16 塔

大アルカナの16番目、塔です。

対応する惑星は火星になります。

塔は積み上げてきたものや実績です。しかし、それだけでなく、自分を閉じ込める檻のような役目でもあります。天高くそびえた塔は、ここまで積み上げてきた実績を表すだけでなく、それによって身動きできなくなった自分自身をも意味するのです。

背景は黒く、希望を表す星が見えていません。行き詰った状況と言えます。

その塔に落ちた稲妻は抜本的な解決、価値観や考え方の崩壊を意味します。上から落ちてくる王冠は成功や栄誉を意味します。つまり、抜本的な改革の為には、過去の栄光すらも一度手放す必要があるという事です。

落ちていく二人は権力者とも言われています。驕りや傲慢も、この稲妻で砕けてしまったように見えます。そして、二人は落ちていきます。

小さな光の点はへブラ文字のヨッドの形をしています。また、22の数は大アルカナの枚数、および生命の樹のパスの数にも繋がります。

対応する火星は競争、闘争、障害とも言われています。古くは凶星とも言われていますが、それは闘争、競争がそのまま戦争に結びつく事が多かったからです。

現代では、スポーツや会社の出世など、健全な競争の場が増えている為、単純に凶星とは言いません。

この塔のカードでは、実績や固定概念の崩壊という形で表されています。

このカードは古いもの、過去の事の破綻を意味します。ポジティブな意味としては、まっさらな状態からの再スタート、突然の改革という意味です。これがネガティブですと、単に崩壊して、悲嘆にくれるだけになります。

いずれにせよ、一度崩壊が起きるという事です。

積み上げた実績は、自分な自信や誇り、周囲からの評価として表れます。そしてそこに安定してしまいます。

本当の安定とは変化でもあるのです。

このカードが出た際は、一度自分の中の常識を疑ってみてください。