「中3夏からでも早慶附属高に合格する勉強法」

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◎はじめに

私は東北の田舎の出身だが、東京に住んでいたら間違いなく早慶附属校を受けていたと思う。学力にはそれなりに自信があったのだが、当時は「相対内申」だった上、実技科目の教師に嫌われていたせいもあり、いかんせん内申が振るわなかった。(5教科23、保健体育は3、美術4、音楽2、技術家庭3だったと思う)
今の入試形態で(内申点を300点に換算)都立高校を受けていたら日比谷、戸山のようなトップ校は受験すらできなかったと思う。
これはかつての私のような、「5教科の学力にはそれなりに自信はあるけど、内申は取れないから公立は妥協せざるを得ない」という中3受験生にむけて書いたものだ。
「高校受験で早慶附属高に入る」こんな「オイシイ」入試は首都圏に住んでいる中学生の特権だろう。

早慶に入る場合、
幼稚園、小学校から入るには家柄だったり保護者が一定以上のステータスがあったりしないと現実問題難しい。これは本人の努力というより「保護者の受験」である。
中学受験は首都圏のどんなにレベルの低い学校でも、小学校で「真ん中より上」の成績の子たちでの競争である。その中で最上位の優秀な子たちがいわゆる御三家中、早慶附属中に入学していく。いわば同世代のトップとの戦いになる。
大学受験は、一気に全国区の争いになる。北海道から沖縄まで全国の公立トップ層、中高一貫校、浪人生までもが受験しにくる。東大や一橋、東工大のような難関国立大学志望者もほぼ全員早慶大は併願する。
では、高校受験は?
ライバルは基本的に「通える範囲の公立中」の生徒だけである。
しかも、
・中学受験により「本当の上位層」は抜けてしまっている
・偏差値で作られた難しい、というイメージだけが先行し受験しようとする中学生がそもそも多くない
・一般受験で受ける以上、内申の評定は関係ない
私は10年以上都内の大手進学塾で高校受験の最上位クラスを担当してきたが、年度頭の最初の仕事は「早慶附属受験者を作る」ことだった。都立日比谷や都立戸山などは志望するのだが、早慶附属と聞くと判を押したように「うちの子がそんなところを受けるのは恐れ多い」やら「偏差値70以上あるのに受かるわけない」という返答が帰ってくる。(いざ公立上位校に入ったら「早慶には行きたい」とか言い出すくせに、だ)
そして夏くらいにようやくそこまで言うなら志望に入れてみましょうか、となり都立の併願として考えてくれるようになる。
だから結局、進学塾でも初めから「早慶目指したい」と思っている中3生はそこまで多くない。
近場の公立高校に入るために来た、という子がほとんどである。
結局早慶合格している子も、たまたま塾の先生に勧められたから受験を考えているケースがほとんどで、それも中3になってからようやく決めたケースが多い。
中3生は夏までは部活があるのが普通で1学期の定期考査もあり、実質きちんと受験勉強に時間が取れるのは夏からという子が少なくない。
(実際塾にとっても夏期講習はかきいれ時で、毎年入塾者が増える時期は夏で、学年は中3生と決まっている。)
結局のところ正味半年の勉強で受験している中3生が一番多いと思う。
これは早慶附属高合格者でも決して例外ではない。

また偏差値についても正直アテにならない。私立と内申が絡んでくる公立高校受験では、そもそもの内申の取り易さや科目数の違いもあるので同列には語れない。
例えば首都圏の高校受験のある偏差値データでは、偏差値78のゾーンに「お茶の水女子大附属」「筑波大学附属」「筑波大学附属駒場」「開成」と並んでいる。
「お茶の水女子大附属」は都立トップ校が受かるレベルなら理科、社会の対策をきちんと時間をとってやればじゅうぶん合格する可能性がある。筑波大学附属はそれよりはやはり難しい。5教科の基礎を万全に固めた後、標準〜やや難の問題をミスなく手早く処理できる状況まで高めないと手が届かない。(ただし国立附属なので義務教育の範囲でしか出題されない)
開成高校は「西の灘」と並び評される難易度で、入試問題のレベルは高2内容まで知らないと得点できないものも出題されている。
筑波大学附属駒場は開成高校合格者でも3人に1人程度しか受からない。開成と筑波大学附属駒場でも実際には難易度で開きがある。
よって同じ偏差値帯に並んでいるからといっても難易度は差があり、これらを同一に語ることはできない。
では結局何を指標にすれば良いのか?それは志望校の「過去問」である。
志望校の過去問だけが「受験勉強の到達点」を教えてくれる。
偏差値や模試の判定はあくまで「目安」と考え、「志望校までの距離」は「過去問」でしっかり測っていく必要があり、またそれが志望校合格への「最短経路」なのだ。

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