原点のはなし

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ビジネス・マーケティング
以前私はよく野村克也氏の本を読んでいました。昨年お亡くなりになり、とても残念です。野村さんは監督として、試合采配と選手育成の両方で手腕を発揮した名将です。ただし著書はなんとなく読んでいたので、内容はほとんど覚えていません。ごめんなさい。その中で唯一覚えているのが「原点」の話です。

プロ野球投手の原点は「外角低めの速球」。結局、外角低めの速い球は多くの打者にとって最も打ちにくいものだ、つまり「投手の原点だ」という考えです。迷ったらコースを九分割して原点(外角低め)に思いっきり投げ込む。日ごろの原点に対する練習がものを言う。いろいろな駆け引きや技術はあるけど、最後は原点回帰してそれを信じる。ここだけはなぜか忘れないんです。これって仕事、商売、事業経営などでも同じだと思います。つまり本質的な原点というものがあり、それを抜かして進めてはいけない。似たような言い方、表現もありますね。王道、定石、基本中の基本、などなど。これがわかっているだけで随分勝率が上がります。

いくつか例を上げてみます。あくまで私が「原点」だと思っていることなので、そこはご了承ください。仕事の原点は、PDCA。商売の原点は、客数×客単価。ブランディングの原点は、広さ×深さ。自己成長の原点は、守・破・離。むむ、結構ありますね。もう少し行きますよ。分析の原点は、対象×切り口。経営の原点は、ROA(=利益÷総資産)。私の思い込みを超えて、世の中にはもっともっと多くの原点が存在します。武道の原点、受験の原点、家族円満の原点は?答えがあるわけではないので、思いは人それぞれです。

ここで戦略の原点を考えてみましょう。おいおい、そんなものがあれば苦労しないよ。本屋で山のように売っている戦略本でもその答えはまちまちです。でもあえて私なりの原点を示しますね。戦略の原点は、強み×機会。あれあれ、SWOT分析みたいだな。それではマーケティングの原点は?それは、ニーズ×提供価値。うーん、このあたりを抽象化すると、「自分×他者」という構図になりますね。まあこんなことをつらつら考えると思わぬ発見や整理ができます。皆さんにもご自分が思う原点が必ずあるはずです。そして困ったときは原点に立ち返りましょう。きっといいことがありますよ。

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