妻が小1の壁で引退します。

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コラム
 先月で妻が退職しました。某保険会社に勤めておりましたが、いわゆる小1の壁というやつです。
 私たち夫婦はこれまで結婚以来共働きでした。2人の子供に恵まれ、妻は育休後も、子育てしながら時短勤務をがんばってまいりました。しかし2021年4月から長男が小学校に進級するのを機に、妻が引退を決断しました。

 妻が勤務するのは某保険会社ですが、子供が小学生の場合、会社規定により時短ができません。妻の会社では時短でない場合、家に帰れるのは結構遅くなります。少なくとも小学一年生が帰宅する時間ではないです。

 長男を学童保育に通わせ、下の子を保育園に迎えにいき、それから夕食を作って、というケースはやはり厳しいだろうということになりました。保険会社ですがから休日もカレンダー通りで、夏も冬も自由に休みが取れません。長男を夏休みもずっと学童に通わせることになります。もちろん旅行にだって行けません。

 上記をこなせる人もいるでしょう。しかし妻の職場は常に忙しく、とても早く帰れる雰囲気ではないようです。いつもヘトヘトになって帰ってきます。仕事内容は顧客より申請された保険の査定ですが、人員削減で一般職は常に人員が足りず、一人一人にものすごい負担、件数がのしかかっています。チームで仕事するため、休めば上司ではなく、同じ立場の同僚の誰かに迷惑がかかる仕組みになっています。

 総合職の上司はラクそう、何もやってない、手伝ってくれない。仕事の内容を理解しているようでもない…何度も妻が嘆いていました。給料だって高くありません。同じアラフォーですが、時短ですと私の半額以下です。

 明らかに会社の仕組みの問題です。女性社員は結婚したら辞める、子供が生まれたら辞める、小学生に進級したら辞める、ということを想定した構造になっています。もちろん会社には女性社員もいますが、結婚していない人、子供のいない人だけが残っているそうです。子供が小学生で正社員の例は見たことがないそうです。

 小学校も、全く現代社会に合わせていません。入学前健康診断や入学説明会は当然のように平日です。明らかに専業主婦を想定していて、代替日程はありません。働いている女性で簡単に休める人なんていないのを、わかっていないのです。

 これからの女性活躍時代にこれでいいのでしょうか?日本は社会全体が女性を差別しているのです。世界経済フォーラムが毎年発表している各国の男女格差指数のことにおいて、2019年日本は153か国中121位だそうですが、恥ずかしながら結婚してようやく意味がわかりました。男性側は差別する側なので、気づかないのです。
 妻は明らかに会社の戦力で、いなければ周りが大変な思いをします。できることならならまだ働きたい、と言っていました。本当に会社に必要な人が辞めなければならないのです。先日の最終出社日は、たくさんの花束や贈り物をもらってきました。人知れず辞めたり、いつの間にか来なくなった人はもらえません。妻は惜しまれて退職しました。
 大変な仕事なのですぐに辞める人もいます。しかし大きな保険会社ですから、誰かが辞めても応募者は多いのです。大変な仕事を入社年度の浅い女性にさせて、こき使って辞めさせ、ずっと勤務できる男性だけがラクな仕事と高い給料で生活できる。そんな仕組みになっています。

 これから社会は変容し、新型コロナで在宅勤務が増え、アウトプットで評価されるようになりました。何もしていない人、成果を上げている人の差がはっきりします。妻のような「実働部隊」が評価される時代がもうすぐ来るはずなのですが、少しだけ間に合いませんでした。

 妻は今、こたつでみかんを食べています。これまで子育てしながらの会社生活、本当に大変だったので、ゆっくり体を癒して欲しいと思います。少ししたら近いうちに車の免許を取りに行くそうです。いつでも子供の習い事や、実家に連れていけるように、両親も運転できなくなる日が近いからとのことです。

 我が家もこれにてシングルインカムとなります。私も大黒柱として、がんばって本業・副業に取り組んでまいりたいと思います。

#小1の壁

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