競売の落札結果など

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20年くらい前であれば、競売は活況でした。
任意売却が進んでいない時だったからです。
任意売却ではなく、競売が多く実施されていました。
当時も入札です。
競り売りではありません。
そのため、開札場で面白い結果が時々ありました。

当時も裁判所によって開札の発表はバラバラでした。
封を切り、金額順に並べ、下から読み上げるのが通常です。
開札場には、一般人もいましたが、多くは不動産業者でした。
見るからに「競売屋」と分かる人達もいました。

人気物件の場合、全部を読み上げずに上位3件だけ言う裁判所もありました。
これは気が利く裁判所の場合です。
そうではなく、全て読み上げるケースも一定数はありました。

中には酷い裁判所もありました。
読み上げるのは、普通であれば、常識があれば「下から順に」です。
そうではなく、「ランダム」に読み上げる時がありました。
これは大迷惑でした。
誰が落札したのか、最後まで分からないからです。
落札しているのに、後の人と金額が出てくると、ものすごく迷惑です。
さすがに今はありませんが、当時はデタラメな裁判所もありました。

さて、開札結果についてです。
人気物件では多数の入札の場合もあります。
売却基準価額の何倍もの金額になることがあります。

一般人=素人の場合、この基準価額で考えます。
そのため、いくら上乗せしたらいいか、という非常に安易な考えの場合が多く見られます。
プロが入札する物件の場合、開札場では下から素人さんが大量に呼ばれます。
上位5社くらいになると、通常はプロしか出てきません。
プロの場合、再販売価格から逆算します。
そのため、素人から見ると非常に高値に感じるはずです。
ですがプロの場合、基準価額など最初から無視しています。
実際の価値で考えます。
これが目利きです。

鼻差で勝つ、落札することができたとき、これ以上に嬉しい事はない瞬間です。代わりに鼻差で負けたとき、猛烈に腹立たしくなります。
読み勝ち、読み損ね、です。

最近は任意売却が主流になっています。
債権者もそのほうが圧倒的に良いからです。
競売の申し立ても費用が必要です。
タダではありません。
手間もかかります。

それでも競売しか手が無い場合もあります。
任意売却不能な物件が、今は競売に出てきます。
平たく言えば、「ゴミ」です。
価値無し、と言える物件が多いです。

それでも中にはそこそこの金額で落札される物件もあります。
民間の資格では、宅建をまねた・・・主任者などが出ています。
よほどヒマか、やることが無い場合は良いかもしれません。
今の競売は、基本的にプロが「投げた」物件がメインです。
何が何でもその物件でないといけない、このような場合は入札することも考えられますが、通常では無視します。

それでも競売の場合、落札結果に興味深い場合があるので、時々確認するようにしています。
今回もありました。
基準価額が2,500万円(25,000,000円)くらいの物件です。
落札価格は、30,000万円(300,000,000円)以上でした。
最初は「3千万円」と見えました。
ですが、よく見ると「0」が一つ多いです。
3億円でした。
8件の入札があったようです。

なぜ、この金額になったのか、どこかに3点セットが残っていないか、調べてみました。ありました。
土地でした。
福岡市内です。
通常の福岡市内であれば、この金額になっても不思議ではない場合もあります。
ただ、その場合は、いやに基準価額が低いな?と感じます。
10倍以上になることは少ないからです。
8件の入札があったのですが、次順位がいくらだったのかは分かりませんでした。何らかの入札するだけの理由がある、とは思いました。

軽く3点セットを読みました。
結論から、「入札者は素人か、よほどこの土地=山が欲しかったか、」と思いました。それでも疑問に感じる金額です。

ここで、もう一つ浮かびました。
競売で、たまにある内容です。
「一桁、間違えたケース」です。

もしかすると、3,000万円で入札するはずだったのが、3億円で入札したのではないかと思いました。
競売では、たまにあったからです。
開札場で驚きと歓声と笑いが出ることがあります。
桁を間違えて高値で落札する例がありました。

残代金を納付せずに、流すことが普通です。
強引に納付しても、高買いなのでメリットがありません。

もしかすると、今回の物件は、一桁間違えて入札したのではないか、と思いました。理由は、山林だからです。
しかも市街化調整区域内の山林です。

色々な制限がかかっているので、簡単には宅地化はできません。
何が何でも購入しないといけない理由があるのであれば、知りたいです。
水が得られる、何かが埋まっている、ような場合は考えられます。
考えられますが、規制があるので、好き勝手にはできません。
この後どうなるのか、暇なときに見てみようと思います。

東京の場合、競売の金額は凄いです。
地方であれば、コンマは2つで十分です。
それが3つ目のコンマが東京では出てきます。
これには驚きます。
競売で3つのコンマを使うような物件、通常価格であればいくらなのか、と思います。

千万円や億円と漢字で記載できる場合、まず間違えることはありません。
しかし、数字だけで記入する場合、桁間違いをする人はいます。
競売が面白くなる時です。
開札場に来ている場合、青ざめている人がいれば、だいたい正解です。
次順位の人も表情で分かります。
頭にきて、すぐに帰っていく人もいました。
当時の競売は、下手なドラマよりも面白いことがありました。

競売の場合、落札後は全て自己責任です。
ドがつく素人の場合、裁判所が全てしてくれると思っている人もいます。
裁判所は所有権を移転し、消せる権利を消すだけ、です。
猛烈に後悔する人もいるでしょう。
安く買った、と思っていたのに、実は大間違いの場合があります。

競売になる人もいます。
なった場合、債務者はヤケクソになっていることがあります。
慎重に対応しないといけません。
コロナも影響し、今後は競売になるケースも増加する可能性があります。
安く買おうという下心が、大失敗になる恐れもあります。

昨日の売主の物件も、取得方法は競売でした。
数年前に競売で出ていました。
登記では取得方法が記載されます。
競売で所得していた物件なので、調べました。
3点セットは見つかりませんでしたが、基準価額と落札価格は分かりました。

この人も高買いしたと思います。
少なくとも競売のプロが誰一人、入札しなかったと思われる内容だったからです。

落札価格を基準に売主は話をしていました。
これは「間違い」です。
その物件の価値が問題であり、いくらで落札したかではありません。
買ってはいけない物件を、高買いしています。
おそらく売主の希望通りには行かないでしょう。
返品はできません。
代金納付期限までであれば、流すことができます。
納付後は、自己責任です。

今は競売の開札を確認しに裁判所に行く人は少ないでしょう。
すぐに結果がHPに公表されるからです。
時間と手間が省けました。
不落札、これも多数です。
理由は、入札するに値しない物件が多いからです。

競売でないと権利関係の調整ができない場合、利用するべきです。
そうではない場合、競売になる前に、債権者と交渉して堂々と売買することが良いと思います。


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