6月に確認すべきは住民税。そもそも所得税や住民税はどう決まる?

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法律・税務・士業全般
本日は6月23日なので、6月に関係のある税金の話をさせて頂こうかと思うのですが、
6月に関係の深い税金は住民税です。

というのも、6月の給与から天引きされる住民税が変わります。
そして、来年の5月までは住民税の額はずっと変わりません。

<実は所得税より負担が重い住民税>

給与天引きされる税金には、国税である所得税と、地方税の住民税の2つがあります。

所得税はその月の給与収入が少なければ、徴収される税金は減り、
年の途中で扶養家族が増えて会社に伝えれば、それを織り込んで、
徴収する税金が減ります。また、賞与があれば賞与からも税金が徴収されます。

一方、住民税は前年の所得に対する住民税を、
6月~翌年5月までの給与から12カ月で分割して徴収されます。

住民税はその月の給与収入ではなく、
「前年の」賞与も含めた給与収入合計に対する住民税を1/12ずつ徴収される事になるので、月々の負担は、賞与分も含まれるので所得税よりも一般的に重くなりがちです。


又、所得税は5~45%まで7段階の累進税率となっているので、
所得が多いほど高い税率になるように工夫されているのですが、
実は所得税の税率が5%の人が納税者の約6割で、10%の税率の人は全体の2.5割。
残り1.5割の人が税率20%~45%です。

一方、住民税は所得に対して一律10%の税率なので、
税金を納める人の約6割は、住民税の負担が所得税の2倍となってます。


<住民税で負担額や給付額が決まるものも>

さらに、行政サービスに対する負担額や給付額が、住民税の額で決まる側面もあります。保育施設の保育料や高等学校就学支援金制度、高額療養制度の自己負担額などです。

このように住民税は、我々の負担する税金としてかなりの部分を占めるうえに、
行政サービスの給付や負担を決定する基準となり、家計に大きな影響があります。

ところが一般的には、所得税に比べ住民税はどうしても脇役のような捉え方をされてしまいがいちです。
これは、住民税の税額の決定システムに原因があると考えます。


<所得税と住民税はどのように決まる?>

所得税がきまるまでの流れ
まず、所得税は儲けに対して税金がかかります。
個人事業者などの儲けは「収入金額」から「必要経費」を差し引いて、儲けである「所得」を計算します。

給与所得者は個人事業者と違い必要経費に個人差がないので、
利便性と税金の確実な徴収のために、会社が従業員に代わり所得税を計算し、徴収・納付します。

会社は従業員が扶養している家族などの個人的な情報を、
「扶養控除等申告書」などで確認し、所得税は12月の最後の給与の際に計算します。


<住民税が決定するまで>

会社は所得税の計算結果の報告書として「源泉徴収票」を従業員に交付します。
同じ情報を従業員の住む市区町村に翌年1月末までに報告(給与支払報告書)します。
市区町村はその情報から住民税を計算して、結果を5月ごろ従業員の給与から天引きする住民税を会社に通知します。
会社は、それを受けて、6月~翌年5月の給与から、前年の給与収入に対する住民税を徴収します。
*自営業の方などの場合は6月までに納付通知が送られてきて、6月、8月、10月、翌1月と4回に渡って分割納付を自分でする必要があります(一括でする事も出来ます)。


つまり、所得税は、給与所得者も還付や納税のためには、情報を得て自分で行動を起こさなければなりません。一方、住民税は、住民税の仕組みを知らなくても、給与天引きで終了してしまうのです。

この結果、住民税の方が負担が重かったり、行政サービスの給付や負担に影響があるにも関わらず、どうしても関心が薄くなってしまう原因であると考えます。


<住むところによって住民税は変わる?>

国税である所得税は、課税所得が全く同じであれば、日本国であればどこに行っても、同じ税額です。

住民税は、所得割と均等割というものがあり、所得割は、所得に対して課される税額で、均等割は定額の年会費のようなものです。それぞれ道府県と市町村へ納めます。

いずれも、地方税法で標準税率が決まっています。道府県の所得割の税率は4%、市町村は6%で合計10%です。道府県の均等割は1,500円、市町村は3,500円で合計5,000円。

そのため、住むところによって住民税が若干異なることはありますが、その差はほとんどないので全員共通と考えてもよいと思います。


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