『個別の授業で面と向かっては言いにくい話をコラムにしています。言いにくいワケは、生徒さんは1人1人状況が異なり、一般論のアドバイスがつねに当てはまるとは限らないからです。
ですのでタイトルも「ひとり言」。本コラムの内容に有効性があるかと問われれば、私自身の中学受験や長年の指導で実践を心がけ、結果を出してきた事実を挙げるのみです。』
「いや~まあ、そりゃねえ…100点取れれば文句はないけど…」
ちらりとタイトルだけ見た人からは、ため息まじりにそんなつぶやきが聞こえてきそうです。
しかし!
私はなにも「テストで100点満点を取ろう」だなんて、そんな大それたことを言っているわけではありません。
(だいたい私自身、塾のテストで100点なんて取ったことがないですし…)
では一体、「100点満点のテストにする」とはどんな意味なのでしょうか?
オンライン授業でのやりとりで、返却された生徒さんの答案を見せてもらうことがよくあります。
そこで気になるのが、答案に空欄が目立つケース。
私に言わせると、空欄とはすなわち「試合放棄」なんですね。
だって何も書いていなければ、絶対に点はもらえませんから。
たとえば試験時間終了時に、10点ぶんの空欄があったとしましょう。
仮に埋めたところが全部合っていたとしても、そのテストは90点止まりですよね。
空欄を残したまま終えたことで、自ら望んで90点満点のテストにしてしまったことになります。
全部合えば100点の答案を提出した生徒と、全部合っても90点の答案を提出した生徒。
どちらが合格の可能性が高いでしょうか?
ちなみに子どものころの私は、中学受験のための国語のテストで、ただの一度も空欄を残して提出したことはありません。
「わー、すごくできるお子さんだったんですね!」とか言われてしまいそうですが、じつはまるで違います。
全然わからない問題であっても、無理やり答えをこしらえて入れておくほど、点取り虫で図々しかっただけです。
でも第一志望校に合格する生徒には、多かれ少なかれそんなところがあります。
他の受験生より不利になるような選択は、絶対にしない子ばかりなんですよ。
空欄のある答案を出すことは、自分以外の受験生を有利にさせることにほかなりません。
ですから第一志望に合格するには、何よりもまず、空欄ゼロの「100点満点のテストにすること」が必要。
もちろん本番に限った話ではありません。
ふだんのテストから、よほどのことがない限り、空欄はゼロで提出するよう心がけましょう。
練習でできていないことが、本番でできるはずがないからです。