今日の業(わざ)をなし終えて。
一日の仕事をやり終えてという意味です。
ドヴォルザーク『家路』の歌詞ですね。
みなさん、夜、布団に入るのは早い方ですか?
私はその日によりけりです。
「今日やるべきことを全部やった!」という充足感・満足感があるときは、ササッと寝てしまいます。
でも丸一日、何もしていないときはそうじゃない。
昼過ぎまで寝てゴロゴロして、特に何もせずに夜を迎えても、「さあ寝るか!」とはならない。
それは私の中で”不完全燃焼感”があるからです。
「本来やるべきことを、まだやっていない」という感覚。
ソシャゲでもスタミナってありますよね。
ゲームをプレイするために必要なリソースのようなものです。
数分ごとに1ずつ回復して、ある程度まとまったら1回プレイできる、みたいなやつ。
あれを放置して寝るのってなんとなくもったいない感じがしませんか?
その感覚と似ているかもしれません。
まだ自分自身の中にスタミナが残っているのに一日を終えてしまうのは、もったいない。
本能的に「まだやるべきことをやっていない」という意識があるから、なかなか布団に入れない。
以前、私がスーパーで店員として働いていたときのことです。
うちのスーパーでは駐車場の警備員として、再雇用のおじさんがいました。
定年退職を迎えたあともう一度就職された方です。
私はその方と仲が良かったのでよく話をしていたのですが、そんなときにおじさんが言ったことばを未だに覚えています。
「こんな仕事でもな、家に帰って飲むビールがうまいねん」
当時はただ聞き流していましたが、今になって、その言わんとする意味が分かります。
要するに、昼間っから働きもせずに飲むビールはうまくない。
しかし”こんな仕事”でも、やるべきことをやったあとに飲むのなら、うまいと感じる。
しんどかったり面白みがなかったりするかもしれないけれど、やるべきことをやっているからビールがうまい。
私が自身のスタミナを消費しないままだとなかなか布団に入れないのと、本質的には同じです。
やるべきことをやっているから気持ちよく眠れる。
やるべきことをやっているからビールがうまい。
やるべきことっていうのは、めんどくさいものです。
シンプルにめんどくさい。
やった方がいいことは理解できるけど、体が動かない。
でもそれをやるからこそ、気持ちよく一日を終えることができる。
不思議なものです。
気持ちよく眠るために、もしくはうまいビールを飲むために。
めんどくさいけどがんばるか~!という気持ちなのでした。