中3物語/ほいほいの魔法の畑/第32話/自由の上にいる「みんな」/トマト編

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 子どもたちに囲まれて仕事をしている。なんて幸せだろう。子どもと私は並列で、子どもも私も同じ地平に立って喜びを感じてる。子どもが感じてる喜び。私が感じてる喜びをお伝えしたい。

 トマト / 小学6年 女の子。

 何年もの間学校へ行くことができなかった。どうしてか理由は聞いていない。聞かないで、おいておいた。なんだかそのほうがいいような。そんな気がしただけだ。
 トマトが教室に初めて来たとき。もちろん予めお母様から不登校だと聞いていた。けれども、他のみんなにするのと同じような楽しいことをしようと考えて準備していた。初対面のときは very に緊張していた。けれど、リンゴ方程式のかわいいプリントがお気に召したようだった。ディズニーの英語も好きになり、
 Look at Mickey and Minnie. They're taking a walk. 
なんてすぐに書けるようになっちゃった。リバティが大好きになるにつれて、心を開くことができるようになってきた。
 学校へは行けないので先生が家庭訪問してプリントを届けてくれる。その算数プリントを一緒に解くことを始めた。わからないから、怖い気がするから、自分から式や数字を書き進めることができなかった。ん?こーかな?と思っても書けなかった。センセが説明したことを「うん」と返事をして、あとをついてくる。そんなことをする期間が長く続いた。でも「人口密度」を理解できる。「通分」も理解できる。ただ「怖さ」が邪魔をしているだけだった。 
 お友だちが学校から帰ってから、一緒に遊ぶことはしていたらしい。仲の良いお友だちは結構たくさんいるらしい。そんなトマト。6年生になるのを機会に登校と中学受験に前向きになった。週1回で別室登校を始めることができるように。それが週2に。リバティでも「お友だちと同席してはどうか」と提案を差し上げられるところまできた。お勉強の方も、自分から教材を開いたり、進めたりできるようになってきた。
 今日。こんなの解けたんだ。
  14÷(6.3÷7-0.5) / 上宮学園中学校


 私たちのまわりの空気の中には、
 うれしいこと。楽しいこと。
 それから美しいものも溶けています。

 たくさんたくさん溶けているそれらを
 しっかりつまえることができる心を育てたい。

 問題点に目を向けるのではなく
 豊かなものに触れさせてあげてください。
 あなたが豊かになってください。
 私たちが豊かになりましょう。

 問題点に目を向けるのは、
 本人がその気になってからでちゃんと間に合います。


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