常闇のフラミンゴ

いつも同じ場所で待つ君

とても寒そうだ

手を捲りながら

可愛く息をかける

白い息は遠く彼方へ

空へと飛んでいく

ハァと

ため息をつく

その息さえ憎めない

ぼくを見つける

急いで駆け寄ってきた

女の子特有の小走りが

とても愛おしく感じた

特に用事もなかったので

話を聞くことにした

こんな深夜にどうしたのと

困っているから助けて欲しい

女の子は目を潤ませながら

ぼくへと投げた

助けたい気持ちはあったが

助けることができずに

ただただ話を聞いた

一旦その場を立ち去ったが

やはり気になり

コンビニでホッカイロを購入

先程の場所へと戻った

また寒そうに手をこすり

息を自らの手へ投げていた

そんな後ろ姿を見たぼくは

小走りで女の子へ近づき

ホッカイロを手渡した

とても嬉しそうな女の子

じゃあまたね

ぼくは少し寂しくなりながら

手を振ってその場を去った

もう一度振り返るか迷ったが

女の子の選んだ道なのだと

自分に言い聞かせた

ぼくはまた一層寂しくなり

缶コーヒーを飲みながら

帰路へとついた

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