新たなプログラミング言語「プロンプト」の登場

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生成AIに何か生成してもらう際には「プロンプト」が必要です。自分が求めているものを生成させるにはプロンプトを適切に作成する必要があります。また、生成AIはコーディングも得意としており、「プロンプトエンジニア」はソフトウェアエンジニアリングを置き換えるのか否か、議論が巻き起こっています。

知っている方もいるかもしれませんが、Nvidiaの共同創設者兼社長であるジェンスン・フアン氏は、この現象が起こることを予言しています。ジェンスン・フアン氏は、以前ドバイで開催された世界政府サミットで次のように述べました。

過去10年から15年にわたり、最も影響力のある技術者たちが言ってきたことですが、特に子供たちはコーディングを学ぶべきです。

この発言は多くの人々の注目を集めました。多くの人々にとって、この時代を生きていくためにコンピューターサイエンスや、プログラミングの知識は必要不可欠だと考えられているからです。

彼はさらに、次のような発言も加えています。

「私たちの仕事は、誰もがプログラムを必要としないコンピューティング技術を創造することです。そして、プログラミング言語は人間です。」「今、世界中の誰もがプログラマーです。これがAIの奇跡です。」

これらの発言に対して、皆さんはどう感じたでしょうか?人によっては非常に大胆な発言に聞こえる可能性もあるかと思います。特に、プログラミングに関する技術に興味を持っている方や、コーディングを学んでいる方にとっては、この発言は非常に落胆させるかもしれません。

私自身の経験から言うと、確かにコーディングの業務は飛躍的に向上し効率化を図ることができています。私は Python をメインで活用し、マーケティングのデータ分析のためのコード生成は ChatGPT などを使用しています。データを読み込むための基本的なコードや、分析のための回帰分析モデルのコードまで瞬時に生成することができるため、クライアントの実務に分析結果を活かすためのデータ解釈など、創造的な時間に重きを置くことができています。

私は、重要なことはコーディングスキルではなく、こちらが生成してほしいことを的確にプロンプトに落とし込むスキルを身に着けることであると考えています。もちろん、生成されたものをチェックするためにはある程度のプログラミングの素養が不可欠であることも重々承知しています。しかし、今後も生成AIの精度が上がることを考えると、そのチェックする工程さえも生成AIが人間以上に正確に行うことができる日が来ると考えられます。

私たちがプログラミングを学んで、業務で使いこなす頃には生成AIが私たち以上のコードを生成できるようになるのであれば、残念ながらその努力は実らない可能性もあると言えるでしょう。したがって、早い段階で生成AIの仕組みを理解し、使いこなすためのスキルとしてのプロンプトエンジニアリングを学ぶことが重要です (実は、プロンプト自体も今後は必要なくなるのではないかという議論さえあります)。

先ほどのジェンスン氏による発言は、これは彼が初めてではありません。しかし、今回の彼の発言は何か異なる感じもします。これまでにも他のCEOからAIがプログラミングを置き換えるだろうという発言は何度かありましたが、今回の彼の発言は、私たちがその現実を目の当たりにしているため、より異なって感じられると言えます。

プログラミングに関する業務が今後、生成AIに代替されていくことは大いにあると思います。そこで私たちがやるべきことは「生成AIが得意とすること」と、「苦手とすること」を理解し、自分の業務にどのようにAIと協力して行っていけるのか、試行錯誤を繰り返していくことだと考えています。
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