水中では人間がいかに無力であるかを知る。
それゆえ地上のありがたさを実感できる。
機材がなければ呼吸もできず、方角もわからず、思う方向に移動することもできない。
だからこそ入念に機材を点検し、機材を信じることを要求される。
その他、天候、海洋状況、自身の健康状態など。
ガイドは命を預かる仕事。
常に安定していなければならない。
私がスキューバダイビングを始めたきっかけは職場の友人の誘いから。
「スキューバダイビングは、心のコントロールに有効だよ」
当時のメンタルフォローは今ほど重要視されていない時代。
後日、気分転換のつもりで体験ダイビングに出掛けました。
もともと海のそばで生まれ過ごしていたせいか、幼い頃から海に慣れ親しんでいて、抵抗はなく。
一瞬で虜になりました。
生まれてはじめて見た海底の神秘的なこと。
頭上から差す光。
見事なまでのカラフルな珊瑚礁、魚たち。
遺跡など。
今まで体験したことのない無重力感。
静寂感。
驚くほどゆっくりとした、ゆったりとした時の流れ。
好奇心が抑えきれず、インストラクターを目指して船の免許まで取ってしまいました。
ちなみに、私の名前の『ひかる』は、ここから来ています。
海底から見上げたときの頭上から差す光があまりにも神秘的で、いつまでも眺めていたい。
暗闇にさ迷うものに安堵感を与えてくれる。
ちょっとおこがましいのですが。
海底からの浮上はその光を目指します。
浮上と共に海水温度も温かみを増して冷えきった体が少しずつ弛緩され、楽になって行く。
解放されていく瞬間が好きで。
体験ダイビングを終え、本格的なライセンス取得へと舵を切っていきます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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ひかる