富太郎の『ちょこプレ』2024.3.17

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コラム
富太郎が、気の向くままに、「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。

今回のお題「再婚禁止期間」

 新年度4月1日になると、いろいろな制度が変わりますが、令和4年12月10日成立の民法改正によって、女性の「再婚禁止期間」が廃止されます。

 現行民法では、733条1項で『女は、前婚の解消又は取消しの日から起算
して100日を経過した後でなければ、再婚することができない。』
とされています。 本条は「父性の推定の重複」を回避するためのものです。

 明治時代に策定された元々の民法では、当時の医学では6か月程度たたない
と、妊娠の確認ができなかったとの事情により、女性のみ「再婚禁止期間」
6か月設けられていました。

 この733条に関し、最高裁が「再婚禁止期間6か月のうち100日を超え
る部分は、憲法14条1項(法の下の平等)24条2項(家族生活における個人
の尊厳と両性の平等)に反し違憲」との判決(平成27.12.16最大判)を出し、
平成28年6月1日の民法の一部改正により、100日に短縮されました。
 民法722条に「嫡出の推定」という条文があります。
1項 妻が妊娠中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2項 婚姻の成立から200日を経過した後 又は 婚姻の解消若しくは取消
 の日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。

「父性の推定が重複」する期間である100日については「再婚禁止期間」
に立法目的の合理性が認められるとして、733条そのものは残されました。

 ただ現行では、この重複する100日間に生まれた子は、『前の夫の子』と
推定されるので、母親が出生届を出さず、「戸籍のない子」が生まれるという
問題が発生していたようで、今回の改正で『嫡出推定制度』を変更し、「離婚から300日以内に生まれた子も、『今の夫の子』と推定する」との規定と
なり、それに伴って733条は削除され、「再婚禁止期間」も撤廃されます。

 現行の「再婚禁止期間」に関しては、司法書士試験での出題実績はないよう
ですが、法改正に伴い、問題集にはいろいろな「予想問題」が載っています。
 長く受験生をやっている者にとっては、「古い知識が邪魔をする」という
悩ましい状況になっています。 

今回は、以上です。 過去のブログも、ぜひご覧ください。   富太郎

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