ぎげん)をもって金を借りたるものゆえに舟は決して来たらずいう。中す。
※出典 谷川順祐(竜山)『周易本筮指南』
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