これって大丈夫?機能性食品表示について知る時間

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大手メーカーサプリを摂取した人に健康被害が出ている問題で、機能性表示食品のサプリメントに、今注目が集めています。機能性表示食品のサプリメントを販売するには、ガイドラインに準じた書類の届出が必要です。正しい手順に基づいてエビデンスを用意し、安全性や機能性の根拠を開示しなくてはいけません。
そこで今回は、サプリメントを取り扱う企業や今後サプリメント開発を考えている方に向けて、機能性表示食品のガイドラインをわかりやすく解説いたします。
ぜひ、参考にしてみてください。
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目次
・機能性表示食品ガイドラインの内容をわかりやすく解説
-安全性に係る事項
-生産・製造及び品質管理に係る事項
-健康被害の情報収集に係る事項
-機能性に係る事項
-表示及び情報開示の在り方に係る事項
-届出の在り方に係る事項
・機能性表示食品の届出と開発費用について
・機能性表示食品の広告表現について
・まとめ

機能性表示食品ガイドラインの内容をわかりやすく解説 

消費者庁「機能性表示食品の届出に関するガイドライン」に明記されている、届出に必要な項目は以下のものがあります。
・安全性に係る事項
・生産・製造及び品質管理に係る事項
・健康被害の情報収集に係る事項
・機能性に係る事項
・表示及び情報開示の在り方に係る事項
・届出の在り方に係る事項
これら6項目について、サプリメントに関わる部分をピックアップして解説します。

安全性に係る事項

安全性の根拠は、以下の評価で行います。
① 喫食実績による食経験の評価
∟喫食実績により安全性が十分に確認されているか。
② 既存情報による食経験の評価
∟含有する機能性関与成分または喫食実績について、公的機関のデータベース、民間機関や研究者等が調査・作成した2次情報から情報を収集し、安全性が十分に確認できたか。
③ 既存情報による安全性試験結果の評価
∟含有する機能性関与成分または最終製品の安全性試験結果について、公的機関のデータベース、民間機関や研究者等が調査・作成した2次情報から情報を収集し、安全性が十分に確認できたか。
④ 安全性試験の実施による安全性の評価
∟in vitro 試験及び in vivo 試験により安全性が十分に確認できたか。臨床試験(ヒト試験)により安全性が十分に確認できたか。

生産・製造及び品質管理に係る事項

2項目について、安全性の根拠を説明します。
① 生産・製造及び品質管理の体制に関する事項
∟製造施設・従業員の衛生管理体制について。GMP、HACCP等を取得した方法などを明記する。
② 食品中の機能性関与成分等の分析に関する事項
∟機能性関与成分が、表示された量含まれていることや機能性関与成分以外の成分のうち、過剰摂取や長期摂取を行っても問題ないかを証明する。
第三者試験機関で実施した分析試験の成績書を添付します。

健康被害の情報収集に係る事項

健康被害が発生した時に、迅速に対応できる体制が整っているかを報告します。連絡を受けた時の対応窓口や連絡先、組織図、健康被害情報への収集や対応方法などを明記します。

機能性に係る事項

表示しようとする機能性の科学的根拠を説明します。臨床試験(ヒト試験)や研究レビューいずれかによる資料が必要です。エビデンスを説明する書類なので、求められる項目は数種類に渡ります。
▪一部抜粋
・機能性の科学的根拠に関する点検表
・特定保健用食品とは異なる臨床試験方法とした合理的理由に関する説明資料
・表示しようとする機能性の科学的根拠に関する補足説明資料 など

表示及び情報開示の在り方に係る事項

製品パッケージの表示見本を提出します。表示する文章だけでなく、デザインやイラスト、形状も届出対象です。
機能性表示食品として販売する場合、パッケージに記載しなければいけない項目がいくつかあります。
▪記載が必要な項目
・機能性表示食品である旨
・消費者庁に届出した機能性
・1日当たりの摂取目安量当たりの機能性関与成分の含有量
・1日当たりの摂取目安
・届出番号
・事業者の連絡先
・摂取方法
・注意事項
・医薬品ではない旨
・疾病の罹患者、未成年者、妊産婦(妊娠を計画している方を含む)および授乳婦を対象に開発された製品ではない旨
・「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。」という記述

届出の在り方に係る事項

届出者の基本情報や関与成分について、どのようなメカニズムで機能性を発揮するのか明記した作用機序の提出をします。なぜその機能性があるのかについて、論文などの資料が必要です。

機能性表示食品の届出と開発費用について 

ガイドラインに準じて書類の制作ができたら、消費者庁に提出をします。届出のやり取りは、すべて消費者庁のデーターベースを通じて行います。
機能性表示食品は、特定保健用食品(トクホ)のような許認可制とは異なり、個別審査を受ける必要がありません。エビデンスを集め、書類作り、形式審査に通れば受理されます。
ただし、かなり細かいチェックや厳しい基準があるため、簡単に受理できるものではありません。一度受理されても、後日不備があった場合、書類の追加提出を求められることがあります。
書類の制作など大変な部分もありますが、特定保健用食品(トクホ)は販売するまでに1~2年程度の期間と数億円の費用がかかるのに比べて、機能性表示食品は数カ月程度の期間と、数百万~1千万程度で開発ができるため、事業主にとっては負担が軽いというメリットがあります。
機能性表示食品のサプリメントは、特定保健用食品と比較すると参入しやすいですが、さまざまな問題が指摘されているため、しっかりと安全性や信頼性を損なわない製品開発が必要です。

機能性表示食品の広告表現について

機能性表示食品は、製品広告に「血圧が高めの方に」「脂肪の代謝を促進」など、美や健康に関する機能性を表示することができます。しかし、医薬品とは異なるため、病気の予防・診断・治療効果を暗示する表現は認められません。
機能性表示食品で認められる範囲の中で、より製品の魅力が伝わるコピーや表現をしていくことが大切です。
また、薬機法や景品表示法など、さまざまな規制を守る必要があるため、広告やパッケージを制作する際は、専門のライターに依頼することをお勧めします。

まとめ

今回は、機能性表示食品のガイドラインについてお伝えしました。機能性表示食品は、独自の訴求ができるため、製品の強みとして活用できます。
しかし、さまざまな事件により、消費者の意識が変わってきているのも事実です。事業主がしっかりとルールや法律を守り、消費者が安心安全に製品を利用できることが、さらに求められているのです。
参考:消費者庁「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」

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