【見える化】ファシリテーション③【まとめる方法】

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みなさん、こんにちは!

今回はファシリテーションその③です!

前回に続き、ファシリテーションが生み出す効果とその手法についてまとめていこうと思いますが、ファシリテーションが持つ機能の中でも複数人の対話の中で「新たな仮説をつくる」「仮説を検証する」機能について書いていきたいと思います。

前回までの記事はこちら

【たった二つの】ファシリテーション②【大事なこと】 (swhiro.blog)

【知っていると】ファシリテーション①【得する】 (swhiro.blog)

他にもいろんな記事を書いています。

ソーシャルワークの展開過程と面接技術について【たった一つの重要なポイント】】 (swhiro.blog)

【場合によって】ソーシャルワークの実践モデル【使い分け】 (swhiro.blog)

【人間関係って】対人葛藤とは【難しい】 (swhiro.blog)

ファシリテーションの機能【仮説を考える】

ファシリテーションには、複数人の意見を引き出し、それを束ねる機能があります。そのため、参加者が持っている「情報」を引き出し、それをもとに「仮説を作る」あるいはすでにある「仮説を検証する」ことができます。

ステップ① 主題と目的をはっきりさせましょー

仮説を考えるファシリテーションでは、「主題=何について」と「目的=何のために」を参加者にはっきりと伝えることが基本となります。

例えば・・・
【仮説を立てるとき】
①業務の改善をしたい=目的
②今ある業務の問題点について=主題
【仮説を検証するとき】
①取引先とトラブルが頻出しているため原因を探りたい=目的
②取引先とのやり取りについて=主題


ステップ② 意見交換の前に前提交換をしましょー

意見交換をする前に、各参加者が持っている情報を確認しておく必要があります。あまりにも情報量やもっている情報の質に差があることが意識できていないと正しい意見交換ができません。

そして、持っている情報に差があることをしっかりと確認することで、明らかにしたい全体像を意識することができるのです。

ステップ③ 有益な情報と無用な情報は「主題」との関連性で見分けよう!
ファシリテーションでは、基本的には参加者が中心的に話をしてもらうのですが、その情報は千差万別で、限られた時間ではすべての情報を集めることはできません。そのため、主題により関連性が高く、情報量が大きいものが、最終的な「仮説を立てる」あるいは「仮説を検証する」ためには有益であるということです。


もう一つ実は、情報の判別に役立つことがあります。それは、発言を聞いている他の参加者の反応です。ほかの参加者が納得できるような信憑性がある情報なども、有益な情報であるということです。
有益な情報は、「主題との関連性」で判断しよう
発言をきいている参加者の様子を確認しよう
一方で、主題との関連性が低いと思われる発言も無下に切り捨てるわけではありません。前回の記事でもご紹介した通り、その発言の背景や論理を確認することで、ファシリテーターが気づけていない論点が補強できるかもしれません。


このように丁寧に発言に対して向き合っているとやはり時間はかかります。話し合いや会議中のファシリテーターは時間との戦いなのです。
途中で論点を明確にしましょー

前回の記事では、TALAをご紹介しました。

TALAのASKで参加者からの意見を傾聴し、まとめていく中で議論を深めるためには、仮説の中間での状況を提示することが必要です。

発言がある程度出そろい論点が見えてきた時点で途中の中間的な「まとめ」として「これまでの話は○○ということでしょうか?と、問いかけることで参加者の意識が論点に向きます。

これによって更に議論の方向性が統一され、参加者にも一体感を感じてもらう効果が狙えるでしょう!

一番大事なのは、参加者が答えやすいことです

これまでは、ファシリテーションの機能の一つとして「仮説を考える」ということについて述べてきました。その中で、たぶたび「発言をまとめる」「参加者の議論が深まるように質問する」などファシリテーターのスタンスについて触れてきました。

もう一つファシリテーションを行う時に注意するべき点として、参加者が主体的に参加できるように配慮することが基本となります。つまり、どのような参加者でも議論に参加し、発言できるということがファシリテーターとしての腕の見せ所です。

そして、相手が答えやすいように工夫をするために相手を知る必要あります。

観察

まずは、参加者の観察です!

参加者の発言内容や頷き具合、目の動き、ボディーランゲージなどから参加者の状況を知ることができます。

参加者の理解度や考えを推察しながら、適切な呼びかけや質問ができるように対応していきましょー

復唱

質問は基本2回繰り返します。

一回目はこれまでの議論や最初であれば目的、主題を確認しながら質問を行います

二回目は参加者全員に向けてアイコンタクトをとりながら、もう一度、質問や投げかけを行いつつ、発言してくれそうな人を探します。

このような感じで参加者を観察しながら、質問、投げかけを行いますので、質問の文章はあまり長くない方がいいでしょう。長いと聞き落としの可能性が高まります。

質問は繰り返す
長い文章での質問はさける。
順序

最後は順序です。

誰かに意見を求めたいときに気を付けたいのが、質問と指名の順番です。先に指名して質問をすると、質問された方はプレッシャーを感じます。

必ず、質問→指名の順番で行いましょー

質問してから「○○さん、いかがでしょうか?
意見をまとめるのはホワイトボードの上で!

ファシリテーションの基本は、参加者の発言をまとめていくことですが、言葉だけが飛び交う空中戦では合意形成を作るのが難しい場合があります。

そんな時に、活用したいのがホワイトボードです。別にホワイトボードでなくても、議論の内容が視覚化できればそれでいいので、PC画面を映し出すなどなんでもかまいません。

しかし、先ほども述べたようにファシリテーターは参加者を観察し状況に合わせて変幻自在に対応することが必要ですので、ここ一番の時はホワイトボードに頼ることが私は多いです!

参加者に背を向けない

当たり前ですが、ホワイトボードを書くのに集中し過ぎて、参加者に背を向けてしまうと参加者の様子がわかりません。

また、ホワイトボードの内容を見てもらうのに自分の体が参加者の支援をさえぎっていないか気にしておく必要があります

右利きの方であれば、ホワイボードに向かって右側に立ち、なるべくお腹を参加者に向けてホワイトボードを書くといいでしょう!(左利きの方は左側に立ちます)

参加者にお腹を向けてホワイトボードを書こう
ホワイトボードで議論を視覚化しよう

ホワイトボードを活用することで、参加者全員に議論の進捗を共有することができます。ファシリテーションはライブで行いますので、必要性に応じてホワイトボードも活用していくことになります。

ここでは、ちょっと知っておくとまとまりやすくなる小技を紹介していきます!

主題、目的、時間を上に書いておく

主題や目的を提示しておくことで参加者の意見が出しやすくなります

また、ファシリテーターの敵は時間ですので会議時間等を書いておくのも有効です

話し合いたい項目(アジェンダ)を分かりやすく

たとえば、話し合いたい項目にはチェックボックスをつけておき、達成すればチェックするなどすると、いいでしょう!

メモ書きではなく、短く端的に箇条書きで書く

参加者の話している内容をそのまま書いているとすぐにホワイトボードがいっぱいになります。

それを避けるために、発言内容は端的に箇条書きで書くといいでしょう(これが難しいのは分かっていますが、大事です)

本筋と別の話は線を引いて欄外に書き残す
本筋から少しずれた発言でも、書き残すことが大事です。そんな時は、パーキングロットと呼ばれる場所をあらかじめホワイトボードに取っておいて、そこに分けて書いていくといいでしょう。
具体的には、ホワイトボードの端4分の一程度のスペースに線を引いて確保して、そこに忘れないようにという感じで書いていくといいです。


時にはイラスト、色分けなどで見やすさを確保

ホワイトボードでは参加者と情報共有することが大事なので、わかりやすいということも重要な要素です。

内容を色分けしたり、時にはイラスト、図、フロー、プロセスなどを示すのもいいでしょう

最後に

いかがだったでしょうか?

ファシリテーション第三弾でしたが、改めて学び直すと奥が深いなーと思っています。

私は福祉畑の人間ですが、ファシリテーションは経済を回すことを追求した中で発達してきた技術なので、色々な分野に応用できるなーと思って勉強してみました。

つまりは、どんな分野でも「意見を出し合い」「合意形成」に至るということは、しっかりと意識して行わなければならないということですね!


また、皆さんからご意見等いただけると嬉しいです。
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