#033 統計の活用(1)-1 2つの集団の平均の差:t検定

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皆さんは業務上、2つの集団の比較をすることがありますか?たとえば、作物を作るときに、肥料Aと肥料Bについて、どちらがよく育つかとか、キャンペーン企画を行った後に、そのキャンペーンは効果があったかなど、いろいろなシーンがあると思います。そのような場合に使えるのがt検定です。
t検定は、集団の平均値の差について、それが意味のある差なのか、単なる誤差なのかを調べる方法です。帰無仮説(計算したい対象)を「2つの集団の平均に差は無い」として、その確率を計算します。その確率が5%未満だと、帰無仮説が棄却(5%未満の確率で起こるということは、滅多に起こらないことを意味するから、帰無仮説が採択されないと言うこと)され、「2つの集団の平均になんらかの意味のある差(有意な差)がある」とします。これは、最初に立てた仮説を論理展開すると、どこかで矛盾が生じるため、最初の仮説は間違っているという証明方法「背理法」の一種です。
例えば、肥料Aで作った作物の重さを平均し、同じ期間だけ肥料Bを使って栽培した作物の重さを平均した時、その平均値の差は肥料の違いによるものか、統計学的に確率を算出することができます。ここで、肥料の違いで比較するためには、肥料以外の条件を合わせておく必要があります。肥料Aは6ヶ月、肥料Bは10ヶ月栽培しましたというのは、肥料の違いで重さに差が出たのか、期間の違いで重さに差が出たのかわからなくなるからです。平均をとるため、個数は一致させておく必要はありません。(続く)

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