難病が僕にくれたもの。

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7年ほど前、30代前半だった私は(指定難病)潰瘍性大腸炎と診断されました。
この病気は、腸に慢性的な炎症を起こす病気で現在完治する治療方法はありません。
下血や激しい腹痛に襲われる症状が何ヶ月もつづく事もあります。
元内閣総理大臣である安倍晋三さんが患っていた事でも有名です。

この話は、難病にかかり不幸になったという話ではありません。
しかしながら「自分は不幸だ。」と思うような時期もあったのは事実です。
勿論、今も病気が治った訳ではなく体調を崩す事も日常茶飯事ですが、毎日が充実して楽しく過ごすことが出来ています。
では如何、私が難病を抱えながらも充実する日々を送る事が出来ているのかをお話しします。

当時、私は新婚で妻のお腹の中には第一子を授かっていました。
仕事では某携帯会社の店長としてプレゼンテーション大会の九州地区優勝し、全国大会に進出して3位に輝くことができました。
その功績が会社に認められ10店舗のエリアマネージャーを任され、正に人生の絶頂期を迎えていたのです。

ある朝の事、いつも通り仕事の準備をしていると、お腹にキリッとした痛みが走り、急に便意を催しトイレに駆け込みました。
少し下痢気味でしたが、普段からお腹が弱い方でもなく1月という事もあり寒い日が続いていた為、お腹が少し冷えてしまったんだろうと思い市販の下痢止めを購入して仕事に出かけました。
しかし、仕事中もその痛みと便意は常に私を襲ってきます。
上司からも「なんか今日お腹の調子が悪そうだね。大丈夫?」と言われるほどトイレに行く回数が多くて「なんかお腹が冷えてしまったみたです。一日で治ると思います。」と、会話をしたのを覚えています。

家庭では、家に帰るとお腹の大きくなった妻が待っていて、二人で子どもの名前を考えたり、産後の準備物などを選んだりと第一子誕生に向け慌ただしくなっており、毎日が希望に溢れ、家庭も仕事も忙しいながらも楽しく過ごしていました。
ですが、一日で治ると考えていたお腹の痛いみは翌日になっても翌々日になっても治ることはありませんでした。
ですが、私は忙しい時間の中で病院に行くことなど頭にもなく、現に仕事に支障がでたりお腹の痛みも酷くなかったので放置し続けてしまったのです。

そして最初の痛みから二月程が過ぎ、無事に第一子の男の子が誕生しました。
その頃には、お腹の痛みや下痢に対しても自分自身に変な免疫がつき、妻は出産で頑張ったんだからと自分の体の事は気に留めなくなっていたのです。

さらに慌ただしく過ごしている中、急に体に異変が起きてしまします。
仕事も終わり、帰宅して一息ついている時に、以前とは比べ物にならない程の腹痛を伴う便意が襲ってきました。

そして、私は便器を見て唖然としてしまいます。
目に入ってきたのは真っ赤に血で染まった便だったのです。
本能的に体で良くない事が起きているという事を悟っと共に、ある事が頭をよぎります。
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妻と生まれたばかりの息子の事です。
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