今回は差別についてです。
最近、なんか差別についてのニュースが結構多いみたいですけど、別にニュースになるまいがいつでもどこでも起きています。
そして、誰でも差別をする可能性はあります。
いくら「差別はいけない」なんて言っている人だってそうです。
むしろ、そういう人の方が差別をしてしまう可能性が大きいのではないかと僕は思います。
というのも、差別の根本的な原因は思い込みだからです。
つまり、思い込みに気が付かなければ、差別をしてしまう可能性が出てくるのです。
今回はイスラエルでの民族による差別を紹介します。
差別されるのはユダヤ人ではなくアラブ人なのですが、どうして差別をされると思いますか。
そんな思い込みで差別するの!?
ザ・ヒーブロー・ユニバーシティ・オブ・エルサレムのアサフ・ザスマンは、ランダム化フィールド実験、フォローアップ電話調査、その他のデータ収集の取り組みを組み合わせて、中古車のイスラエルのオンライン市場における民族差別の程度と原因を調査します。
イスラエルにはユダヤ人が大多数を占め、アラブ人はマイノリティ。
実験では、イスラエル最大の個人広告サイトに車を売るという広告を掲載して8000人のユダヤ人に、それぞれ二通の手紙を送った。
二通とも内容はほぼ同じだったが、一通の差出人は「モシェ(明らかにユダヤ人の名前)」、もう一府の葉「モハメッド(明らかにアラブ系の名前)」にした。
両方のメールとも、広告に書かれていた売値より多少低い価格で提示した。
その結果、ユダヤ系の買い手に対する扁桃率はアラブ系のの買い手に対する返答率よりはるかに高かった。
そして、売り手が返答する割合は広告通りの価格でオファーしたアラブ系の買い手と、広告より5~10%低いか価格を提示したユダヤ系の買い手とほぼ同じだった。
その後、研究者は電話をかけ、車の販売と一見全く関係なさそうな、アラブ人およびアラブ人とユダヤ人の関係に対する考え方を訊く調査を実施した。
ちなみに、車を販売した人たちは、車の販売とその調査についての関係は全く知らなかった(その事実は伝えられていなかったから)。
それから、個々の回答者のの電話調査との結果と、車を購入するという買い手からのメールへの返答を比較した。
その結果、電話調査の回答者はいくつかの点でアラブ系の人たちに対する否定的な考え方を示し、特にアラブ系の人たちは生まれつきユダヤ人より知力が低く、そして娯楽施設はユダヤ人とは別のものを使わせるべきだと答える人が多かった。
また、差別の度合いで言えば、車の販売において示したような強い差別と相関性が見られた電話調査項目は1つだけだった。
それは、「イスラエルのアラブ系住民はユダヤ人よりごまかしをする」というものだった。
アラブ人が嫌いというわけでなく、ごまかすと思い込んでいたからごまかされたくないという気持ちが差別してしまうのですね。
ちょっと一言
「そんな馬鹿な」って思いますよね。
それは普段僕たちが彼らと接点がないので、客観的に見えるからです。
ですが、僕たち日本人だって外国人や障害者を差別しているかもしれません。
ただ、気づいていないだけで。
で、僕は差別はいけないとは思いますが、基本的に人間は愚かなのでなくなるわけはないと思っています。
逆に言えば、その愚かさがあることでそういう人はいつまで経っても成長しません。
考え方が固定されているので。
では、どうすれば思い込みから抜け出して成長していけるようになるかというと、それは思い込みを認識することです。
参考文献
Ethnic Discrimination: Lessons from the Israeli Online Market for Used Cars