将来、貸すことを考えた新築案など。

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一般的に自宅を新築する人の場合、自分の家、という思いが
非常に強くなると思います。
そのため、自分だけの家、という考えがメインの場合が増えます。
そうすると、こだわりの家、となってきます。

ハウスメーカーや設計者も、自分の主張がかなり強く出ることがあります。
完成するまでは、楽しみの場合が多いはずです。
完成後、引き渡しを受けて2年程度は新築感覚が続くと思います。

ですが、3年、4年、10年を経過してくると変わる人がいます。
ただの築10年経過した中古住宅でしかないから、です。
設備品も10年前の物です。
最新ではなくなっています。
しかも不具合が出始めることがあります。
新築病のような人にとっては、つらい現象になってきます。

飽きる人も出てきます。
また新築したいと思う人がでてきます。
ですが、住宅ローンが残っている場合、簡単には進みません。
しかも新築時に40年ローンを組んでいた場合、単純に30年の残債務が
あります。その残債務の金額を見て唖然とすることもあるはずです。
ほとんど減っていないから、です。

すると売却しようと思っても、残債務と同程度では無理なケースが多くなります。それどころか、新築時にこだわりすぎた結果、査定は大幅に下がります。
同じ感覚の人以外、価値がないからです。
費用をかけることと、価値があることは全く違います。
新築時は売却のことなど「カケラ」も考えていないことが常です。
事が起きてから、後悔が始まります。
設計者や施工会社は、建てれば終わり、が普通です。
買い取ってくれ、といっても無視されます。
関係ない、からです。

このような場面を見かけるケースがあります。
特に築浅の注文住宅に多いです。
基本的に自分たちが使う以外、手はなくなります。
共有になっている場合、持ち分が1/2がよくあります。
すると、売ることは当然として、貸すことも単独ではできません。
できるのは、維持管理だけです。

もし、新築時に「いつか貸す場合、売る場合」を考えていたとすると、どうなったかです。最初に考えているので、売る、貸すがしやすくなります。

売りやすい家、貸しやすいの条件をしっかりと考えておくと、将来、困らなくてよいことがあります。
特に、将来の人口形態を予測し、最も需要が多い内容に合わせて新築しておくことが、対策の一つになってきます。

家しか見ない人もいます。
地方の場合、車がメインの移動手段です。
居住者+1の台数が必要になることがあります。
それも並列でラクに駐車できることが大切です。

さらに、コンパクトで少人数、居室は独立、トイレは2か所、収納は多く、
段差がないこと、などが求められてきます。

このような条件を満たしておくと、売ることがない、貸すこともない、としても全く困ることが無い家になります。
相続の場合でも、相続人が喜ぶことになります。
売ってもよし、貸しても良し、だからです。
富動産になるからです。

先日、土地の購入検討者に現地で説明をしました。
この土地は、売り貸しがしやすい家に適していると思いました。

ハウスメーカーでこだわりの家を検討しているようです。
土地が約500万円です。
土地+建物+諸費用で、約4,000万円で検討中のようでした。

私には正気の沙汰とは思えません。
都心部ではありません。
地方です。
その地方の中でも田舎です。
40年の変動金利、考えたくもありません。
仮に新築後に不要になったとしても、どう考えても残債務以上での売却は
無理です。賃貸でも、明らかにマイナスです。固定資産税、火災保険料、修繕費用を考えると大赤字です。破産、競売コースになってきます。

これは、負動産です。
ですが、本人たちは聞く耳を持っていません。
伝える必要もありません。
運命だからです。

しかし、同じ土地ですが、ここに先ほどの富動産になるプランを考えた場合、かなり変わってきます。
土地+建物+諸費用の合計は、約2,250万円です。
私が住宅ローンを考える場合、目先の金利では考えません。
支払金額を確定させます。

35年間、完全固定型を使います。
フラットではありません。
民間金融機関がフラットを超える内容を実現しています。
すると、全額融資としても、月額約7万円、ボーナス払い「無し」と
なります。

家の構造をしっかりと検討し、維持管理がしやすいようにしています。
コンパクトなので、固定資産税が低くなります。
新築のおかげで、しかもコンパクトなので火災保険料も驚くほど低くなります。支出が抑えられます。

この条件であれば、賃貸にしようと考えても安心して貸すことができます。
売るときもラクです。
需要から逆算しているからです。
ただし、この需要は持ち家、建売用の需要ではありません。
賃貸の場合、貸家の場合の需要です。

これは不動産の現場で実務を相当にこなさないと無理です。
言い切れる理由があるからです。
テレビ等では、かっこつけてか「エビデンス」と言う人が目につきます。
本人は良いかもしれませんが、意味が曖昧になりやすいので、正しく日本語で言うべきと思います。根拠、論拠、証拠のように日本語であれば的確に使い分けができます。

新築するときに、将来、売るかもしれない、貸すかもしれない、又は払えなくなったときに適正に残債務が処理できるかどうか、も検討したほうが良いと思います。

特に地方の場合、値上がりする要素がまずありません。
都心の一部であれば、値上がりすることを考えて買うことも可能です。
ただし、色々な条件が付きます。
一切、何も災害が起こらず、景気が回復し需要が強いまま、のような条件が必要になります。

トンガのように噴火による災害があった場合、都心はゴミになります。
特にタワーマンションは最悪になります。
水、電気が無い、食料もない、階段しか使えない、地上に出るまでに苦労する
巨大な産廃となるからです。

需要が一気に消失します。
しかし、債務は残ります。
消えません。
簡単に住み替え、ができません。
このリスクを承知の上で進む必要があると思います。

つぶしがきく物件を新築する、これが運命の分岐点になると思います。
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