アートの効能

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いつもは心の在り方や脳の働き、そして思考などについてブログを書いていますが、今日はアートについて少し触れてみたいと思います。皆さんにとってアートとはなんですか?心が洗われるもの、インスピレーションが得られるもの、少しカッコいいもの、何だかわからないもの、人それぞれ捉え方、感じ方があり千差万別だと思います。

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上の絵は損保に勤めていた時、自動車事故のお手伝いをした画家の方からお礼としていただいたものです。シュールレアリズムと言われる絵ですが、非常に幻想的なイメージです。この方はスペインに留学されていたので勝手な推測ですがダリに大きなインスピレーションをもらってこの絵を描いたのではないでしょうか?


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上の3点は私が大好きな方の版画作品です。初めてこの方の作品を見たのは画像一番上の嵐の中を複葉機が飛んでいるものでした。目を細めて近づいて見ると、本当に細かく緻密に描写が行われており感動する作品です。残りの2点はペアになっており同じ風景ですが、真逆の構図でかつ明暗も全く対照的な作品です。人の心の中にある矛盾を思い起こさせるような作品です。この方は年に数回だけ作品を創られているそうですが、画商の方もその方の詳しいプロフィールはご存じないそうです。

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これもアート作品です。絵や版画と違ってレザージャケットにペイントされたものですがこのアーティストは古着にペイントをして作品を創っています。始めてこのジャケットを目にした時、度肝を抜かれましたが思わず「カッコいい」と叫んでしまいました。前見頃や袖にも少し抑え目ですがペイントがあります。ものすごく気に入っていますが、着ていると必ず誰かに声をかけられるので着るのに勇気がいるアートです。

私にとってアートとは自己表現と同じようなものだと感じています。自分の意見や感じたことを言葉にして表現するように絵画や版画、そして服飾という手段でアーティストの方が自分の感じたことや伝えたいことを表現しているのだと思います。従ってアートとはただ作品を見て何かを感じるものでもあるのですが、アーティストがなにを表現したかったのか?そのアーティストがどんな人なのか?どんなことを考えているのか?そんなことに興味を持つことが私にとってのアートの見方です。アート鑑賞していると色々なことに気付くことがあります。視覚だけでなくその奥にあるアーティストの思考のようなものを感じることで自分の心の中にも今まで経験もしなかったような感情が湧きあがってくることがあります。

一方、全くお手上げの作品もあります。昔、ロスコと言う人の絵を初めて鑑賞した時は描かれたものが何を表現しているのか私には想像もつきませんでした。美術館の一室の四方の壁にただ黒色や赤色で塗りつけられた巨大な絵が掲げられているだけです。ロスコは何を表現したくてこの絵を描いたのだろう?色々と考えを巡らせても私には何も感じることができませんでした。

コーチングでは色々なクライアントの方と話をします。その時感じるのはアート鑑賞と少し似た感覚です。この方は何を伝えようとしているのか?ロスコの絵のように全く想像できないこともあります。でもクライアントの方そのものに関心を持つことで徐々に一方的ではありますが漠然とクライアントの奥にあるものが感じられてきます。そして質問をしたり、伝え返しをしてさらに話を聴いていくと自分の感じ方が正しくなかったり、それほど的を外していなかったりと確認がとれ、クライアントの方がより身近に感じられてきます。クライアントの方に関心を寄せていくと突然クライアント自身も気付いていない心の声が聴こえてくることもあります。そう、私にとってコーチングはアートを見ている時と同じ感覚なのです。このアーティストは何を表現したかったのだろう?という感覚とクライアントが今何を言いたかったのだろう?と考えるのは私にとってほぼ同様の感覚です。

「その人自身に関心を持つ」という点でアートとコーチングは非常に似たものではないかと思っています。何故ならクライアントはご自身を創り出しているアーテイストそのものですから。ロスコの絵のようなクライアントの言葉でも聴きとれるようになりたいと願って日々コーチングをしています。

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*上の画像は東京京橋3丁目付近のものです。この界隈は小さな画廊がたくさんあります。ご興味ある方は是非訪れてみてください。

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