なぜ資産1億円以上が「富裕層」と呼ばれるか

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投資の世界では「億り人」という表現が結構使われます。
これは、文字通り純金融資産が1億円を超える人の事を指します。
そして、一般的にも「富裕層」というと純金融資産が1億円以上ある人のことを指す事が多いです。
*純金融資産=金融資産-金融負債

では、なぜ「1億円」が富裕層の基準なのかという事ですが、
これには数値的に一定の根拠があります。


まず、富裕層という階層の定義ですが、
あくあせく働く事なく、お金に困らず、悠々自適に暮らす事が出来る層と捉えます。

例えば、いくら資産があっても毎日12時間働いて、
さらに取引先や上司から理不尽な扱いを受けて、
嫌でも働き続けなければならないという状態では、
お金があっても富裕層というイメージではないと思います。

もっと言うと、他人からお金のために時間や精神を搾取されない状態を富裕層と考えます。

つまり、自分が1秒も働かなくても不労所得で生活出来る水準が富裕層です。

これが、数値的に言うと1億円が基準になるのだと考えます。


以下、この数値的な根拠を解説させて頂きます。

まず、三面等価の原則によりGDPと国民に分配される額はイコールと考えます。
*三面等価の原則:三面等価の原則(さんめんとうかのげんそく)とは、生産面からみても分配(所得)面から見ても支出面から見ても国内総生産(GDP)は同じ値になることを示す、マクロ経済学上の原則である。


日本のGDPは約500兆円です。
この中で、労働者に賃金として支払われているのは約250兆円で、利子や配当など資本に対する対価として支払われているのは約100兆円です。
(残り150兆円は減価償却や税金です。)

日本の労働人口は約6500万人なので、
1人あたりの年間労働報酬額は384万円(250兆円÷6500万人)という事になります。

一方、内閣府から発表されている国富(資本として提供されるお金の総額)は約3300兆円なので、資本の対価として得られた100兆円を使って利回りを計算すると、約3.3%になります。
*国富とは、国民全体が保有する資産から負債を差し引いた正味資産です。

ゆえに、1億円の純金融資産があれば年間330万円平均で得られる事になり
上述した1人あたりの年間労働報酬額は384万円と近い値になります。

よって、純金融資産が1億円あれば、働かずして(不労所得のみで)他の人と同じような生活が出来るという事になり、キリがよいという事も加わって純金融資産1億円が富裕層の定義として用いられる事が多いのだと考えます。


そのため、以前セミリタイヤのための4%ルールという記事も書きましたが、
上記では3.3%という平均的な利回りを元に計算していますが、投資スキルがあれば純金融資産が1億円未満でも富裕層ですし、投資スキルがなければ純金融資産が1億円を超えていても富裕層ではないという事になります。
*なお、超富裕層としてよく言われる水準はこの純金融資産が5億円以上となりますが、
これだと3.3%の利回りで1650万円年間入ってくるので、超富裕層と言われるのもうなづけます。


ただ、上記の数値的根拠からいくと
富裕層も生活としては年間330万円だったりするので、
年収ではこれぐらい稼いでいる人は多いと思います。

よって、生活レベルは富裕層でもそうでない人もそんなに変わらないという事です。
違うのは、強制的に労働する必要があるのか、ないのかの違いです。

そういう意味でやはり一番価値があるのは、
自分の時間をどれだけ生きられるかだと考えます。


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