気楽に読んでください、呼吸のおはなし ~その14~

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今日は遥か昔、第8回の続きなんかでは無く、普通に昨日の続きです。
体が本来どのように呼吸したがっているか、呼吸の実情というのを知ることは本当に大事なことだと常々感じています。
肉体を維持する為の基本中の基本である呼吸という営みですが、それが運動である以上、ある一定のエネルギーの消費はやむを得ません。
しかし一生涯に掛けて気の遠くなるような回数をこなさなければならない呼吸ですから、その消費を必要最低限に抑えることが出来たならどんなに素晴らしいか、イメージすることは簡単かと思います。
やっぱり、得するかも。
そこで、余計な一手間や要らぬ横槍を入れるのとは違うけれども、興味も持たずにほったらかしとくのとも違う、そんな呼吸への新たな認識へと、更に具体的に歩を進めて参りましょう。
呼吸に特化して発達した臓器である肺。それ自体に稼働能力は備わっていないと言われるその肺を動かすために周りを取り囲むように配置された数々の筋肉や、肋骨の拡張を助ける軟骨など、これら胸郭というエリアを中心として、呼吸の説明を試みる際によく例えられるのがゴム風船です。
ゴム風船の弾力や伸縮する様が、呼吸を説明するのに都合が良いからです。
その通り、呼吸で体の中に空気を取り入れる為には、風船のように何もしなければ縮んだままのものを、それに逆らって膨らませる必要があります。
加えてそれ以外にも、地球から引っ張られる力、重力にも逆らわなければなりません。
このように観察してみると、呼吸に於いて空気を体に取り入れる作業で、それなりのエネルギーを消費しているのがご納得頂けると思います。
と同時に、体から息を排出する作業は、意識を介入させて余計なことさえしなければ、取り入れる作業をやめればその時点で勝手に始まることが分かりますね。
風船のように、口を縛っておかないと勝手に空気が漏れて縮んでしまう作用と、重力に地面の方から引き寄せられる力でも体は少し小さくなろうとするでしょうから、それに全部お任せしてしまえば良いということになります。
そう、息を吐くこととは、一切の力感を手放して作業を一旦全てやめてしまうことなのです。
じゃあその吸い込む作業は誰がタイミングを決めてゴーサインを出しているのか、自分が吸っているのでは無いのか。
それは今どの位新鮮な酸素が必要かに、進化の過程からすると古い部類の自意識とは無関係の脳が反応してやってくれているのだと思います。
寝転んでいても座っていても構いませんから、自分の中でも殆ど常時行われているであろうこの呼吸のありのままを、暫し感じて頂きたいのです。
雑念、気にしなくて良いのでしたよね。
気が散らずに確認出来るに越したことはありませんが、そんな事にはお構いなしに粛々と営まれ続けている、それが呼吸ですから、どうぞ気楽に、少し気長に、呼吸と仲良くしてみてください。
先ずは、そこからです。

つづく
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