富太郎の『ちょこプレ』2023.12.10

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コラム
富太郎が、気の向くままに、「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。

今回のお題「役員の損害賠償責任」

 ここ最近、日大の不祥事がらみの報道がマスコミを賑わせていますが、
会社であれば「損害発生」の責任を経営陣に求める声があがるのに、
解任の話は出ても、大学の受けた金銭的な損失(例えば何十億円の補助金
カット)に関する責任の話が出ないのは、営利追及が目的ではない学校法人
だからなのでしょうか。

会社法に、以下のような条文があります(要旨)。
423条1項
取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人は、任務を怠った場合、
株式会社に対し、損害賠償責任を負う
424条
423条1項の責任は、総株主の同意がなければ免除することができない。
425条
423条1項の責任は、役員等が善意無重過失であれば、株主総会の特別決議
で、一部免除できる。
 ●免除できない「最低責任限度額
  ・代表取締役、代表執行役     職務執行の対価の6年分
  ・代表取締役以外の業務執行取締役         4年分
  ・上記以外の取締役、会計参与、監査役、会計監査人 2年分
426条
423条1項の責任の一部を、「取締役会の決議で免除」できるのは、
  ①取締役が二人以上ある監査役設置会社・監査等委員会設置会社・
   指名委員会設置会社 のいずれかで、
  ②定款の定めがあり、
  ③役員等が善意無重過失で、
  ④株主に対し公告又は通知をし、
  ⑤総株主の議決権の100分の3以上の議決権を有する株主が異議を
   述べなかった場合
  に限られる。
427条
業務執行取締役・会計参与・監査役・会計監査人は、定款の定めがあれば、
会社と「責任限定契約」を締結することができる。
 ●責任限定契約~職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、
  「定款で定めた額の範囲内であらかじめ株式会社が定めた額」と、
  「最低責任限度額」との、いずれか高い額を限度とする旨の契約
429条1項
役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該
役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
  ●「第三者」には株主も該当する(と解されている)。
  ●総株主の同意があっても、免除できない。

こうしてみると、法律上、取締役等の「任務懈怠責任」は大変重いです。
義侠心(愛社精神[母校愛]等々)で引き受けるには、相当な覚悟がいりそう
です。就任1年で、6年分の責任払いが発生するのは、如何なものでしょう。
あくまでも、会社法に基づく、株式会社の話ですが・・・。

今回は、以上です。 過去のブログも、ぜひご覧ください。   富太郎











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