【時代が変わって】地域福祉の概念とは【地域も変わる】②

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皆さんこんにちは!

今回は第2弾で、地域福祉の概念です。

前回は、誰にも必要とされていにないとは分かりながら、地域福祉の理念について、色々と書いてみました。

今回は、今なぜ地域福祉なのか?どんなことが求めれているのか?ということについて掘り下げてみたいと思います。



地域で暮らすイメージや、地域への馴染みを持ちにくい社会になっています。

皆さんは、ご自身の住んでいる「地域」に馴染みを感じていますか?

生まれた地域でそのまま住んでるよ、という方はともかく、生まれた土地を仕事をするためや、結婚するために離れて生活する様式が当たり前になっている昨今では、自分の家がある土地にむしろ馴染みがないという方もざらなのではないでしょうか?

私もそうです。生まれて、小学校、中学校と通った土地には、知り合いがいて、よく言っていたお店があって、馴染みを感じます。たまに起床すると、こういった「馴染み」の場所などが無くっていてちょっと悲しくもなったりします。

そういった次第で、今住んでいる土地にはあまり馴染みがないという方も多いでしょう。

でも、いま例に出した通り、地域とは子育ての場であり、仕事の都合で住む土地が変わったとしても、退職後をはご自身の生まれた土地に帰られたりと選択肢は様々なですが、職場という協働体から離れた後は、なじみがあるかないかは関わらず、老化のため行動範囲が狭くなることから地域という共同体の重要性が高まります。

地域は変容している「都市化」と「アーバニズム」

戦後の我が国は良くも悪くも、地縁というものが非常に強いことが特徴でした。いわゆる「古き良き時代」ですね!

イメージ的には「ALWAYS三丁目の夕日」の世界観ですね(^^♪

ただ、そこに帰ろうということはではなく、新たな社会的特徴へ対応することが大事なんだと思います!

日本は都市化しています!
産業化の拡大による労働者の都市部への移動により大都市が形成されてきました。東京とか大阪とかだけでなく、各都道府県に主要都市ができているということも大きな特徴です。
また、ICT技術の進展によってある程度、距離というものを無視できる社会、グルーバル化も進んでいます
このような都市化する社会では人口規模が大きく、密度が高い、住民の異質性(習慣や風習を共有しない)が高い社会環境となります
こうした社会環境からもたらされる生活様式=アーバニズムと呼ばれます




アーバニズムとは
社会学者ワースによると、①地域形態、人口、②社会組織、③パーソナリティに特質がある生活様式のことを示しています。一言で言うと農村等伝統的な田舎社会の真逆ですね。

このようなアーバニズム的な生活様式の特徴とは

①職場と住居の分離、出産率の低下
②近隣などの一次的関係の消滅とそれにかわる二次的関係の優越

であると言われています。

また、アーバニズム的な生活様式でっはコミュニティ(地縁)でなくはアソシエーション(興味関心に基づいた関係)による、平準化と没個性化が進みます

そのため以下の特性が強くできてきます!

③能率、効用、経済性の重視。冷たい理性。焦燥感。欲求不満。不安感。孤独感。
アソシエーション型組織とコミュニティ型組織の違いについて

アーバニズム的な生活様式が台頭してくると、昔ながらのコミュニティ型組織(地縁組織)よりも、アソシエーション型組織での活動が有意となります。

コミュニティ型組織とは地域や地縁に基づいた共同活動によって構成された組織を指し、ある一定の地域に住む住民が主な参加者であり、活動範囲も限定される。
一方で、アソシエーション型組織とは人々の特定の関心や目的を満たすために作られた組織を指し、参加者同じ目標を持つ人となり、その活動範囲は目的に沿うものであれば限定されないことが多い。
地域にも色々ある。地域の多様性

都市化の話をしてきましたが、都市化することで、地域によって格差というものが出てきました。

地域特性
人口構造(少子高齢化の進展の仕方)
自然的、地理的、環境的側面(豪雪、坂道などの地形等)
社会的、経済的側面(都市型、農村型など)
奥田道大のコミュニティモデル
奥田は④コミュニティモデルを理想として、村落などの①地域共同体モデル、②大都市近郊の農村など伝統的アノミーモデル、③1970年代の大規模団地社会などの個我モデルを提示した。
今日では、地域社会における地域生活課題(地域ニーズ)を起点にした福祉活動の観点から考えると、必ずしも4つモデルのどれかが優れているとは限らない。
4つモデルのどこに地域の状態があるか考える指標として捉えることが必要
ただし、必ずしもどれかに当てはまるということではなく、複数の特性を持つことも想定される

町内会・自治会は存知の通り難しくなっています
住民の居住を契機として、世帯単位で自動加入的に組織されることが多い。
生活環境の整備、防犯、地域福祉、災害など取り組む包括的機能がある
その地域に居住する住民自身の手で地域管理を行う組織
1991年地方自治法改正→認可地縁団体として法人格が持てるようになる
高齢化や都市化などによって、地縁が薄まり維持が難しくなってきている。(役員等担い手の問題、住民間トラブル)

→「支え合う」意味が分かりづらい社会となっています(無縁社会)




地域社会の変化、人口構造の変化

地域社会の変化には、人口構造の変化も大きく影響しています。

世帯の小規模化
一貫して三世代世帯は減少、単独世帯、夫と夫婦のみ世帯の増加

→老々世帯の増加、老々介護、認認介護の問題

過疎地域と中山間地域は、問題が顕著。
地域格差がある。これは、農業から工業への転換など産業構造の変化の結果であり、過疎地域だけの問題ではなく社会全体の問題として捉える必要がある。
地域格差を埋めるというよりも、その地域にどのような生活課題があり、これを様々な形態のある地域同士で補うあうかなど全体のバランスをもって対応する必要がある。
見えない貧困

さらに、現代はこれまでなかったような新しい問題が出てきています。その代表が「見えない貧困」です。

少子化社会
教育費や経済的負担が大きいため子どもを育てる家庭が増えている
相対的貧困状態に置かれている18歳未満の子ども(子どもの貧困)

→合計特殊出生率の低下

ひとり親世帯の困窮
ワーキングプア(低所得)
女性の貧困化(男性よりも低賃金、非正規雇用)
外国籍の住民
外国人技能実習制度の問題
見えない貧困は、意識されない
過疎地域、中山間地域での生活、外国籍の住民、ひとり親世帯の貧困、などなどの異質性の拡大とそれに伴う問題がある。
しかし、都市部の人は過疎地域や中山間地域の生活実態を見る機会はない
シングルマザーや外国籍の住民が増えたとしても、多くの人々にとって日々の暮らしの中で、取り立てて接点を持つ機会はすくない。
我々にとって、地域社会の変化や貧困は見えない。

→無関心が広がっている(無縁社会)

このような地域や社会から孤立するマイノリティも含めたすべての住民を対象にするのが地域福祉の特質
(参考)相対的貧困とは
「生きるか死ぬかの飢餓レベルというわけではないけれど、同じ国・地域の人とくらべて(=相対的にみて)収入・資産が少なく、生活も厳しく不安定な状態」のことです。その時代のその社会に所属している人ならほとんどの人が持っているものが持てず、ほとんどの人ができていることができない状態
修学旅行に行けない、クーラー、冷蔵庫などが買えない
学校日本の場合、2018年の貧困ラインは127万円(1人世帯)です。この金額に世帯人数の平方根をかけると世帯人数ごとの貧困ラインも求められ、2人世帯だと約180万円、3人世帯だと約220万円、4人世帯だと254万円になります。この基準を下回ると、相対的貧困といわれる。
最後に

いかがだったでしょうか?

このように、現代の日本では「相対的貧困」などの見えない貧困が蔓延しています。そのため、障がいや高齢などによって何らかのハンディをもった人だけではなく、若者や働き盛りの世代など、これまで「担い手」とみられた来た層であっても、「孤立」と「貧困」に蝕まれることによって、支援を必要とする可能性があります。つまり、どのような人、世代であっても支援を必要とする可能性がある社会となっているということです。

このような、現状に「地域福祉」は対応する必要があるということになります。

次回は、「地域福祉」の成り立ちなどについてご紹介したいと思います!
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