「老害」とは。

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コラム
先日、森元総理が例の記者会見で自身のことを「老害」と発言しました。

この言葉、なかなかドストレートな表現だと思います。障がい者でさえひらがなで表記されるこの時代に、他人に「害」の一文字をつけるのってあんまりない。

個人的にはあまり好まない言葉です。
だって何だかんだ言ってもお年寄りは皆自分から見れば先駆者ですからね。人生の先輩。私が生まれたときから存在する世の中の仕組みだって、あるのは先人たちのおかげ。

もちろん、だからといって「お年寄りの言うことは全て正しい!」というわけでもなく、言うべきときにはハッキリと言わなければならないのですが、どんな時でも最低限の敬意は払うべきと考えます。
なので少なくとも私は誰かに向かってこの言葉を使うことはありません。

しかし言葉として存在する以上、これについて自分の考えをまとめるのもおべんきょう。ということで今回は「老害とは?」をテーマに書いていこうと思います。
また今回の記事は「こんな人はアカン!」という主旨ではなく、それを知ることでそうならない為にはどうすれば良いか教訓にしていこうね、というものです。

それではスタート。前置きが長くなっちゃった!

皆さんは「老害」という言葉を聞いてどういう人をイメージするでしょうか。
頭が固い、喚き散らす、昔の話ばかりする老人…あたりでしょうか。

私はもうちょっと踏み込んで、
「自己のアップデートを止め、新しいことを拒絶する上の立場の者」と定義しています。ながい。
簡単に言えば自分がエクセル使えないから周りにも手書きを強いる上司とか、エアコンは体に悪いと信じ、職場での使用を禁止する人とか。
自分が新しい考え方や知識に対応するのを止めてしまったせいで組織全体が不利益を被る場合に限定しています。


世の中は常に変化し続けるもの。
女性の立ち位置だって、普通選挙が実現したときには参政権は男性にしか認められていませんでしたが、婦人参政権運動の広まりで1946年には初の女性議員が誕生しています。
その後も男女雇用機会均等法が制定され、2018年には15歳から64歳の女性の就業率が約70%、米国では女性管理職の割合は43%に。

ITという言葉にしても、認知されだしたのが1995年以降、10年くらい前は「Wi-Fiって何?」等と言っていた人たちも今や当然のようにスマートフォンを手にし、リモートワークも普及しつつあります。

であれば、変化していく世の中に合わせて私達もその都度新しい知識を吸収し、認識を改め、常に「最新の自分」でいなければなりません。

しかし全ての人にそれができるわけではなく、どこかのタイミングで歩みを止めてしまう人もいます。
管理職になり仕事が忙しくなった、日々の疲れから新しい物事を吸収するのがおっくうになった(←これはうつ病の初期症状)、新しいことを覚えなくても今までの知識・経験だけで生活できる基盤が整った……理由は様々。
ですがこれ自体はさして悪いことではありません。
新しい考えを突っぱね、今までの価値観だけで生きていくのも一つの形。その人の自由です。

しかしその人が組織で上の立場であり、「新しいことは分からんからお前たちもこうしろ」と周囲にもそれを強要したとき、(あくまで私のですが)老害の定義に当てはまってしまいます。上で述べたエクセルを禁止する上司、みたいな状態。

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ではどうすれば良いかというと簡単な話で、分からなくても否定しなければ良いのです。今はこんな便利なものがあるんだなあと受け入れ、分かる人に代わりにやってもらう。素直に教えを請うのも良い。それだけの話。

私も今は新しい流れについて行けていますが、この先何十年もそうかというと分からない。そうなったとき自らの定義に当てはまらないよう、素直な気持ちだけは持っていたいなと思うのでした。

つい先日も後輩との会話で
「みちょぱとあいみょんってどっちがどっち?」
「にじゅう?………数字?
と言ったところ後輩から「ホンマに日本人ですか」と突っ込まれましたが、多分まだ大丈夫。…多分。(おわり)
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