欧文ロゴ制作のコツ:アポストロフィに注意

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欧文(ラテン文字アルファベット/ローマ字)でロゴを作る際、アポストロフィを入れることがあると思いますが、これには注意が必要です。日本語配列のキーボードだと Shift+7 で出る「'」(U+0027)記号、これを使ってはいけません。

これは欧米ではマヌケ引用符 dumb quotes と呼ばれ、プログラムや HTML などのコード以外で使用することはありません。TDC(ニューヨーク・タイプ・ディレクターズ・クラブ)の作品審査では、これを使用していると真っ先に落とされるそうです。アポストロフィには必ず右単一引用符 right quotation mark「’」(U+2019)を使用してください。
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タイトルケースでのフランス語の「d’」の扱い

短文の単語の先頭文字を大文字に組むことをタイトルケース Title Case と呼びます。

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この時、フランス語の「d’」の扱い方を間違えているものを時々見かけます。例えば「côte d’or コート・ドール」、これは「黄金の丘」という意味で、よくワインショップの名前になっています(ブドウの葉が収穫期に真っ黄色になり畑一面金色になるため)。

実はこの「d’」は元々「de ド」、英語でいう「of」や「from」、日本語だと「~の」という意味で、フランス語のルールとして de の次に母音や h の音が来ると次の音と結合して「ダ行」の音に変化し、この時表記も「d’」と変化して次の単語と結合します。これも以下のような間違いがよく見られます。

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正しくは以下のようになります。

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なので以下のパッケージの表記も正しくはこう。

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という感じです。たかがアポストロフィという小さな記号のことで、と思うでしょうが、この扱いひとつで素人感が出てしまいますので、ロゴ制作の際には注意しましょう。


※決して各デザインそのものを貶す意図はありません。文字組みとして正しいかどうかのみの指摘です。

参考文献:小林章.欧文書体―その背景と使い方.美術出版社,2005年
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