11番正義。
たいてい裁判官が剣を持ち、目を隠し、剣と天秤を掲げている絵柄です。
天秤はだいだい釣り合っていません……
伝統的には片方には心臓や魂、もう一方には鳥の羽が載っていることもあります。
釣り合っていてもいなくても、裁判官は判決を下します。
実は天秤は特に関係ない。…裁判官の主観により裁定は下ります。
剣は裁定を間違えないように、実は裁判官に向けられているのです。
さてと。正義とは何か……。
この裁判は「天国と地獄」がある国にある、
死後の世界の始まりにある儀式です。
日本で一般的に言われている「閻魔様」の裁判です。
死者の人生がどうだったか見極め、「神」や「仏」のお心にかなったかどうか……を見定めます。
「神や仏にとって、よかったかどうか」
目隠しにより公平を表している裁判官ですが、さて、どうでしょう。
そもそも神や仏は……公平でしょうか?
正義とは……極論だと…… 対立しあう主張がある場合、
自分や多数派にとって「正しい選択」になります。
それほど、正義とはあやふやなもの。
大声をあげて振りかざしても非常に利己的で意味のないもの、といってもいいかもしれません……。
たとえば「カルネアデスの板」という、殺人が免罪になる場面があります。
それは、二人のおぼれている者が、一枚の浮いている板につかまると両方沈むという場面で
すでにつかまっている者が後から来たものを突き飛ばして水死させても、殺人に当たらないというもの。
「緊急避難」という行為に当たるものですが……その助かった人は、その後の人生を楽しめたのでしょうか。
正義とは難しい概念です。 正義のヒーローなんて、ほんとうはいません……
その葛藤が、ヒーローものを面白くしているのですけどね。
さて、この絵のうさぎさんはわけのわからん秤にのせられ、無罪になろうとしております(目盛りが逆やん!あとで直すわ…)
タロットでは11番で裁かれたものが12番「つるされた男」で刑を受け、
13番「死神」でいったん死ぬ、という物語があるとも読めます。
では、土日あたりに「つるされた男」
…ウサギをつるすにはしのびなくニンジンつるした絵になってますが、なかなか凝ってますよ。お楽しみに。