ジャパネット(元)社長の本が面白かった話

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みなさん、ジャパネットって知ってますよね。
『ジャーパネット ジャーパネット~ (フワフワ)』のアレです。

その創業者であり、2015年まで社長を務めていた高田明さん。
彼の著書「伝えることから始めよう」がKindleで読み放題になっています。

最初は実家のカメラ店「カメラのたかた」の手伝いから始まり、最後は誰もが知る通販会社「ジャパネットたかた」の創業者・社長として会社を牽引してきた高田明さん、その半生が描かれた自伝本です。

あの特徴的な独特の話し方そのままの文体で記されており、とても読みやすい。普段あんまり読書しない方にもオススメです。

また、(ちょっと偉そうですが)氏の考え方が私と似ており、納得したというか、腑に落ちたというか。
なんならジャパネットがちょっと好きになった。
「ジャパネットの放送って、こんな裏側があったのか」と知ると、つい見たくなってしまうものです。

とかいいつつAmazonブラックフライデーで大散財しているのですけども!
エヘヘ!


根底にある考え方は「今を一所懸命に生きる」

ジャパネットたかたは、今や誰もが知る大企業です。
2010年には1,789億円の売上高を記録しました。
しかし高田さんは、最初からそんな大企業の社長になりたいと思っていたわけではありませんでした。

スタートは実家である長崎県平戸市の小さなカメラ店「カメラのたかた」から。
そこで家族の手伝いから始まり、事業が軌道に乗ってきた段階で支店を任され、そのあとはラジオショッピングを始め、全国に品物を届けるように。
そこから最終的にテレビショッピングへと到達します。

最初から通販会社の社長になりたいと思っていたわけではありません。
「ひとつ目標を設定してクリアすることを重ねるうちに、そうなっていた」んです。

小さなカメラ店を経営していたとき、高田さんはラジオで数分間だけ、自分のお店をアピールできるチャンスに恵まれた。
そこで商品サービスの売り込みをかけたところ、店にお客が殺到したそうです。
「たった数分間の売り込みで、これだけ効果があるのか」
そう思った高田さんは、ラジオの電波に乗せて商品を売ることを思いつきます。

最初は一眼レフやフィルム、使い捨てカメラが主力商品だったところが、そのうちに家庭用のビデオカメラが登場。
ビデオカメラも売るようになると、今度は録画したものを家で見るためのテレビも販売するように。
こうやって関連性のあるものを売っていくうちに、さまざまなものを取り扱うようになりました。
それらをラジオショッピングで全国に販売することになり、売り上げは大幅に伸びたそうです。

余談ですが、このように「気づいたらいろんな商品を取り扱っていた」というのは、この時代よくあることのようです。
「ビックカメラ」もその名残なんだとか。

そしてラジオショッピングが軌道に乗ると、高田さんはあることに気づきます。
「ラジオを聞く習慣がある人よりも、テレビを見る人のほうがはるかに多い」ということ。
そこでもっと事業を伸ばすために、スタジオを借りて通販番組を作ることを思いつきます。

最初から通販会社を立ち上げたかったわけではありません。
使い捨てカメラの現像がメインの仕事だったところから、ラジオで喋るチャンスに恵まれ、ラジオショッピングに。
ラジオが軌道に乗ってきたら、次はテレビ。

一眼レフや使い捨てカメラが主力商品だったところから、横のつながりでビデオカメラやテレビ、果てはパソコンまで。

これの次はこれ、うまくいってるから、次はこれ。
目の前の課題をクリアするために一所懸命にやっていたら、気づいたら大企業の社長になっていた。
それが高田さんの言うところの「今を一所懸命に生きる」という考え方です。

これと比べるのはすごくおこがましいですが、私もそう。
月に3万円程度の副収入をいただければいいな、と思っていたところから始まり、壁にぶち当たって、それをクリアするためにアレコレ試行錯誤して。
気づいたらもうすぐ電話相談を始めて3年目ですが、そのほとんどの期間をプラチナランクでいることができました。

最初からそうなりたかったわけではありません。
「目の前のことを一所懸命にやっていたら、いつの間にかそうだった」というだけです。

高田さんも著書の中で語っていますが、未来がどうなるかなんて誰にもわかりません。
だから自分がどんなところへ行き着くかはわからないけれど、とりあえず目の前のことを一所懸命にやる。
氏のそういう考え方が、私は好きなんですよねー。



誰に言われるでもなくベネフィットを理解していた

マーケティング用語で「ベネフィット」というものがあります。
簡単に言うと、「買ったあとの生活はこうなりますよ」「あなたはこんなメリットが得られますよ」という売り込みです。

例えばスマホを売るとき。
ただ性能をアピールするだけなら、CPUがいくらだとか、メモリの容量はいくつだとか、カメラの性能はどうだとか、というスペックの話になります。

しかし買った後の恩恵をアピールするなら、
「今までより処理速度が高速化したことで、ゲームがサクサク遊べるようになります」
「カメラの性能が良いので、ふらっと出かけた先でキレイな写真を撮ることが出来ますよ」
「メモリ容量もたくさんあるので、写真や動画を取りすぎても容量がいっぱいになることはありません」

といった言い方になります。
買ったあと、あなたの生活はこうなります、というアピールです。

高田さんはマーケティングなんて言葉が世に出る前から、それを理解していました。

高田さんが大型テレビを売ったときの話です。
本来なら画面が何インチだとか、画質がどうだとかを説明するところですが、氏は違いました。

「このテレビ、見てください。大きいでしょう。これがリビングにあったらカッコイイと思いませんか。自分の部屋にこもっているお子さんも、テレビ見たさにリビングに集まってきますよ。一家がテレビの前の集まって団らんする。いいと思いませんか。」

性能の話なんかひとつもしていません。
もはやここまでくると潔い。
でも細かい数値をあれこれ言われるより、ほしいと思わされるのはこっちだと思います。

私が思うに、高田さんは「モノを売りたい」のではなく、「モノを売った結果、買ってくれた人に良い体験をしてもらいたい」という考えが根底にあるのだと思います。
売りつけたいのではなく、良い体験をしてもらった結果、その対価として代金をいただくということ。
つまりモノではなく体験を売っていると言えます。

ベネフィットという概念を元から持っていたこともすごいですが、この考え方が好きなんですよね。(2回目)



自分がどう見られているかを意識している

高田さんはテレビショッピングに出演しているとき、常に「自分が周りからどう見られているか」を意識していると言います。

これは電話相談でも大事なことです。
たとえば私はたまに初心者さんから「結果が出ずに困っている」というご相談をいただきます。
しかし実際にお話しさせてもらうと、みなさん、すごく話しやすいんです。
「なんでこんなにいい人が注目されていないんだろう」と思うことさえあります。

しかしその人のプロフィールや商品などを拝見すると、いろいろと気になる点が見えてきます。
アイコンが飼っているペットの写真だったり、サムネイルがどこかからそのまま拾ってきたものだったり、プロフィール文は1000文字かけるところ、300文字くらいしか書けていなかったり。(そもそも誰かのパクリだったり)

「なんで僕に電話してくれたんですか?」とお聞きすると、「サムネイルが気になったから」「文章が好きだから」と言ってもらえることがあります。
それ自体はとても嬉しいことで、ありがたく思います。
でもそう言いながら、その人自身はサムネイルが適当だったり、文章も少ししかかけていなかったり。

つまりその人自身、自分が買う立場ならそういったところを重視しているにも関わらず、自分が売る立場のときにはそれを忘れてしまっているということになります。

自分が周りからどう見られているか。
自分自身をを商品として考えるとき、どうやって売りに出すか。
客観視することは、どの分野、どの仕事でも大事なことだと思います。

こんな偉そうなことを言いながら、私自身もこうして、ながーいブログを書いちゃっているのですけどね!
でも客観視することは忘れずにいたいと思います。



他にも印象に残ったくだりは沢山あるのですが、これ以上書くと本当に長すぎるのでこのへんで。
私は基本的に電子書籍で済ませちゃうタイプなのですが、紙の本で買って手元に置いておきたいと思える一冊でした。

おしまい!
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