儲かる投資家、損する投資家 No2

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マネー・副業
賢い投資家のアドバイス
損する投資家が、かしこいギャンブラーに与えた2つのアドバイス
「卵は1つのかごに盛ってはいけません」
「株は売らなきゃ損じゃない」
これに対して、賢い投資家は次のようなアドバイスをします。
「卵は1つのかごに盛るもんや」
「買値を憶えているうちは死んでいる」
丁度反対のことを言っているのです。
損する投資家のアドバイスは、
そこそこの効果を上げているのにもかかわらず。


私 :
卵を1つのかごに盛ることは、かしこいギャンブラーと同じで、一発勝負になってしまいませんか?
投資家 :
かしこいギャンブラーと一緒にしたらあかん。
だいたいかしこいギャンブラーは、卵に全財産を投資するんや。
ワシは卵になんか投資をしないからな。
損する投資家は、卵に投資をするとそれを落としたときに全部割れてしまう。
だから、複数のかごに盛ってそのリスクを回避することを言っているんや。
でも、賢い投資家は卵には投資しない。
最初に投資するのは「ニワトリ」や。
 ニワトリが産んだ卵を1つのかごに盛って、その卵から新しいニワトリを作り出すんや。
かしこいギャンブラーの卵は、「銘柄」を言うとる。
賢い投資家の卵は、「利益」のことや。
そして、ニワトリは「利益を生み出すこと」を言う。
まず、ニワトリに投資をして、少しの利益を出したら
それらを1つのかごに入れて貯めていく。
そして、ある程度貯まればニワトリにして新たに利益を生み出すものにするんや。
一番簡単な例を出すと配当金や。
1株400円の5円配当で2万株とすれば、
税金を引いて8万円の配当金が入る。
これを5年貯めれば40万、つまり1000株の株が買える。
翌年からは、84000円が配当金になるので、又5年後には42万となるから、1000株買える。
この場合、配当金が出る(利益を得る)のがニワトリで、もらった配当金(卵)を貯めていって、配当金が出るものを買って資産を増やしていくのが、   賢い投資家の考え方や。
もっと言えば、利益を生み出す仕組みがニワトリで、その仕組みにより生み出された利益が卵と考え、卵を集めて資金を生み出すものを買うことが、賢い投資家の投資と言うんや。
私: 
そんな気の長いことやっとれませんよ。
投資家: 
それは最初だけや。
ある程度流れができたら急に大きな資金になる。
「複利」で増やすようなイメージやな。
それにこのニワトリは、配当金だけじゃないのや。
いろんなニワトリを作ることができたら加速するんや。
私 :
利益を生み出す仕組みですか・・・・・(ようわかってない)
それじゃ。もう1つのアドバイス。
「買値を憶えているうちは死んでいる」はどういうことですか?
投資家:
それは、株式取引で言う利益は何かを考えたらエエわ。
利益は2つあって、1つは配当金のインカムゲインっちゅうのや。
私 :
もう1つは、取引で得るキャピタルゲインですわ。
  (それぐらい知ってるわ)
投資家:
そや。そのキャピタルゲインは、どうすればできるかわかるか
私:
それは・・・「差」ですわ。・・・・あっ、そっか!
買値を憶えていると言うことは、その値段がつくまで、その値段より上になるまで売らないということですわ。
だから、買値より下でいくら大きな動き(差)があっても買って売らないから得ることができない。
つまり、資金が凍結されて利益を生み出すニワトリにならないということですか
投資家:
そや。たまには、当たるんや。笑
私:
でも差があっても必ず儲かるとは限らんやないですか。怒
投資家:
それを、儲かる仕組みを作るのが、コントロール。
つまり投資家の2つ目の要素や。
賢い投資家は、投資家としての2つの要素、「中身」正しい中身と「コントロール」を兼ね備えているんや。
それらを理解する為に、株を2方向から見て正体を見抜き、本当に投資をするものを理解し、実行しているんや。

賢い投資家のコントロール
損する投資家と賢い投資家の違いは、コントロールにあると言いました。
本当は損する投資家が勘違いしている「中身を見る」も正す必要があるのです。
でも、概要は理解できたので、コントロールについて尋ねました。

投資家: 
コントロールはリスクを減らすことで目的を達成しやすくすることや。
リスクとリターンの関係を理解することやな。
リスクとリターンの関係は2つの方向から見ることができる。
両方とも正しいから良く考えるんやで。
リスク+リターン=0
リスク+リターン=1
まず、0になるときを説明すると、リスク(損)+リターン(儲け)=0と考える投資家がいるんや。
もちろん損する投資家の考え方や。
リスクを損、リターンを儲けと勘違いしておる。
つまり「株はゼロサムゲーム」っちゅうやつや。
私:
株で負けた人の金額と勝った人の金額を足したら0になる。
つまり、負けた人のお金を勝った人がぶんどっている。
と言うことですね。
投資家:
まぁ、そや。ちょっとちゃうけど、今はこれでもエエわ。
で、リスク+リターン=1が賢い投資家の考えや。
リスク(不確実なこと)+リターン(目的)=1
つまり、不確実なことが減ると、リターンが大きくなるということや。
例えばさいころで、1の目がでたら勝ちとする。
すると、不確実なことは2から6がでることで、目的は1がでることや。
つまりリスク(5/6)+リターン(1/6)=1
これが、1か2がでたらエエとなるとリスク(4/6)+リターン(2/6)=1
リスクが減ると、リターンが増えるわけや。
私 :
さいころは分かりましたが、株はどういう風にするのです?
投資家 :
株は、株価は数字や。数字は計算ができるやないか。
目的をイメージして、それが起こる確立と、それが起こらない確率を出してきて自分に有利になるようにするこっちゃ。
例えば前に東インド会社の話で10,000円で船と荷物を買う話をしたわな。
あの時は、船も荷物も5,000円にしたけど、たくさんの船が帰ってこようと思えば大きな頑丈な船を買えばいいので、船を7,000円、荷物を3,000円でもかまへんわけや。
そうすると、荷物は少ないから15倍の儲けも少なくなるが、その分たくさんの荷物が帰ってくるので、最後の手取りは多くなるかもしれん。
欲張って船を3,000円で荷物が7,000円なら、帰ってきたら儲けは大きいが帰ってくる船の数が少ないかもしれん。
これは、その時々で違うが、何回かの試験をして3,000円の船と7,000円の船で、平均それぞれ何隻帰ってくるかを出して、そのときの荷物の計算をして、一番効果の高いのを選ぶのがエエのや。
これがコントロールと言うもんや。
私 :
なるほど・・・・(って言っているけどまだ良く分かっていない。)
投資家 :
まぁ。
中身を見るのも、コントロールするのもすぐにはわからんやろ。
今日は、それぞれが必要で、なおかつ2つの方向から見る必要がある。
賢い投資家は、それぞれが分かっているということや。
ワシのようにな。
私 :
・・・・・・(最後の最後に自慢かえ!)
でも、その考えができたら、そんなに違うもんですか?
損する投資家でも儲けるようになるんですか?
投資家:
 ちょっとの考え方の違いで、ずいぶん違ってくるな。
例えばポートフォリオ。
損する投資家と、賢い投資家のポートフォリオを見たらすぐ分かるわ。
 今度ワシの取引を見ておいで、かまへんから担当の○○にはワシから言っとく。
君は自分のお客さんの資金の多い人の取引を見て、その違いを見たらエエわ。

ポートフォリオの違い
儲かる投資家と損する投資家の考え方の違いに戸惑いを感じた私は、投資家に尋ねました。
そしたら一番わかりやすい、ポートフォリオの違いを見るように薦められます。
先輩の顧客「投資家」が今までどのような取引をしてきたのかが気になり、お言葉に甘えて、見せていただきました。
それと同時に自分の顧客の中で一番資金が大きい方や最近動きがあった投資家の取引も確認しました。
驚いたことに自分の顧客のポートフォリオにはある特徴があり、投資家のポートフォリオにはそれがなかったのです。

投資家: 
どや。ポートフォリオを見てきたか?どんな違いがあった?
私 :
はい、見てきました。ちょっと気づいたことが1つだけありましたね。
私のお客さんは資金の違いがあるけど、
同じような現象が起こってるんですわ。
しかし、あなたのポートフォリオは全然違っていたというより、正反対のことが起こってるんです。
投資家 :
そやろ。これが考え方の違いでできた結果や。
で、どんな違いを発見したんや?
私: 
それは銘柄数でしたわ。
私のお客さんは結構たくさんの銘柄を持っています。
人によるけど、最低でも7~8個、資金の多い人は30も50もあります。
しかも、最近買ったのはそうでもないけど、以前に買った銘柄はほとんど20から30%以上の値下がりでひどいもんです。
手持ち銘柄のほとんどがそのような状態でしたわ。

しかし、あなたの銘柄は8つだけでしたね。
しかも5銘柄は3倍から5倍になっているじゃないですか。
結構長いこと持っているんですね。
最近買ったのはあんまり儲かっていないし、ちょっと値下がりもありましたね。

預り金は、私のお客さんはほとんどなく、あなたはたくさんありましたね。
でも信用の担保金になっていませんでしたが、どうしてですか?
あ、それからどちらも信用取引をされているけど、私のお客は買いがほとんどで、あなたは売りがほとんどでしたわ。
投資家 :
そや。これが結果や。
ワシの持ち株は値上がりが大きくて儲かっていて、他のは持ち株が値下がりして損をしているんや。
なぜこんなことが起こると思う?
私 :
え?そこまで考えてないです。なんでなんですか?
投資家 :
なんや。持ち株を調べただけで、最近の取引まで見んかったんか?
私 :
いえ。ちゃんと見ました。
でも・・・・あんまり上手じゃないですね。
私のお客さんは、利食い千人力で利食いをしています。
あなたのは、損切りがほとんどやないですか。
ただ信用の売りは結構儲かっていましたけど。
私のお客さんは損切りや現引きをしたり、まぁちょっと儲けて売ったりでしたけど・・・・
投資家 :
これは偶然やないんや。
必然的に起こったことなんや。
彼らが損する投資家で、ワシが儲かる投資家なんは、考え方を知っているかどうかや。
まず、なんで損する投資家のポートフォリオがこんなんになったか考えてみよか
私:
ん~。ま。株を買うときは大体複数買いますね。
資金があっても1つの銘柄に絞らずに3つ4つ買ったりします。
で、値上がりしたら儲けて売って乗り換えます。
信用取引は、動きのいい銘柄や仕手株の動きがあったときや
ニュースが出て寄り付きの買い気配に買うときが多いですわ。
後お金があったらすぐ買っちゃうますね。
信用で損切りや現引きするときは、お金がないから持ち株を売って充当していますわ。
投資家 :
そや。これか「卵は一つのかごに持ってはいけません」と「株は売らなきゃ損じゃない」の結果や。
仮に資金がたくさんあって10銘柄かったとしよか、で株は上がる下がるしかないから値上がりを50%として考えよ。
この場合10銘柄中5銘柄が値上がりして、残りが値下がりしてるんや。
損する投資家は、その儲かったほうの5銘柄を売って、別の銘柄に乗り換えるんや。
仮にそれは6銘柄にしよか。
で、同じように値上がりが50%として3銘柄が儲かるんや。
またまた3銘柄を売ったお金で4銘柄を買ったとして、2銘柄が値上がり。
次に2銘柄買って1銘柄が値上がり。
最後にその1銘柄があがらなんだら。すべて値下がりばっかりや。
それでも欲しいのが出てきたら、一番損の少ないのを売るんや。
現引きするときも値下がりの少ないのを売って現引きするんや。
そうなると値下がりのきつい銘柄がたくさん残る。
でも「株は売らなきゃ損じゃない」といつまでももっとる。

そのうち、やはり株を買いたいので信用取引で買うんや。
それも損を取り戻すため材料がでて高くなった銘柄や。
ばくちの仕手株に手を出してしまうんや。
それだけやないで、損する投資家は自分の投資した資金が目減りしているにも関わらず、値上がりした銘柄と少しの損切りをして、最終的に年間を通して利益がある場合もある。
だから税金を払わなアカン。余計に損するんや。
私 :
・・・・・・・(実は自分も同じです。)
投資家 :
で、こんどはワシのやけどな。
買い注文を入れるときは、それなりの数を入れるから、損する投資家と同じように分散投資をしてるように見えるけど、実はちがうんや。
ワシのは分散投資やなく、チャンスを多くしているだけや。
私: 
なんですか?そのチャンスちゅうのは?
投資家 :
もちろん倍になったり3倍になったりする株に当たるチャンスや。
宝くじも買わなんだら当たらんやろ。
私 :
・・・・ようわかりませんわ。
投資家 :
だからエエもんを買って倍になるために種をまいているんや。
しかし、損する投資家は中身を見ないでその会社が有名かどうかで買ってる。しかも高い値段で。
ワシは中身を調べて現在の株価よりも低い値段でなおかつ来期以降も業績がいいのを注文してるわけや。
でも、全部が上がるとは限らんわ。
だからその中から値下がりする銘柄が出てきたらすぐに売ってるんや。
反対に値打ちが低いし、業績が悪くなっているにも関わらず株価が高いのは信用で売ったりしよる。
時々自分の持ち株が値打ち以上に株価が跳ね上がったときに、信用で売ったりする。
そして、値下がりがあれば利益を取って、現金のままためておいて現物の資金にしよるんや。
私 :
だから値段の上がった銘柄だけが残ってるんですか・・・・・。
現金が多いのは損切りした銘柄の売却代金ですか・・・・。
よう儲かっているにも関わらず売ってないし、損切りが多いから税金も払ってないし・・・・。
(なんや段々腹が立ってきた。)
でも、買ったときはたくさん買っているのに、なんでこう違うんです?
投資家 :
それは考え方が違うから「電話のかけ方」まで違ってくるんや。
私: 
電話ですか?なんか特別なかけ方があるんですか?裏技とか?
投資家 :
あほなこと言うな。電話は普通にかけるわ。
しかし、頼んでることがちゃうんや。
私 :
頼んでる?

電話のかけ方
今でこそ、パソコンで個々の投資家が直接注文を入れられるようになっていますが、私が勤務していた当時の注文は、店頭にきて直接担当者に頼む、電話で頼むの2つ方法しかありませんでした。
私に教えてくれている投資家は店頭にはこられることはありません。
電話での注文でした。
しかし、その電話注文の仕方にも違いがあるようで・・・・

投資家 :
きみのお客さんから電話があったら、注文やなくて相談の電話があるときは、どんな内容が多いんや。
私 :
相談ですか?まぁ圧倒的に多いのは今、○○(持ち株)の値段、何ぼ?」と「なんかエエ銘柄ない?」って聞かれることですわ。
他には「最近、上がってきてる(下がってきてる)けど、なんで?」とか・・・まぁ、注文もらう途中で出てくる話やから、あんまり世間話はないですわ。
他の人から電話もあるし、電話かけなアカンし。
投資家 :
じゃぁ。注文をもらうときはどんなんや。
私 :
そりゃ。もう注文に関係することだけですわ。
銘柄名や株数や値段、後売りか買いかです。
早く注文入れんとできへんかったら怒られますからね。
無駄話なんかしておられませんわ。
投資家:
 暇なときは何してんのや。
私:
まぁ大体無駄話です。というか愚痴を聞いてますわ。
大体株が大きく下がったときは、電話もしませんしね。
同僚と話しているか、ボードをぼけーと見てるだけですわ。
時々店長の視線を感じで営業しているふりしてるくらいですわ。笑
投資家 :
でもそんなとき、君の先輩は何してる?
私 :
別に気にしてません。
特別なんかしているような気配はないですけど、なんかしてましたっけ?
あっ、そういえば株が下がっているときも手数料上げてますね。
すごい人ですわ。
投資家: 
多分、その日の手数料ほとんどワシのや。
私 :
でも、先輩も暴落の日は電話なんかあんまりかけてないし、あなたからの電話もとった事がありませんよ。
投資家 :
そりゃそうや。ワシはめったに電話なんかせいへんからな。
私: 
電話をかけなかったら、儲かるんですか?
投資家 :
まぁ、当たりやないけどハズレやないな。
実はワシはあいつにこう言うとるんや。
「買った株の値段が買値から2%値下がりしたら勝手に売っといて」ってな。
だから株価が下がりだしたら、買値から2%下の値段を見ながら値段がついたら注文を入れとるはずや。
こんな注文は、他に多分やっとるやつは他におらんから、全面安の日はワシの銘柄ばっかり見とるんちゃうか、笑
損する投資家は、だいたいが自分の買値から値段が上がらないと売らないから、買値を超えてきたら電話してと言っとるやろ。
でも、そんなときは、全体に株が上がっているときが多いから、営業マンは大変や。
いろんな人に電話せなアカンし、電話もかかってくる。
運よくつながれば注文が出せるが、せっかく高値が付いていても売りそびれてしまうんや。
まぁ、売りそびれてしまうのがエエか悪いかは結果を見るまではわからんけど。
私 :
売るのが一番難しいと言われます・・・。
投資家 :
売りも買いも簡単や。
中身をしっかりと見てコントロールをちゃんとやれば問題ないんや。
電話ひとつにしても考えて行動している投資家は自分の思い通りに取引ができる。
損する投資家は結果の良し悪しで判断して自分の思い通りの取引ができているかさえ気づいていないんや。
私: 
そんなもんですか。
でも中身とかコントロールとかは全然訳がわからないですわ。
具体的にどうすればエエのかも、思いつきません。
投資家 :
賢い投資家になるために必要な2つの儲かる要素が完全に理解できて、自分のスタイルにあった投資方法が築くことができたら儲かる投資家になる。
具体的なものは、賢い投資家になった時に自然と分かるようになるんや。
最初は2つの方向から見ることをやってみると株式市場にはたくさんの罠と言うか常識のような非常識があるから、それをきちんと理解することからやな。
私 :
非常識な常識ですか?

非常識な常識
本質を理解できておればおのずと行動もそれに順ずるような行動になります。
電話のかけ方などもその一つです。
しかし、なかなか思い浮かばない。思い浮かんでもやれないという方がほとんどです。
実はその方が「なまけもの」というわけではないのです。
自分の中にある常識があまりにも正しいように見えてしまって、他のことに目が行かないのです。
賢い投資家は、その部分を強く戒めて、あえて今ある常識を「非常識な常識」といっていました。

投資家: 
まず君が最初に行うことはこの「非常識な常識」から本当に正しいものは何かを知る必要がある。
それらは「道理」と呼ばれるもので普遍的な物を知るのや。
今自分が当たり前と思っていることについて、別の面特に機関投資家のようにたくさんの資金を運用している目で見ると良くわかる。
同じものを別の立場の人から見ても、基本的には同じはずや。
それが違って見えること。それを「罠」という。
この罠を知らずして、知識は積みあがらないからな。
私: 
道理ですか、これは普遍的なもので、どのような立場の人が見ても同じに見えるもんですね。
だから私と違い立場の人が見たときに同じように見えないということは本当の道理が別にあると考えて、それを見つけることをしろといわれるんですね。
投資家: 
そや。だんだんわかってきたやないか。
しかし口で言うのは簡単やけど、なかなか難しいんやで、特に君のように長い間べったりと使ってきた人間には大変や。
私 :
そうです。
今どこの常識が非常識なのかもわからんようになっています。
先程の「卵は一つのかごに持ってはいけません」の分散投資も、常識といえば常識です。
分散投資はどの本にも大事と書いていますしね。
投資家 :
ほら。ほら。ほら。自分だけの目で見とる。
まあ最初やからヒントをやろか。
実は分散投資は、大口の投資家の手法であって個人投資家のように小資金の投資ではないのや。
もし君がたくさんのお金、何千億円とかのお金を運用していると考えてみたらわかるわ。
私 :
そうですね。もし何千億円も持ってそれを一つの銘柄に投資したらえらい目にあいますわ。
毎日がストップ高で値段もつかないし、仮に値段がついても高い値段やし。
今度売るときは、毎日ストップ安で売れてもえらい損やし。
まぁ、のっとり目的で買うのやったらそれもエエけど、大損になりますね。
投資家 :
そや。
だから大金持ちは分散投資をしないと自分で自分の首を絞めてしまうんや。
反対に個人投資家のように小資金の投資家ならどうか?
私 :
仮に100万しかなかったら、よほどの銘柄でない限り1銘柄に全額投資しても買い気配にはならないでしょうね。
また分散して10銘柄買ったとしても手数料が割高でほとんど儲けが出ないです。
個人の分散投資は不利ですわ。
他にも自分が常識と思っていることはたくさんありますが、その別方向はなかなか思い浮かびませんね。
データを調べるには会社四季報とか、PERやPBRを調べて売買する。
他には買いよりも売りの方が難しいというのもあります。
どう見ても正しいですけど。
投資家: 
まぁいきなりはしゃぁないわ。
ゆっくり1つずつ考えたらええわ。

投資をする目的
賢い投資家から株を勉強する上で注意すべきは罠があるということでした。
私たちが常識と言うものは、実は非常識な部分も含んでいると言うことで、そちらを見ないと本質が理解できず、損する投資家になってしまうと言うことです。
分散投資の常識は、資金を沢山持っている投資家の常識であって、小口資金で投資をしている個人投資家にとっては非常識だったのです。
これらの常識を含め23ものの非常識を知った私は、何を信じればいいのか分からなくなりました。
数年間、常識と思い、信じて顧客に話してきたことは「損する努力だった」のです。
何をして、何を見たらいいのか?混乱した私に賢い投資家からの新たなアドバイスがありました。

投資家 :
どや?わけが分からんようになっているんか?
全部のものを一度に見るからわからんようになる。
そもそも1つのものと決め付けて全体を一言で語ろうとするからおかしくなるんや。
株を買うにしても、売るにしても要は単純なんや。
投資家になるために必要なものを、釣りで考えてみよか
まず、釣りをする場合、対象とする魚とその目的を決めないとアカンのや。
釣る事1つにしても、食べるため、売って儲けるため、スポーツとして楽しむため、等いろいろと目的がある。
その目的に応じた魚を選ぶやろ。
漁師は魚を売って生計を立てるから、1本の竿で2匹や3匹釣ってもアカン。
ごそっと網で沢山取らないとアカン。
ただの遊びで釣るのなら釣れたときの興奮を味わいたいから、それでもエエけどな。
株は儲けるということが目的やと言われるけど、何のために儲けるのか、いくら儲けるのか、儲けなくてもかまわないが自分の力を試したいのか、等の目的を明確にする必要があるんや。
だから、その目的にあった銘柄を探す必要がある。
目的が決まったら、その魚がいる場所にいくやろ。
池に着いたら、釣るための仕掛けを作ったり、魚の習性からどこに居そうか考えるんや。
私:
 株で言えば、これから買う銘柄がどういう銘柄か?はたまた売りから入るほうが良いのか?など投資する場所を選び、それに応じた注文方法を考えるということですか。
投資家:
 そや。で、その居場所やけど、株は4つの場所に住んどるんや。
「4つのフィールド」っていうものを考えたんや。
これが分かると変な常識に惑わされずに安心して投資ができるようになる。
私 :
なんですか? 4つのフィールドって。
投資家 :
まぁ、あせらんと。まだ話の途中や。
後でゆっくり説明するから待っとれ。
4つのフィールドが分かったら、ギャンブラーから知識を得たかしこいギャンブラーになる。
釣りも、ただの素人から知っている素人になっているのや。
私 :
株のルールを知ったと言う事ですね。
知っている素人の場合は、あそびの釣りみたいなもんですか。
投資家 :
そや。釣り人になろうと思えば、ここで1つの確認をしないとアカン。
言われたら分かりきったことやけど。
対象魚を「岩魚」「フナ」「マグロ」「アンコウ」としたら、習性を知る必要がある。
そして素人は、自分の目的(レベル)の魚を釣ろうとする。
最初は「フナ」くらいかな・・・
ところが、フナ用の竿と餌を持って行くのやが、清流に行ったり海に行ったりしているんや。
これでは、釣れへんわ。
「そんな馬鹿なことはしません」言う人もおるかもしれん。
しかし、株の世界ではこのようなことをしてる人がいっぱいいるんや。
私 :
正しいものを見ないといけないということですね。
確実に今自分はフナを釣るために、フナ用の道具と餌を持ち、フナのいる池の前にいると言うことを確認する必要があると言う事ですか。
投資家:
 これが、正しい「損する投資家」になるということや。
この段階で、釣れる可能性がある、しかし必ず釣れるとは言い切れんのや。
そこで、釣るために必要な戦略を立てる。
フナの住みからしき、流木の下に餌を投げ込み、おなかの空きそうになる時間を調べる。
それ以外にも、釣れる可能性のあることを全て試してみる。
これがコントロール。
どう転んでも儲かるようなコントロールをして、100%とは言えなくても近い数字をはじき出して投資をするのや。 これが「賢い投資家」や。
私:
 コントロールをして、釣れない理由を消していくんですね。
投資家:
 これを怠ると、前に釣れたからと言って「同じ場所に、同じ時間に、同じ道具で、同じ餌を持っていく。」と言うことをやりかねん。
それが「夏」ならエエが「冬」にやるとフナが釣れんのはあたりまえや。
で、最期にタイミングや。
魚が食いついたときに、クンとあわせて魚を針に引っ掛ける。
このタイミングをあわせる。
チャートがどうの、株価指数がどうのと色々といっているが、他の投資家は肝心のことが分かってない。
多くの投資家は、タイミングを合わせる事に必死やが、いくらあわせてもそこに魚がおらんかったら無駄やろ。
いても、魚の口よりも大きな針なら引っかからんし。
その魚の好きな餌で無いと食べへんし、お腹が大きかったら食べへんわな。
私:
結局、表面だけ勉強してもアカンと言うことですね。最初から最後まで理解して初めてタイミングのテクニックが生きてくるということですね。

4つのフィールド

株を釣に例えて、いろんな目的とその目的に合った釣り方が必要だと教えられました。
池の魚、川の魚、海の魚、同じ道具では釣れません。
同じ考え方では釣れません。
その前に、正しい道具や考え方が必要となります。
では、株式投資の株の位置はどうなのでしょう。
株はどのような住み分けをしていて、それぞれどのような性格があるのでしょうか

私:
 株は池や川、海などのように場所や住んでいる種類が違うような分け方ができるんですか
投資家 :
分ける原因はいろいろあるが目的が大事やな。
釣師の目的がそれぞれたくさん釣って売って儲ける。
少しでも釣れた時の感触を味わうなどと同じように個人投資家の目的を明確にしないと、正しい情報は得られへんからな。
どんなふうな分け方があると思うか?
私 :
そうですね。まず大型株と小型株。
一部上場とそれ以外。
輸出株と輸入株。なんかがありますね。
投資家:
 そや。でもどんな株を探したいと思っているかが大事や。
そこで儲かる要素や。
儲かる要素は中身を見ること、コントロールをすることや。
貿易で投資をするお金を船と荷物に分けるのと、無事に戻ってくる確立とその結果の儲けや。
大きな船は安定しているけど荷物が少なくなる。小さい船は荷物は多くなるけど戻ってくるのが少ない。
このところを目的として考えると、お金をかけられるかどうか?と荷物が多いか少ないか?の2点が考えられるやろ。
つまり、値段が高い株と安い株。中身が良い株と悪い株。に分けられるんや。
で、高い株でも中身が良いのと悪いのがあり、安い株でも中身が良いか悪いかがある。
私 :
それで4つのフィールドに分けられるんですね。
投資家 :
そや。第1フィールドは、値段が高く内容が悪い。
第2フィールドは、値段が安く内容も悪い。
第3フィールドは、値段が高いが内容が良い。
第4フィールドは、値段が安いのに内容が良いのや。
私 :
でも、値段が高いや低い。内容が良いか悪いって、どこが基準なんですか?
投資家 :
だんだんわかってきたみたいやな。
この質問が出るということは正しい損する投資家になってきている証拠や。
もういっぺん君の顧客の話していることを聞いてきい。
どんなふうに電話をかけてきたり、相談したりきているのかを知ることでわかってくるんや。
仕事をしているときには、このあたりに気をつけるんや。

株価の「高い、低い」の基準

中身を見ることに混乱しかけたときに1つのアドバイスがありました。
4つのフィールドで判断しなさい。
それぞれの株は同じ種類のものばかりではなく、それぞれの特徴を理解して投資をしないとフナを釣る道具でマグロを釣るようなものと教えられました。
当然フナの道具ではマグロは釣れません。
しかし、4つのフィールドを理解するには「値段が高いと値段が低い」「内容が良いのと内容が悪い」を理解する必要があります。
そこで、値段の高いと低いの基準はと聞いたところ、「顧客の話を聞いてくるように」と指示がありました。

投資家:
 どや。どんな話がでた?
私 :
はい。相変わらずいつもどおりの話です。
銘柄を紹介してや今の値段の問い合わせ、受け渡しの日時の変更に伴う相談。
注文時は、値段の訂正や信用枠の相談などです。
注意して聞いていたのですが、値段の基準になるようなことは何も無いようでしたが・・
投資家 :
そうか。まだそこまでのステージに上がっていないか。
いつもの話でも、君の投資家としてのレベルが上がるにつれ、いままでなんでもなかったような言葉も新たな発見があるはずやけど、そのステージまで(正しい損する投資家)までのところに到達しておらんとわからんからな。
私 :
そんなもんですか・・・・。
でも話のどのあたりを意識したら良いのかさえわかっていないようです。
投資家:
 まぁ。しゃ~ないわ。もう一度考えていこか。
考え方は3つの考えを試してみるとエエから、今度はこの3つを意識して仕事をしてみ。
1つは「例えて言うと」、2つは「原因と結果」、3つ目は「反対のこと」の順や。
1つの調べたいことが決まると、そのことが他の例であらわせないかを考える。
そして、結果が出たときはその原因との因果関係を調べる。
最後に「もし・・・でなかったらどうなるか」を考える。
値段で言うと、例えばA銘柄を勧めるにあたり、値段などの条件は同じにしてBさんに勧めた場合とCさんに勧めた場合を考える。
Bさんは注文をもらって、Cさんはもらえなかったら、それぞれの因果関係を調べる。
もし、それぞれに売買の結果が反対ならどうなるか。
本来なら買えていたのに買っていなかったら、買う気がないのに買っていたら・・・・ちゅう感じや。
私:
 そういえば、以前ある銘柄を勧めていたんですが、そのときは500円くらいだったので、「高い」と言われ注文をもらえませんでしたが、同じ銘柄が安くなった時(悪材料が出たり業界に大きな材料が出たわけではありません)に420円くらいで勧めたんですが注文をもらえませんでした。
しかし、その後580円になったときは「安いから買っといて」と注文をもらいました。
その間2ヶ月もたっていませんでしたし、材料も出たわけではなかったんですがね。
投資家 :
そや。そこや。
仮に同じ銘柄で特別な要因が無くても500円を高いと思うし安いとも思う。その言う結果が出ている。原因はいったい何や。
私 :
・・・・・。
投資家:
 その人は580円で買ったんやが、もし買えなかったらどうしたと思うんや?
私 :
多分、600円くらいまで値段変更して買いに行くか、注文を成り行きにしたと思いますけど。
そのときは勢いがあったから・・・・・。あ、そっか。
値段と言うのは数字の大きさやなしに「勢いがあるかどうか」ですか?
投資家 :
それもある。しかし、金額も大事や。数字ははっきりするからな。
勢いがあるかどうかは、ひとそれぞれの感覚によるもんや。
数字は誰にでもはっきりする。
459と458は誰に聞いても459の方が大きいと答えるやろ。
私 :
じゃぁ。何と比べて大きさを判断しているんか、やっぱり分かりません。
投資家 :
それじゃ。君は最近ちょっと肥えて来たようやけど実際はどうや。
私 :
あ、分かります?実は最近ベルトの穴が1つ移動しまして・・・。
ちょっときついんですわ。
でもがんばって少し痩せたんです。これでも。
投資家 :
太ると痩せるの判断は、今の君の場合何を基準に言ってるんや。
私 :
そりゃ。最近の私の体重の推移やないですか、1月前から徐々に増えていって、最近ダイエットで少しだけ減ったんです。
投資家 :
と言うことは、例えば君の体重が75キロとして、それが77キロになり80キロになった。
で今は77キロとした場合、君は痩せたと思っているんや。
75キロから77キロになったときは太ったとおもったやろに。
私 :
そうです。その通りです。・・・・株も同じですか?
投資家 :
これが高い低いと言うことや。
私 :
でも具体的にどうですかね。
仮に数字がでてもやっぱり基準がないと比べられないやないですか?それともそんな基準があるんですか?
投資家 :
あるんや。それが。
もう一度、注文をもらったり相談したりしたときにこのことを考えて、顧客と接してみい。
私 :
分かりました。とりあえずなんか、糸口は見えましたが・・・・。はい。

13週移動平均線

4つのフィールドの分類の要素、株価の高い低いを考えるにあたり、賢い投資家のアドバイスは3つの順番で考えるというものでした。
1つは「例えて言うと」
2つは「原因と結果」
3つ目は「反対のこと」
の順番で考えることでした。
その結果「勢いがあるのが高い株、ないのが低い株」と答えたのですが、どうも違ったようです。答えがでないまま普段の仕事に戻ることになりました。

顧客A:
 神吉君、○○を3,000株買って、値段は1,200円でな。
私 :
はい。分かりました。でもこの○○、最近900円位を底にエライ値上がりしていますけど、いいんですか?
顧客A:
 かまへんわ。まだまだ上がるゆうてたし。
私 :
誰がそんなこと言っています?
顧客A :
D証券の営業マンや。1,500円まであるっちゅうてたわ。
私 :
なんか材料でも出たんですかね。
顧客A :
そんなん知らんけど、はよ出して。買えんと困るやろ。
(数分後)
私 :
Aさん、1,200円で3,000株買えました。今は1,220円です。
顧客A :
そうか。ありがとう。
私 :
でも、ほんまに1,500円行くんですかね。結構上がっていますよ。
顧客A:
まぁ、来たら来たでエエわ。こんかったらしゃーないし。優良銘柄やし、しばらく持ったら儲かるやろ。
(数日後)
顧客A :
神吉君。○○はいまなんぼや。
私 :
あれからあんまり動きませんね。現在1,140円ですわ。最近勢いがなくなったようですね。
顧客A :
大丈夫やろ。
ちょっと上がったんで利食いの売り物をこなしているだけや。
また、一段と上がるエネルギーを貯めてんのやで。
私 :
ならいいですけど、出来高も少ないし。
顧客A:
 でも、押しも少ないわ。これが1,070円くらいを下げて来たら困るけど。
私:
 1,070円を下げたら困るって?1,070円って移動平均線のことを言っているんですか
顧客A :
そうや。この線を越えてきたら、なんか下がったような気がするわ。
私:
 そんなもんですかね。(今でも下がっているんやけど・・・・)
顧客A :
ま、大丈夫や。このへんまではみんな我慢しよる。
その夜・・・・・
私 :
今日はお客さんとのやり取りで、高い低いがなんとなく見えました。
ひょっとして13週移動平均線が基準ですか?
今の値段が高いか低いかは、数字で出しても決まりません。
何かと比べないと出ないですよ。
例えば私の身長は180あります。
しかし、プロのバレーボールの選手に混じると小さいです。
小学校に行くと「背の高いおちゃんが来た」といわれます。
同じ数字でも比べるものが、違うと答えが違ってきます。
だから他のものと比べても無駄で、比べるものは自分です。
ところが、生まれた私と比べたら背が高いのは当たり前、1秒前と比べても変わらない。
あまり近くでも、かなり遠くでもアカンから、そこそこ近く。
株で言うと13週間の平均線ぐらいかと思ったわけです。
投資家 :
そや。実は13週移動平均線が4つのフィールドの分岐になるんや。
よう分かったな。
私 :
ええ。お客さんがこの線までは「みんな我慢しよる」って言っていました。
値段ではなく、感覚的にそう感じるような数字ってあるんですね。
みんなが同じように考えて動けば、おのずと同じ結果が出るやないですか、そのへんで思いついたんです。
投資家 :
ちゃんと3つの順番で考えたんや。
それじゃぁ。今度は「エエか」「悪いか」やな。

良い企業と悪い企業

株価の高いと低いが分かりました。高い低いのように比較をするときは、基準になるものが必要です。
しかし、その基準は株式の場合「自分」を基準にしないといけません。
業界の平均などと言う数字は、いったいどんな基準なんでしょう。
もし、全ての企業が同じ時期に上場し、資本金や得意先などの同じ条件でスタートした場合は、その平均は基準になります。
しかし、企業はいろいろです。同じ電機の会社でも規模の違うもの、扱っている商品の違うもの、色々です。そんな集まりの平均はなにも役には立ちません。
(1年から6年生までの平均値と比べてそれぞれ背が高いか低いかといっているようなものです。もしも、業界の平均を使うのなら、ある程度のグループ内での平均になるかもしれません。例えば小学5年生の男子の平均と小学5年生の男子生徒それぞれを比べて高いか低いかのような場合ならいいと思います。)
自分の値段が高くなったのか、低くなったのかが問題です。
その基準は、過去のそう遠くない値段の平均。
つまり13週移動平均線だったのです。
※今は、高い低いを13週移動平均線では見ていません。これよりもはっきりとした指数を見つけました。

次は良いか悪いかです。実はこの問題の答えは自信があったんです。
あまり考えずに投資家と飲みに行く日が来ました。

投資家 :
どや。4つのフィールドの良いか悪いかの基準はなんか分かったか?
私:
 任せて下さい。企業の良し悪しは儲けさせてくれるかどうか。・・・ではないですね。
結構私のお客さんが言われるには、「良い企業と悪い企業は儲かるかどうかや。」って言います。
本当は企業の使命が「儲ける」ことだから「利益がある企業かどうか」もっと言えば「黒字か赤字か」と言うことです。
投資家 :
ん~。半分やな。
私 :
え!違うんですか?てっきり当たりやと思ったんですが・・・・
投資家 :
いや。外れやないが、当たりでもない。
近いのやけど、もうちょっと踏み込んだら当たりやな。
私 :
・・・・・(これで当たりやと思っていたから、なにも考えていない。頭、真っ白)
投資家:
 君。簿記って知ってるか?
私 :
エエ。学生のときに資格を取りましたから、簡単なことならまだ覚えています。
資格を取ったものの全然使わないんで、ほとんど忘れていますけど。笑
投資家 :
それなら話は早い。
君の言う黒字と赤字は「当期純利益」のことを言っているんや。でも利益は色々ある。会社の利益ってなんや。
私 :
え。そんなん急に言われても・・・今度までに調べてきますわ

4つの要素

企業が良いか悪いかは「儲ける」と言うことが前提だけに、黒字と赤字が良し悪しを決定すると思っていましたが、実はそれよりも深いところに判定要素があったようです。
簿記の利益を調べ、その意味を理解して初めて会社の儲けがなにかを知ることとなります。
それはそのまま、4つのフィールドの良し悪しのフィールドを知ることとなるのです。

投資家 :
どうや。簿記の利益を調べてきたか?
私 :
はい、いろいろと本屋で立ち読みをして見てきました。
資格を取っても結構忘れているんですね。
四季報にも載っていたんですが、気にもしていなかったから分らなかったんです。
利益は、「総売上利益、営業利益、経常利益、税引き前利益、当期利益」です。
まぁ、そのまま赤字の場合は利益が損失になりますが。
投資家 :
そや。で、それぞれどのようなもんや。
私 :
それぞれに式がありました。
総売上利益=売上-仕入原価
営業利益=総売上利益-販売費及び一般管理費
経常利益=営業利益-営業外費用(営業外収益の場合はプラス)
税引き前利益=経常利益-特別損失(特別利益の場合はプラス)
当期利益=税引き前利益-配当金、役員賞与等
投資家:
 式はエエわ、それぞれどんなもんや。
私 :
え!。どんなもんやと言われても・・・これだけしかメモってないし。
投資家 :
別に簿記の試験をしているわけや無いから、式だけ分ってもアカン。
なんの意味があるかを知らんと、調べたことにならやんやろ。
今日は「会社の儲け」はどの利益になるかを調べるんや。
それぞれの意味が分らんとどれが会社の儲けかわからんやないか
まぁ特別大サービスや。それぞれはこんな感じや。
 例えば魚屋があるとしよう。
鯛が売れて1万円のお金が入ったとする。これが売上や。
しかしこの鯛は市場で5千円で買ってきたもんや。払ったお金を引かなアカン。これが仕入原価。
そして、売上から仕入原価を引いた残り10,000-5,000=5,000円が、総売上利益、つまり鯛の儲けや。
次に、鯛を売るために色々お金がかかる。チラシを出したり、アルバイトを雇ったり、腐らないように下に氷を敷いたり。それぞれの費用が販売費及び一般管理費。これを2千円としよか。
総売上利益から販売費及び一般管理費の2千円を引いた残り、5,000-2,000=3,000円。これが営業利益、つまりお店の儲けや。
 お店を出すときに銀行からお金を借りたとしよう。それの利息が2千円かかるとする。また、儲けたお金を銀行へ預けて利息千円を貰ったとしよう。それぞれが営業外費用と収益。
営業利益にそれぞれを引いたり足したりで、3,000-2,000+1,000=2,000円が経常利益。
これが会社の儲けや。
 次に、税引き前利益は経常利益から特別損失や利益を引いたり加えたりする。
特別損失は字のごとく特別なことやから、毎月起こらんのや。朝、バイクで仕入れた魚を運んでいるときにカーブで紐が切れて魚がばら撒かれたような場合や。
ひろって洗えばまだ売れるけど、車に引かれたらもうアカンやろ。
そうなるとエライ損や。でも一度そうなると気をつけて紐をしっかりとしたものに変えるか、もしくは車にするわな。今回は500円の損があったとしよか。
2,000-500=1,500円が税引き前利益。
最期は、これから税金、配当金等を引くと当期利益、今月の儲けになる。
この引く順番をよく覚えておくんやで。
私 :
と言うことは、経常利益を見ておくんですね。
これがプラスなら良い会社、マイナスなら悪い会社と言うことですね。
投資家:
 ところがそうやないんや。
会社の良し悪しは4つの要素を見る必要がある。
経常利益は、そのうちの1つや。後3つ。「売上」「資産」「負債」がある。
私 :
先ほどの話は損益計算書P/Lでしたけど、貸借対照表BSのことも見るんですか
投資家 :
え、そんなことも知っとったか、こりゃ、ちょっとびっくりやな。
私 :
まぁ、これくらいは・・・・。(ちょっと得意)

財務諸表のポイント

企業の良し悪しは、4つの要素を調べると教わります。売上、経常利益、資産、負債。
これらは、財務諸表と呼ばれる企業の中身を知らせてくれるものでした。
財務諸表は、損益計算書、貸借対照表、他に分けられます。他の部分も大事なデータですが、特に大事な2つの説明を受けました。
それぞれが、どのような時に良い企業か悪い企業かを知る必要があると言うのです。

投資家:
 損益計算書と貸借対照表を知っとるとは思わんかったが、それぞれどんなもんや。
私 :
損益計算書は企業の通信簿のようなものです。
1年間どれくらい儲かったかがわかる成績表です。
貸借対照表は、体力測定のようなものです。
どれくらいの体力があるか、無駄な脂肪がついていないか、弱いところがないかを知ることが出来ます。
投資家 :
完璧やな。それじゃ、2つのものはどのように関係しあうのや。
私 :
関係?あっ。それぞれ出てきた利益の金額があっていたら、帳簿がきちんとつけられているということです。
後、貸借対照表の右と左の合計が同じにならないといけないと言うことです。
バランスシートと呼ばれるくらいやから、バランスがとれんとアカンらしいです。
投資家 :
せやから、簿記の試験と違うちゅうてるやろ。そんなこと聞いてへん。
どうなったら良い会社か悪い会社かわかるんや。
私 :
ん~。(売上が上がらんことには話にならんから、売上が高くなり、利益が上がらないとアカンから、これも高いのがええし、資産はお金や土地やから多いほうがええ。負債は借金やから少ないにこしたことはないしな・・・・でも、高い基準と少ない基準がわからん。とりあえず、答えとこか)売上が多くて、経常利益が多くて、資産も多くて、負債が少ないのが良い企業、反対が悪い企業ですわ。
投資家:
 そや。で、4つの要素の関係は?
私 :
・・・・・・(そら来たわ。たぶんゆうと思った)
投資家 :
わからんときは3つの方法で考えよか。
まず例えばは、売上を君の給料、経常利益を貯金できる金額、資産は通帳の残高。負債は住宅ローンと考えるんや。
それで原因と結果、因果関係を考えたり、反対のことを考えたりするんや。
私:
 それなら、給料が多いにこしたことがないです。
自由に使えるお金が多いと生活が豊かになりますからね。
・・・・ひょっとして生活が豊かになることが良くて、それじゃなければ悪いっていうことですか?
4つの要素を考えて結果良い生活なら良い企業。生活に苦しくなるような悪い企業ですか?
投資家 :
そや。そのとおりや。じゃ。それぞれの関係は
私:
 給料が多いと貯金できる金額も多くなるから、通帳に貯まる。
貯まったお金で住宅ローンを繰り上げ返済したら、翌月から支払う金額が少なくなるから余計に貯める金額が増えるから生活が良くなる。
でも、給料が上がっても贅沢してお金が残らなかったら通帳の金額は増えないし、足らないときは引き出さないといけなくなる。
給料が多少減っても、節約してお金が残せたらだんだん豊かになるから、ようは全体のバランスが大事ということですね。
(このバランスの中に、損に導く罠が仕掛けれていたんです。これには私も良く引っかかりました。個人投資家が損をする1つの要因になっているのです。)
投資家 :
そや。バランスや。バランスはいつも釣り合っているとは限らんから、いろんな場面がある。
しかし、結果生活が豊かになる傾向ならそれは良い企業と考えるんや。
私:
 これで4つのフィールどの分類が出来ました。しかし、位置はぼやけていませんか。
例えば第1フィールドは、高くて内容が悪い企業です。
移動平均が200円として現在300円でも400円でも高いです。
内容が悪いにしても、ちょっと悪いのとむちゃくちゃ悪いのがあるやないですか。そのあたりはどうですか
投資家 :
そこで前に言った話が役だつ。株主の権利を思いだすんや。
私 :
それぞれたいした物やなかったはずですが、別の面から考えたり3つの方法で考えたら何か見えてくるんですか。

株主の権利(本当の正体)

4つのフィールドの株価の高い低い、企業内容の良い悪いの区別の仕方が分かったので、個別銘柄がどのフィールドにいるかを調べることが出来ます。
しかし、同じフィールドに居る銘柄の差は無いのでしょうか?
株価が高いといっても、高すぎるとほどほど高い。企業内容の良いのもかなり良いと少し良いのような場合はどうして見分けるのか?
株価の高い低いは、理想価格を基準にするそうです。
では、理想価格とは・・・・これは以前お話した「株主の権利」だそうです。

投資家:
 株主の権利は3つ。それぞれなんや?
私 :
はい、配当金、議決権、残余財産分配権です。これらで理想価格が出るんですか?
投資家 :
そのままじっと見ていても出てこないわ。
それぞれの内容を考えて、どういうものかをよく考え。
ヒントは配当金と残余財産分配権で理想株価。
議決権で企業内容の良し悪しが分かるんや。
私 :
じゃぁ。配当金と残余財産分配権で理想株価から考えます。と言っても・・・
配当金は少ないし、残余財産は倒産したらあらへんし。
・・・・わからん。
投資家 :
まず、残余財産分配権っていったいなんや。
私 :
会社が解散したときに残った財産を株主がそれぞれの持ち株の比率でわけわけします。しかし・・・
投資家:
 君は会社の解散を倒産と勘違いしてないか?解散と倒産はちゃうで。
私 :
へ?一緒と違うんですか?
投資家 :
倒産は赤字になって資産よりも負債の方が多くなった場合。
黒字でも借りてたお金を期限までに返せなかった場合がある。
しかし、解散はいつでも出来ることではないけれど、自由にできるんや。
私 :
解散は辞めたくなったら辞めることですか?
投資家 :
そや、ちょっと社会上まずいけれど無いことはない。
ゲームソフトの会社で一発当てるまで仲間が集まり、ひとつのソフトで大儲けしたら会社を辞めて、それぞれがお金を持って自分の好きなことをやるスタイルもあるんや。
私 :
でも今ある上場会社が辞めるのは無理やし、それは無いから「解散したと仮定して」の話でいいんですよね。理想価格やし。
投資家 :
まぁ、そや。で、仮定していったいどのような金額が出るんや。
私:
 まず、持っている土地などを売ってお金にして、借金を返したら残ったお金を分けるんです。
だから、資産から負債を引いたのが分けるもの、つまり資本ですか。
その資本を株数で割って、1株あたりの資産を出したのが理想価格ですね。
投資家 :
そうや。これが理想価格の片方や。もう1つは配当金やな。
私 :
例えば1株あたりの資産が500円として、配当金が5円としたら理想価格は505円ですね。もし、今の株価が550円やったら45円高いことになるんか・・
投資家:
 ちゃうちゃう。なんでそのまま足すんや。
1株配当が5円やからと言って足したらエエもんとちゃう。
配当金もちゃんと値段がついてんのや。
私 :
え。5円は5円です。なんで間違いなんですか?

配当金の値打ち

株の理想価格を出す上で株主の権利を考えることとなりました。企業の内容は残余財産分配権と配当金で計算されると言うことです。
残余財産分配権は1株株主資本を見ると言う事で、そんなに難しくはないようですが、配当金はちょっと一筋縄ではいかないようです。
5円配当だから5円プラスするというように簡単にはいかないようです。

投資家 :
配当金は、1株あたりの配当金が5円としたら5円の値打ちしかないと思ったら大間違いや。
もし株価が500円の銘柄が2つあるとして、1つは5円配当、1つは10円配当とする。
企業の内容が配当金以外まったく同じと仮定したらどっちがエエんや。
私 :
それは当然10円の方を選びます。
5円の方は5÷500×100=1%で、10円の方は2%の配当利回りがありますからね。
投資家:
 株を債権として考えたか。まあそれでもエエ。
つまり1%の債権と2%の債権は2%の方がたくさん利息がもらえるので、値段が高くなるやろ。
つまりこれが金利の値段。
株で言えば配当金の値段、値打ちやな。
私 :
債権の場合は満期日があるので、残った日数を考えて今の金利情勢とほぼ等しくなるように計算して値段を出すことができます。
しかし、株は満期が無いやないですか、これじゃぁ計算できないですよ。
投資家 :
まぁそれはそうやが、完璧な計算でなくてもほぼ間違いの無い計算ができるんや。
さっき、君は「株は満期が無い」と言ったわな。
ここを考えるんや。前に配当金はいつ支払われるかを話したと思う。税引き前利益から、税金を引いて、配当金を引いて、役員の賞与等を引くと言ったはずや。
つまり、役員(社長)は配当金を支払った後でないとボーナスを貰えないということや。
「ボーナスなんかいらん。」という役員がおれば問題ないが、ほとんどの人は「欲しいはず」だから無理にでも配当金は払うはずや。
赤字にならんかぎりな。
まぁ現実的には、赤字でも配当金を払う会社もあるが、基本はこんなや。
だから黒字である以上、半永久に配当金はもらえるんや。しかし、そんなに君は生きてないやろ。
私:
 そうですね。何百歳も生きられないです。
投資家 :
だから生きている間に貰えるものはもらいたいはずや。
そこで、将来貰えるはずのものを「今」もらうとするとどうなるかを考えるんや。
君の扱っている商品に似たようなものがあるけどな。
私 :
えっと、それって割債のことですか?ワリコーやワリノーみたいな。
確かにこれは来年の満期に貰える1万円のために「今」9,980円ほどを出して買うもんです。
興銀からすると来年の一万円を支払うから今9,980円頂戴と言っているようなもんですね。
利息の先取り方式やと習いましたが・・・・
投資家 :
そや。5,000円の配当金で来年から出ないなら、その配当金の値打ちは5,000円や。
しかし、来年も5,000円でるとして、それを今もらうときに4,990円とすると配当金の値打ちは、9,990円。
1株あたり9.99円や。
再来年も5,000円貰えるとしてそれを今もらったら4,980円とすると、14,970円で14.97円の値打ちと言うことや。
先へ行けば行くほど小さくなるやろ、で、限りなく0円に近づくまで足して行くと何ぼになるか?これが配当金の値打ちなんや。
私 :
でも、そんなややこしい計算、いちいちやっとれません。
でも・・・・・なんとなく意味はわかりました。値打ちが5円でないことは。
投資家 :
ややこしいか・・・。まあ確かにな。
でも簡単な計算ででるんやで。
・・・・・・・・こんな感じやな。
私:
 へ?そんなんで出るんですか、これなら電卓1つあったら計算できますね。

理想価格の計算式

株の理想価格は、株主の権利から導き出す「企業価値」です。特に数字的な企業価値は「残余財産分配権」+「配当金」の計算式で表されます。
残余財産分配権は、1株株主資産のことを表します。それに配当金を足すのですが、ただ1株配当金を足すのではなく、配当金が半永久に貰える権利を足すことなのです。
では、その権利の式は・・・・

投資家:
 配当金が半永久的に貰える権利が配当金の値打ち。
5円配当と10円配当で他の要素が同じ場合は当然10円配当の方がエエにきまっとる。
それは権利の式を見たら簡単にわかるんや。
私 :
こんな簡単に出せるんだったら誰しもその値段を基準にするはずですが・・・
1株配当÷金利=権利の値段。って、簡単すぎますよ。
もっとややこしいと思っていました。
投資家 :
そや。簡単なんや。でも、あまり知られていないんや。
知っている人はいるはずやが余り話をしない。
ここで問題になるのが以前言った「証券会社には、かしこいギャンブラーと損する投資家しか居ない」ってことや。
こんな話をしても目の前にある常識を正しいと思い、そう見えているうちはアドバイスをしても聞こうとしないんや。
私 :
そうですね。私もこの話は初耳です。
こう見えても証券マンの端くれですから一通りの知識は得ているはずです。本もそこそこ読んでいるんですが・・・。
投資家 :
ある程度のステージに上がってこないと、見えるものも見えないんや。特に相場をやっている人はなかなかステージに上がる余裕も無い。
私:
 ステージって言うのは何ですか?
投資家 :
例えば君が今「戦場」にいるとする。
そして照準の合わない銃を持っている。
そこで君は「このままでは弾を撃っても敵に当たらない。
ここで分解してきちんと組み立てるんだ」と言って、まさに撃ち合いをしている最中に組み立てしなおすんか?と言うことや。
私 :
そんなことしてたら、撃ち殺されてしまいます。
照準が合っていようがいまいが、とにかく撃って応戦しないと・・・。
そんな暇なこと出来ません。
投資家 :
そやろ。組み立てなおすのがいいと思っていても、・・・考えも思いつかないかもしれんが・・・・その場では無理と言うもんや。
もしそう言うアドバイスをして、理解してもらおうと思ったら「戦場でないところ」で話をしないとアカンのや。
相場の無いところでないと、また、非常識な常識を「常識」と思ってしまわぬうちに、思ってしまったらその誤解を解いてからでないとダメなんや。
要は習う準備ができないとアカンということや。
私 :
そういう場所がステージなら残念ながらありませんね。
証券会社はまさに戦場ですし、株の勉強会やセミナーで話されていることは「ルール」か「非常識な常識」だけですし。
特に専門家と言われる「証券会社のエライさん」や「〇×投資顧問のエライさん」は個人投資家に向かって話していませんからね。
投資家 :
まぁ、それもしゃ~ないわ。
それぞれに「雇われ社員」やからな。上の気に入らんことを言うと次からは使ってもらえなかったり、首になったり。
どうしてもシナリオどおりになってしまうわ。
私 :
・・・・・・・。(自分も雇われ社員やから・・・複雑や)
ところで、話は変わりますが、もう1つの権利「議決権」っていったい値打ちとどう関係するんですか
投資家 :
ん~、これについては賢い投資家にならんと理解しにくいのや。
コントロールが分らんとアカン。
まあ、後の楽しみに取っておこか。
私 :
そんなもんですか。じゃぁ、次はコントロールですね。

正しい「損する投資家」までの話
 ここまでの話ではギャンブラーの個人投資家がステップアップをする段階で、かしこいギャンブラー、損する投資家と進んでいくときに必要な要素を話してきました。
 まずは、株式のルールを覚える事で、ギャンブラーはかしこいギャンブラーに成長します。しかし、そのときに覚える要素は「非常識な常識」を含んでいるのです。
 「非常識な常識」は23個あり、それらを2方向から見ることで、その真意を確認したかしこいギャンブラーは「株の中身」を知る事になります。
 本当に見るべきものは「株主の権利」から計算されたものです。
 それらを4つのフィールドに置くことで、視覚的にも状況を把握する事が出来るのです。
ここまでで、私自身もハマっていたのですが、個人投資家には大きな壁があることに気づいてほしいと思います。
 株は難しい。株はばくち。簡単に儲かる。いまこそ株式の時代。・・・いろんなことを言う人がいます。
 素人ですが・・・と株の質問をしてくる人がいます。・・・どんな株を買ったら良いですか?ダイレクトに質問する人もいます。
 その質問に親切に答える人がいます。
 その質問、自分で回答を探してみて、それでも分からないから質問しています?
その答え、本当に自分で確認したものなんですか?
 みんなが言っているからと自分で確認もせず答えていませんか?
 その答え、何の疑いもなしに信じていませんか?
 理由がない。もしくはあいまいなのに何も思わないで信じていませんか?
 それで儲かっているなら問題ないのですが、損しているのになんの疑いも持たないでいるのはおかしくないですか?
 専門家の意見は、本当に間違いないですか?
 四季報をはじめ、書かれている予想は外れませんか?
 ダウの動きに振り回されていませんか?
 損を損失にしてしまっていませんか?
 信用取引が怖いと思っていませんか?
 買いよりも売りの方が難しいと思っていませんか?
 企業で儲かるかどうかを決めていませんか?
 株価で売買を決めていませんか?
 PERやPBRなどを決め手としていませんか?
 いろいろと質問をしましたが、これらのことをきちんと答えられますか?
 これから賢い投資家へのアドバイスが始まります。
 一言で言うと「コントロール」
 しかし、そのコントロールをする上で、大切な要素があります。
 それは確実なものをコントロールするという事です。
 上の質問をあいまいにしたままだと、コントロールは出来ません。
 しっかりと自分で考え、理解したものをコントロールして下さい。
 そうでないと儲かる投資家を目指せません。
遊び程度に株を楽しむのなら問題ないです。
 しかし、本気で考えているのなら、努力が必要です。
 株は不労所得ではありません。脳に汗する立派な労働です。
 遊びでするなら怪我をしないうちにやめたほうがいいですよ。
 株はそんなに甘いものではないです。
 しかし、株は危険ではありません。
知らない事が危険なのです。

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