追悼 土岐英史氏

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音声・音楽
こんにちは、hrperficioです。
久々の音楽ネタとなりますが、残念なことに訃報に対する哀悼を表す内容と
なってしまいました。
サックス奏者でアレンジャーの土岐英史氏が逝去されました。
まだ71歳ということで、山下達郎のバックとして活動されていたこともあり
、氏の名前を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
氏はサックス奏者なので、私とは少し扱い楽器が違うために接点が多くある
わけではありません。
ただ、サックス奏者として、セッションやレコーディング、自己のグループ
での活動など幅広く活躍されたため、名前は知らずとも耳にしたことがある
方だと思います。
今回はそんな氏にまつわる話を書きたいと思います。
おそらく、山下達郎氏に関する活動は色々な方々は触れると思うので、それ
以外を中心にここでは扱いたいと思います。

氏はサックス奏者として長く活動されてきましたが、私が特に印象深いのは
ソプラノやアルトサックスでのプレイです。
割とサックス奏者というとジャズ系でテナーを中心としたブロー系のプレイ
を想像するかもしれません。
しかし、氏の多くの活動の中ではソプラノやアルトを使った柔らかい音色や
哀愁のある音色が印象に残っています。
氏の活動ではブラスセクションとして松岡直也&ウイシングのプレイが有名
で、ここ何年かでウイシングに参加されたミュージシャンが鬼籍入りしてい
ます。一度このブログでも取り上げた和田アキラ氏もそうです。
ジャズやラテンやポップのあらゆる要素にうまく融合したサックスは氏の特
徴であり、その中でも氏のサウンドは上述した通りエネルギーよりも洗練さ
れた都会的な大人の音でもありました。
山下達郎サウンドの中で氏のサックスが融合したのもこういった特徴があっ
たからではないでしょうか。
私が特に氏の音楽で忘れられないのはチキンシャックでのプレイです。
チキンシャックは日米のミュージシャンによる都会的なサウンドをベースと
したフュージョンでした。
インストだけでなくボーカルモノもあって、その中で一番のメインとなるの
が氏のサックスです。
氏を中心に仲の良い、名うてのミュージシャンが集まって作った音は派手さ
はなく、商業的に大きな反響を呼んだ訳ではありませんが、知る人ぞ知ると
いった通好みの音でした。
今でもYoutubeで確認することができるので興味があれば見てください。
80年代から90年代にかけては多くのミュージシャンのレコーディングなどで
も聴くことができます。
氏のサウンドは非常に特徴的なのですぐわかるといっても良いでしょう。
そんなやすらぎやちょっとリッチにさせてくれるサウンドがもう聴けなくな
るのはとても残念なことです。

氏は娘さんが土岐麻子さんで、親子での共演などもあります。
土岐麻子さんは日本のポップスを独特の世界観でリアレンジしたアルバムを
残していて、その中にも山下達郎など氏にも関連深い曲も取り上げていて、
こちらもお勧めです。

そろそろ音楽についての記事を書きたいなと思っていましたが、とても残念
ですがこういった記事になってしまいました。
私もサックスやブラスの人達と一緒に活動を行うことも多いのですが、氏の
ようなサウンドは実は非常に出しにくいものだったりします。
熟練した職人芸だからこそ出せるものだったのでしょう。
この年になってサックスやブラスと一緒に音楽をやってみて始めて悟ったこ
とでもあります。
非常に残念ですが、心より哀悼申し上げたいと思います。
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