環境作りの重要性

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小中学校の不登校が8年連続で増加しています。2020年度は、小学生は6万人超(前年比18.7%増)、中学生は13万人超(3.8%増)。中学生の数がすごいですね。感染症対策での休校や行事中止などのストレスも大きな原因ですが、傾向的に不登校は増え続けています。これに対して行政や学校側は、児童の実態に合わせて教育課程を組んだり、校内に学習機能を備えた「フリースクール」を設けたりと、学びやすい環境作りを模索しています。「不登校特例校」もその一つ。授業時間数を減らしたり、開始を午後からにしたり、生徒数あたりの教員数を増やしたり、様々な工夫をしている。閉校した校舎を活用したりしています。この特例校のニーズはとても高いのですが、用地確保などの負担が大きく、全国で17校にとどまっています。岐阜市での中学校では、定員の3倍を超える転入希望があったそうです。

大変よい取り組みです。私の部下や同僚でも、子どもが不登校で困っている人が何人もいました。そんな人の選択肢になれば、可能性が大きく広がると思います。財政面での課題は大きいですが、社会全体の問題として取り組んでいきたいですね。ここでは、社会人に発展させて「環境作り」について考えたいと思います。昨今「多様性」が大きく取り上げられています。企業内では、人権面と競争面でクローズアップされている。「多様性の尊重」と「多様性の活用」です。人間性を尊重する企業文化の定着、個性が化学反応することで起きる付加価値創造。この多様性を活かすためには、「環境作り」が重要です。ただ「多様性を大事に」というかけ声、スローガンだけでは進みません。設備、規則、組織体制、評価制度、予算、教育・・・などを具体的に整備する必要があります。そして、それらを統合するグランドデザイン(理念)が必要。ソフトとハードが融合して始めて動き出します。この環境の下で小さな成功事例をつくり、それを全体に広げていく。理想ですが、そんなステップを目指したいです。

不登校に戻りますが、教育現場の努力には頭が下がります。一方で家庭(主に親)の努力や苦労も当然大きい。そして本人。三者が連携して少しでも前進する。その中で多様性という力が発揮されれば、きっと将来につながると思います。児童にとっては、学校という小さな空間が全世界です。その「小さな全世界」の環境を少しでも整えられれば素晴らしいと思います。

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