メールによる密告(匿名告発)の基礎知識

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コラム

密告メールは「認知」「開封」の関門が存在する――

私は業者時代を含め、密告業界に身を置き、すでに10年目を迎えております。電話・手紙・対面口頭など、さまざまな方法で依頼をこなしてきました。

また、実行員(工作員)としてではなく、数十名の工作員を管理、新人教育や、採用、報酬の振り分けまでしていました。

あまり大っぴらには申せませんが。当時、私の上司にあたる人物(A)が業界ではじめて密告のテンプレートを公開。今では非専門業者、とくに便利屋がAが公開したテンプレートを使用していたりもします。事実、私も同業他社に効果的なテンプレートを卸していたりもしました。なお、今は法的にも古いのでそのまま使う業者はいませんのでご注意を。そのような活動のなか、私はさまざまな形態で密告のサポートをしてきました。実はそのなかで一番私が手こずった密告形態が存在します。それがメールによる密告。なぜかというと、メールは可読率が低い傾向にあるため

メールは「届いた」という印象の度合いとしては手紙・電話に劣ります。
手紙であればとりあえずは投函されます。つまり「認知」される。
投函されたあとは開封されるかどうかという難関が待ち構えています。
電話であっても着信履歴は残りますよね。

受信数が日常的に多い相手であれば見通す場合もありますし、なによりスパム判定を受ける可能性も高い。到達し、認知されるまでが第一関門。第二関門が開封されるかどうか。そして、この第二関門を突破するにはタイトル(件名)が重要です。

方法としては、相手側(送信先)がドキッとするワードを含ませる。
また、警戒心が高い相手であれば取引先、知人と誤認させるようなタイトルにもします。どのようなタイトルにすれば開封率が高まるのか? それはご依頼の内容、相手の正性格によって異なります。ですので、「これが一番開封されやすいタイトルだ!」とは申せません。もし、そのように言う業者がいたらまず経験の浅い者か、見よう見まねでしている便利屋でしょう。

また、効果的な文章の書き方も異なります。
裏側を言うと、すでに効果的なひな形は決まっているため、大体は似通ってきます。また、一般的な手紙・メールのマナーに沿わないケースも珍しくありません。いっぽう、もぐりや、経験の浅い業者、一般の便利屋が手探りで書く密告文章は一般的な文章マナーに沿いがちです。

名誉棄損となりうるメール密告

業者時代に次のような相談者さまは珍しくありませんでした。

(例)「どうしてもAさんにBさんの不正を伝えたい。けれどAさんが勤めている会社しか情報を知り得ない。なのでAさんの会社ウェブサイトのコンタクトフォームからBさんの不正を伝えて欲しい」

この場合、最低限の法的な知識がある業者は請け負いません。
これはいわば密告手紙の禁じ手、ハガキでの密告に相当するからです。
なぜなら、特定の人物(個人)に伝えようとしても、その情報が伝わる際に不特定多数の人物の目に触れてしまう。つまり、大声で人の不名誉を喧伝しているようなものだからです。

つまり、この時点で名誉棄損となる恐れがある。だからこそまともな業者は引き受けません。「もっと情報を得てから」「会社宛ての手紙に切り替えましょう」などと、代替案を提示するでしょう。ですので、団体・組織宛てのメールフォームに密告(匿名告発)する際には内容に注意しなければいけません。それが公的に正義と言えるものでも名誉棄損となる恐れがあるからです。

同時多発密告もNG

「個人宛、直通のメールアドレスならば大丈夫だろう」そうおもって同時に数十名の人物に密告メールを送信する。これも名誉棄損にあたるであろうNG行為です。どこで仕入れたのか、次のような知識を述べる方もおりますが間違いです。「明確な不正であり、社会の役に立つ密告であれば名誉棄損には当たらない」。内容によっては誹謗中傷、名誉棄損にもあたりますし、確認が取れていない情報を断言すれば虚偽になってしまいます。組織として活動できるマスコミではないのですから、裏を取るのも難しいでしょう。ですので、内容は精査できたものだけ。そして個人であれば送信するメールはひとり(1通)ずつが基本です。

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