この記事では、競合他社に関する市場調査や資料作成に時間や労力がかかってしまうという悩みを持ったビジネスマン向けに、インターネットにある競合他社に関する情報を素早く収集し、整理するための具体的な方法について解説したいと思います。
市場調査や情報収集を効率的に行うためには、闇雲に情報を探し続けることは全くおススメできません。
効率的に競合他社の調査を進めるために、一歩立ち止まって調査の具体的な進め方をまずは確認しましょう。この記事では、準備段階として、競合調査をするためのフレームワークをエクセルで作成することを解説します。
このフレームワークは誰にでも作成できます。フレームワークを用意することで、誰でも外資系コンサルレベルのリサーチ、資料作成ができるようになります。
競合調査のステップ①:調査の目的とゴールを考える
まず、第一にやるべきことは今進めている調査の目的とゴールを設定することです。調査はあくまで手段でしかありません。調査の先に何があるのか考えましょう。
調査の目的としては、例えば、自社の経営方針を検討するため、新しい商品開発を行うため、マーケティング戦略を立てるため、補助金の申請のため、会議での報告のため、といった目的が挙げられます。
調査のゴールは何でしょうか。調査の目的が分かれば、自然とゴールも見えてくると思います。例えば、商品開発のために競合調査であれば、他社の製品を調査し、どのような点で差別化をすべきか明らかにする。別の例では、マーケティング戦略であれば、競合他社はどのようなマーケティング手法をとっており、自社はどのようなマーケティングの戦略をとるか明らかにする等といったゴールです。
競合調査のステップ①:競合となる会社を特定する
競合調査の目的とゴールを確認したら、次にやるべきことは「競合となる会社」を特定し、リストアップすることです。競合とは、一般的には「自社と類似する商品やサービスを提供する会社」と定義できます。一方で、「同じ顧客(市場)を共有しているか」という競合を見極めるうえで重要となります。提供している商品やサービスが、異なっていても、同じ顧客を共有していれば「競合企業」となり得ます。
例えば、喫茶店のA社とB社があったとします。A社はコーヒー1杯200円で、パンなどの軽食を提供し、駅やビジネス街を中心に展開しているとします。対してB社はコーヒー1杯が800円で、高級コーヒー豆を販売し、デパートと高級住宅街を中心に展開しているとします。この場合、A社とB社は客層が全く異なり、競合関係にあるとは言えません。A社の競合はファストフードなどの低価格帯の飲食店、B社の競合は高級専門店、洋菓子店等が挙げられるでしょう。
競合会社は少なくとも3~5社はリストアップすることが推奨されます。Excelを開いて、まずは縦に会社名をリストアップしましょう。
競合調査のステップ②:調査項目を設定する
次に調査する具体的な項目をリストアップしましょう。既に競合調査の対象となる企業は縦にリストアップしましたので、今度はExcelの横に調査項目をリストアップしていく作業になります。これで競合調査を行うためのフレームワークとなる「表」が完成することでしょう。
調査項目は目的によって異なりますが、主な項目は下記のような調査項目です。
基本情報
競合調査の基本となる調査項目です。
住所
設立年(創立年)
従業員数
財務情報(売上、利益等)
事業概要
主要なサービスや商品
ビジネスモデル
経営方針や課金モデルについて情報を取得する必要があります。
経営方針
事業規模
商品展開の手法
課金モデル
顧客層
集客方法
強み
商品・サービス
具体的な商品やサービスについて深く調査するには以下のような項目が必要となります。
取扱う商品名
価格
販売場所
競合調査のステップ③:フレームワークの完成
ここまでくれば、競合調査のフレームワークの完成は近いです。縦軸に競合調査の対象となる会社名をリストアップし、横軸に調査する項目を並べていきます。以下の画像は見やすいように図解にしましたが、実際はExcelで十分でしょう。Excelは最初から方眼紙のマス目が設定されていますので、簡単にフレームワークの表を作成することが出来ます。
リサーチ開始のステップ
フレームワークが完成したら、マスの中に情報を入れていくだけです。実際にデスクトップでリサーチを開始すると、取得できる情報はバラバラに取得できることが多いです。A社のサービス内容の情報を取得できたと思ったら、偶然見つけた記事にB社の財務情報も掲載されていた。このように、収集できる情報は順番がバラバラでインターネットに散らばる情報を1つの表に整理していく作業になります。しかし、このフレームワークがあれば、散らばった情報を1つの場所に集約することできます。
自分が欲しい情報がまとまっていることは稀です、大抵は別の場所に散らばっていることが殆どです。競合調査を通じて、経営方針やマーケティング戦略を立案するといっても、まずは現状の分析から始まります。
次の記事ではこのフレームワークを使用して、具体的な情報収取のやり方について解説したいと思います。