時系列解析と予測について(1)

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こんにちは。
時系列解析において、今あるデータをもとに、今後グラフのトレンドがどのように推移するかということは、非常に興味のあることです。例えば、品質記録としての寸法データが、今後も規格範囲内に入って推移するのか。グラフの変動の様子を見ると、上限値或いは下限値に推移していくとき、今後の生産に影響しないか、何か生産条件が変わったのかなど、いろいろ心配になってきます。それはそれで品質に対するアクションとしては、問題ないと思います。同じものを生産していても、ある程度の品質上のばらつきは、本質的なものだからです。
しかし、何らかの原因によって品質記録としての寸法データのトレンドグラフが振れているのであれば、原因を追究して対策を採らなければ、検査の結果、不具合品となってしまいます。この時、データのトレンドグラフを観察して、影響を及ぼしている原因を特定できるかどうかは、観察者の力量に大きく作用されると思います。
今後の予測と聞いて、なんかあやしいなとか、ほんとにできるのか、ということが頭に浮かんでくるのはもっともだと思います。未来の事は、まだ起きていないのですから、そこから何を根拠にそんなことを考えるのかと、少々眉唾的なことも思い起こされます。確率論の専門家ではありませんが、過去の因果関係とは全く関係しない事象の予測もあるみたいです。まずは、次に起こる出来事は、過去に起こったことの結果として生じる、因果律を考えることは、比較的受け入れやすいものだと思われます。
過去と全く因果関係を持たない事象が、次に起こるということは、その事象は独立した過程であり、ランダムという言葉で表されます。このランダムに事象を発生させるということは、非常に難しく、意図的にランダムな事象を起こそうとすると、細心の注意を払って、過去に起こした事象との関係を断ち切らないといけません。例えは、サイコロを振って、出た目の数を記録します。また、同じことを繰り返します。この時、振ったサイコロの回数と、サイコロの各1から6までの出た目の確率が、大体1/6に等しくなれば、ランダムな事象を起こしていると考えてもいいと思います。しかし、ここまで確認するには、おそらく数千回の試行の結果ということになります。
今、考えようとしている品質記録としての寸法データはどうでしょうか。この製品を造るまでには、人為的に様々なパラメータを制御してきた結果としての、寸法データです。データが全く過去との因果関係なしに、ランダムなデータとして出てくるのでしょうか。今出てきた寸法データは、過去に製造したものとは無関係な寸法データなのでしょうか。もし、ランダムに出てきた寸法データであれば相関関係はないはずです。
上記のようなことは、非常に考えにくいと思われます。やはり、今出てきた製品の寸法データは、過去の製品と相関があるはずです。それは、同じ決められたパラメータを制御して製造されたものだからです。

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