小論文に選ばれる文章

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新年度の模擬試験用の小論文、ひとまず原稿を書き終えました。約半年、編集の方といろいろ議論を交わしてやっとひと段落。実際には、問題として生徒さんに届くまで細かい修正は残ります。

さて、私は小論文をいちおう専門としており、各大学の小論文問題を比べたりしながら作っていますが、大学側はあまり小論文を専門にして作っているわけではありません。ですので、年によって極端に難しい時などもあります。

題材

そして、小論文に選ばれる題材。これは現代文などもそうかもしれませんが、小論文に選ばれる題材は、テーマが重要ながら、それよりもポイントとなるのは、「程よく悪文かどうか」です。もちろん、全くの悪文ではダメで、基本的には面白いテーマを扱っているけれども、

小論文では「要約しなさい」や「〇〇とはどういうことか」といった設問がありますが、非常に良くできた題材だと問題が成立しません。

世の中には「○○大学の入試問題に使われた」などと宣伝している方もいますが、問題作成側からすると苦笑ものです。

もちろん、中には内容が素晴らしくて選ばれているものもあります。また、作者が意図的にわかりづらく書いているものもあります。ですので、全てが悪いわけではありません。

なお、今回用いた題材は、事例の部分が非常に長く、小論文とするにはかなりカットしなければなりませんでした。

国語との違い

小論文は国語の評論文などとは違います。おそらく、国語は筆者の意見をいかに読み取るかが重要であり、また基本的に題材の文章の範囲を超えてはいけないと思います。

一方、小論文では、むしろ題材を出発点として、深く関連しつつも文章に書かれていないテーマを追加することが良い論述になります。

小論文模試の活用方法

小論文とは、本来は欧米の大学の Essay などに近く、通常何ヶ月もかけて多くの本を読んだ上で書くものです。しかし、日本にはその様な教育文化があまりありません。これを行うと、実際にそのテーマについて相当深く学ぶことができます。

多くの場合、90分前後の時間で、1ページ程度の文章を読み、600〜800字の論述をする程度にとどまります。

模擬試験の制作者は、精一杯、一題の問題で多くの学びを得ていただけるように問題を作成しています。

活用方法としては、

・まずは試験対策として、時間内に書き切る
・次に、その文章を書き直す
・その題材に関連する本を読む
・また書き直す

できれば、1題で3〜6回書き直して欲しいと考えています。回数はそれほど重要ではありません。とにかく、まったく内容が変わるくらい書き直して欲しいです。

別の問題を解くのではなく、同じ問題を書き直す。

これが小論文の問題対策の秘訣だと思います。これをすることで、本番の90分位での時間で、他の受験生よりも良い論述が書けるようになります。

以上、模擬試験作問者からのアドバイスでした。
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