【基礎の基礎から】地域福祉の理念とは【詳しく解説】①

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皆さん、こんにちは!

世間では社会福祉法に包括的支援体制や重層的支援体制整備事業が明文化され、事業を受託している市町村も多くなってきています。

特に、重層的支援体制整備事業は分野横断による多機関協働がわかりすく目玉になっていると思うのですが、「多機関協働(相談支援)」「参加支援」そして「地域づくり」の三つを一体的に行いましょう!というのも、重層的支援体制整備事業の大きな特徴でしょう!!

皆さんが興味があるのはきっと、分野横断的な相談支援、多機関の協働による支援なんだと思いますが、このブログではあえて私がそうしたいので、「地域づくり」すなわち「地域福祉」について、シリーズ化してお伝えをしていきたいと思います!!

今回は「地域福祉の理念」です!


そもそも福祉とは「幸せ」を意味します

皆さんはそもそも、「社会福祉」それぞれの漢字の意味をご存知ですか?

「社会」は、生活空間を共有したり,相互に結びついたり,影響を与えあったりしている人々のまとまり。また,その人々の相互の関係という意味です。
「福」は「 幸い (しあわせ) 」を意味します。
祉も「さいわい。ありがたいこと」を意味します。

つまり、「社会福祉」とは、違いがあるすべての人々が幸せになれるように取り組むことなんですねー(*'▽')

では、違いがある全ての人の幸せとはなんでしょうか?

それぞれ一人一人の幸せはとは、どんなことですか?

欲求の充足?
生きていること?
楽しい?うれしい?

皆さんが、想像していただい通り「幸せ」を感じる要件は、10人いれば10通り、1000人いれば1000通りあり、みんな違うのです。

つまり、幸福とは永続的な状況ではなく、自らの「心のありかた」を意識的に選び取ることによって見出すことができるものなのですね。

ただし、統計的な調査では、人は価値のある活動に積極的に参加し、自身のゴールをめざして前進するときに、より多くの幸福を感じることができるということは言われています。

少なくとも、ただ生きる、安全であることが「幸せ」には絶対につながらないってことですね!

ここのところを福祉に関わる専門職である私たちは巌に戒めながら仕事をしたり、関わりを持つことが大事だと私は常に思っています。

自立(自律)とは、「選び取る」ことです。

福祉は「幸せ」で、それは一人一人違う要件があります。であれば、幸せを感じるためには、一人一人違う幸せに至る為に、「自分で選べる」という重要になります。

つまり、社会福祉の専門家とはいろんな分野がありますが、この「自分で選ぶ」ということをクライエントが、どんな風に目指して、どう選ぶのかということを、専門的な知識や技術を駆使して、選択肢を増やしたり、選ぶことをサポートしたり、選べるだけの状況まで生活を引き上げたりと、それぞれの状況に合わせて支援することのできる人なんです。

必要なのは、求めと必要と合意に基づく支援です

社会福祉は、どのような状態にあっても全ての人が幅広い考えに基づいた自立ができる(自ら選べる)ことが重要です。

つまり、福祉サービスを必要としている人や家族が自立するための支援を展開する必要があるということです。

しかし、なんでもかんでもクライエントが「こうしたい」を叶えるのがいいことではありません。

強い希望あったとしても、客観的には先に生活状況を整えたり、安心だけでは幸せにつながらないのですが、無くても困ってしまいます。

つまり、「必要」としての「安全」や「生活の安定」があり、次にクライエントの「求め」として自己実現や自己決定があります。

ただし、「必要」だからと言って押し付けることができません。それもクライエントとの「合意」が必要です。

専門家なので、しっかり「必要」を根拠を持って説明したり、それを相手に理解できるように話さなければなりません。

この、「根拠を説明できる」と「相手に合わせて伝えることができる」ということのどちらかが欠けても専門家、専門職とは言えません。もし、後者が欠けていると堅物の専門バカと呼ばれますし、前者が欠けていれば専門家ではなくただの親切な人です。仕事にしてはなりません。

ニードを理解しよう(参考)

上記した、求めと必要と合意に基づく支援にはニード論を理解する必要があります。簡単に参考ですが、下記にブラッドショーの4つのニードをご紹介します。

図で示した通りニードには4つの種類があります

クライエントが表面するエクスプレストニード
専門家が望ましいと考えるノーマティブニード
上記二つなどが、クライエントの自覚されるとフェルトニーズになります。

専門家はノーマティブニードを説明したり、わかりやすく伝えることでフェルトニード化させることが必要です。

もう一つ、同じ特性を持つ別の人や地域などとの比較によって明らかにされるニードとしてコンパラティブニードがあります。
地域福祉とは、「地域がよくなる」だけを目指すのではありません!

やっと、本題です。前置きが長くなりましたが、社会福祉の理解を行ったうえで地域福祉を考えていきます。

では、地域福祉とは?なんなのでしょうか?

社会福祉=違いがあるすべての人々が幸せになれるように取り組むことであれば・・・

では、地域福祉とは、地域が幸せになること?地域が良くなるってこと?なのでしょうか?

地域の「地」とは、そのまま土地、つまり場所を指します。

地域の「域」とは、区切りを指す。つまり何らかの集まりを指します。

そして、地域福祉も社会福祉の一分野なので、「人」を対象として「幸せ」を目指します。

そのため、地域福祉の対象者とはやはり「人」なのです。

地域福祉は「地域が良くなること」ではなく、その地域に住む人全ての人、高齢でも障がいがあっても、子どもでも、妊婦さんでも支援を必要とする人も含めて全ての人が、その人が生きている地域社会、コミュニティにおいて幸せに暮らせることを意味します。

どんな人でも、その人の望む生活を達成するため、「地域へのアプローチや支援」を行い、関節的に関わっていくということです。これが、地域を支援をする技術であるコミュニティワークが関節援助技術と言われる所以です。

なので、地域福祉の対象者は「支援を必要とする人」という他の福祉分野と変わらないのです。

地域福祉と町おこしはすごく混同されやすいですが、その対象者が全く違うことに差があると言えます。もちろん関連深いので近接領域として連携を取る必要があります!

地域福祉とは、一人一人がそれぞれの幸せを選択できるため、地域共同体へ働きかける分野です。

これまで、述べたことをまとめますと

福祉とは違いがある全ての人が、それぞれの幸せを選択できる(自立)できること、その支援
それは、困りごとを抱えた一人一人への支援も必要だが、自立することができる「環境や社会」「制度施策等の仕組み、システム」「みんなが一人一人の自立を尊重できる関心や理解」が必要なります。
このような考えは「福祉コミュニティ」と呼ばれ、これをそれぞれの地域の中で形作られることが地域福祉の理念となっている。
最後に

いかがだったでしょうか?

実は私自身も地域福祉に関わりだして2年目ということで、学び直しを含めてこのシリーズを慣行しようと思い立った次第です。

色々と勉強してるつもりではありますが、先達にはまだまだ及びません。

とりあえず、今回の理解としては地域福祉って「地域を良くする」のは手段であって、その目的は「支援を必要とする人」がその望む生活が送れる選択肢を地域というフィールドの中で作ることなんだなという理解で大丈夫です。

次回は、地域福祉の概念として、コミュニティワークやコミュニティオーガニゼーションなどのソーシャルワーク理論なども織り交ぜて続きを書きたいと思っています。

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