気楽に読んでください、呼吸のおはなし ~その5~

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コラム
腹いっぱいの時にご馳走を目の前に出されても、食べられないことがあります。
体は必要と不必要を結構シビアに提案して来ます。いくら大好物でも食べる頻度が高いと飽きたりもしますし。

呼吸も似たような側面があると思います。
じっと座ってるだけの時、多分、走ったり激しめの運動をしながら呼吸法に取り組むことは珍しいでしょうから、静か~にしてるだけの時、そんなに沢山の空気をコンスタントに体が欲しているとは感じにくいのです。
更に、結跏趺坐を組んだりと、長時間続けると脚が痺れるような姿勢の時、そこには血流がしっかりと行き渡ってない状態が作られています。
脚って、体の半分くらいのエリアですよね。そのデカいエリアの血が滞ってる時に、息を工夫して活発に取り込もうと努力することは、満腹状態で無理やり食べようとするのに似ています。
辛子蓮根の辛子みたいに、入り口から上手く末端まで押して押して届けられれば良いのですが、こと呼吸に関しては、頑張って吸ったり吐いたりしても、それが必ずしも手足の指先の毛細血管にまで潤沢に巡るとは限りません。
酸は、酸化といって錆びることも促進させるように、酸素も徒に何でもかんでも余分に沢山取り込めば良いというものでも無さそうです。

それでどうすれば良いか。
分かり易いのはやっぱり足と脚です。
片方の足から脚に掛けて適当に、撫でたり摩ったり揉んだり両手で大事に挟んだり、軽くパタパタと叩いたり、本当に適当で良いのでやってみます。
反対側の足や脚と感じを比べると、きっと何か違うと思います。
温かくなってたり、逆に涼しく爽やかになってたり、ジンジンしてたり、大っきく感じたり引き締まって感じたり。何れにしても、少し活き活きとした印象になっているかと思います。
その時、確実にその分だけ、この作業をする前よりも片方の足と脚の血流量は上がっていて、当然その血液の中にはほんの数分前よりも新鮮な酸素が多く乗って来ていることでしょう。
そうしたら、その分の空気を、もうこの時点で既に呼吸器官は必要に応じて取り込んでいることになります。
このように呼吸の巡りが必要な状態を、特に体の末端部分から丁寧に作ってあげれば、"わたしの意思"が工夫する前に、自動的に程好い量の呼吸を体は始めてくれます。
これを、時間が許せば全身にしてあげる。
このようにして、先ずは呼吸法という言葉から " 法 " の字を取り外してゆくのです。
そこに残るのは、ただ、" 呼吸 " です。

つづく
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