WEBディレクターって要るの?

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WEBディレクターっていらないんじゃないの?


自分でこの仕事を始めたころ「わたしの立場って別に要らないのでは?」と思ってきました。要するに調整役、整理する人なので。そんなに込み入った話じゃなければ居なくてもサイトはできるでしょ?と。

それに、デザイナーさんやコーダーさんにもここはこういう造りにしたほうがいい、という背景があるわけです。むしろ実際に手を動かす人の方がその辺りに詳しいはず。作りやすいとか、後から手を加えやすいとか。だとしたらディレクターが変に話をまとめてきちゃうより、制作の方が直接クライアントと話したほうがいいんじゃないの?と。

最近になってフと「そういえばこれについて深堀してないな」と思い出したので、同僚に質問してみることにしました。

まずは制作チームの方から。

話をまとめるために要る(制作チームより)


もう単刀直入に「あのう、前から思ってたんですけど。WEBディレクターって要ります?ご自分でやったほうが早くないですか」と聞いてみました。
まず答えてくれたのは、デザイナーさんです。

「要りますよ!わたし自分でディレクションやってたこともありますけど、もう大変でした。わたしは作ってた方がいい、作りたい。その中で自分のアイディアが出せるところは出しますけど、それ以外の交渉事はディレクターさんにお任せしたいです」

なるほど…。作るためのアイディアと案件をまとめるための発想はちょっと違うのかもしれないな…。

次に、コーダーさんに聞いてみました。

「要ります、いります。僕はまとまった内容に対して正しく作ることはできますけど、お客さんの想いとかビジネスをどうやってサイト設計に落とすのかは分かりません。こういうサイトをこう作ってくれっていうレベルにまで情報をまとめる人は必要ですよ」

へぇー、そうなんですね。話をまとめるっていうのもお役に立つスキルだっていうことなのかなぁ。


ちゃんと伝わるサイトにするために要る(クライアントより)


そんなことを考えている時に、知人からWEBサイト制作の相談を頂きました。新しく開くヨガスタジオのサイトです。
実は既に、知り合いのデザイナーに作ってもらったのがあるというので見せて貰いました。

すると…

ファーストビュー、何もスクロールせずに画面に映る範囲は、真っ白地にロゴだけだったんです。

確かに格好いいです。潔い。でも…何のサイトかさっぱり分かりません。ロゴに強い力があって、誰もが知ってるブランドならこれでもいいと思います。ロゴを見ただけで何のサイトか分かりますからね。今回の場合ならせめてヨガをしてる人の写真は欲しい、ヨガのスタジオであることは伝えたい…!

そんなことを知人に説明してるうちに「あ、これがWEBディレクターの価値なのかもしれない」と思いました。知人にも「そういうアドバイス、ほんと助かります…!」と喜んでもらえました。


WEBディレクターは全体的なコミュニケーション設計者


デザインが良ければディレクターが居なくてもいいんじゃないの?コーダーさんが居ればフリー素材でサイトはできるんじゃないの?
そんな問いへの答えはきっとYESです。ディレクターが居なくてもサイトはできます。

でも、WEBディレクターが居るとサイト上で良い対話がしやすくなります。つまりは、いいサイトができます。

ご依頼された方の想い、立場、やりたい事、やれる事、ユーザーさんとの関係などなど、いろんなことを考えて「サイトのここに、こういうものを、こういうデザインでおきましょう」とご提案します。
WEBサイトは対話ツールです。会話でもよくある『言ったつもり』『伝わってない』が起こりえます。そこに気が付いて「もっとこうした方が話がスムーズになりますよ」とお知らせできるのがWEBディレクターです。

WEBサイトを作る時や作ったものを使ってる時、もし近くにWEBディレクターがいたら相談してみてください。きっと何かいい発見をしてくれると思いますよ。

…って言いながら、いま自分で「うん、わたしはここを大事にディレクションしていこう」と決意を新たにしてるんですけどね。サイト上でいいコミュニケーションを生むために、これからも精進します。
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